第207回 EMによる農(一次産業)の本質の実現へ(1)



農の本質
農の本質とは、これまでいろいろな機会に述べてきたが、『安全で快適、低コストで高品質、善循環的持続可能な技術によって、人々の健康と環境を積極的に守り、自然生態系を多様化し、豊かにすること』である。すなわち、農業生産活動を通し環境問題を解決し、究極的に人々を健康にし、自然資源を豊かにすることである。

これまでの農業は、自然破壊の最たるもので、化学肥料や農薬の多用や、大型機械による土壌構造の改悪や表土の流失等によって、地下水や河川を汚染し、自然生態系を貧弱にし、砂漠化を加速する姿となっている。

このプロセスは、人口増大による食糧生産と不可分のものとなっており、大局的にみれば、自滅の道を辿りつつあり、その解決は容易ではない。この答えを、かつてアマゾン地域に存在したテラプレタ土壌の再現に求めているが、実用化は EM 以外になく、テラプレタの微生物相が EM に類似することが明らかとなっている。

これまで、微生物の生態系を人為的に改善し、安定化させることは不可能と思われていたが、EM のような発酵合成型の微生物を連用すれば、土壌微生物相の制御が可能であることが明らかとなってきたのである。

この成果は、1996 年、国際有機農業運動連盟(IFOAM)主催の国際会議で発表され、 (公財)自然農法国際研究開発センターと IFOAM の協力を得て、世界に広がるようになってきた。そのお陰で、今や EM は有機農業を中心に、世界中で使われるようになり、インドのシッキム州の全州有機農業化をはじめ、FAO や多くの国際的公的機関が積極的に EM の活用を進めるに至っている。

それらの成果は、現代の農業(一次産業)のあらゆる分野で EM を空気や水の如く使えば、農業問題の大半は解決されることになるが、農の本質を確たるものにするには、大型機械を使用しない、不耕起、連続栽培や、化学肥料や農薬に頼らない農業を実現すべきである。


量子力学的性質を持つ EM

これまで、世の中に万能は存在しないという常識は十分に心得ているが、やはり、「EM は万能である」と主張し続けてきた。そのため、多くの支援者を失い EM は現代のエセ科学の代表とされ、土壌肥料学会はもとより、大阪大学理学部の菊池教授を中心とするグループから徹底的に攻撃され、マスコミもそれに乗じたのである。

福島の原発事故の放射能対策として EM が大量に使われ、それなりに成果を上げても、すべて無視の状態が続いていた。2018 年にベラルーシの国立放射線生物学研究所との共同研究で、EM には植物の放射性物質の吸収を極端に減らし、同時に、放射能を消滅する機能があることが明らかにされ、国際学会で発表し、関連の国際誌に載り、科学的証明は完了したのである。

本誌第 148 回 2019 年 10 月参照
その後、苛烈な EM バッシングはまたたく間に消え、世界中でエセ科学扱いを受けていたケルブランの原子転換説は正しいということになったのである。

本来なら世界中で大騒ぎしなければならないこの科学的な壮挙は、科学史にとって不都合な真実となり、マスコミも黙ったままである。

猛毒のダイオキシンや残留農薬はもとより、有害な化学物質に対し、EM を処理し続けると確実に消滅することも可能である。いずれも有害物の酸化機能を消滅するためである。また、家畜や人間の健康にとっても EM の万能性は広く知られ、様々な分野で活用されている。この万能性は、EM の持つ半導体的、超伝導的、トンネル効果などの量子力学的性質に立脚しており、この機能によって、有害物の過剰にエネルギー化した部分を整流し、ノーマルに戻すためである。

この性質は、建築物やあらゆる分野に応用され始めており、光触媒的機能も持っており、洗剤不要のEM洗濯キットも実用化されている。いずれも、量子もつれ(エンタングルメント)を形成し、コヒーレント(量子うなり)的に使えるエネルギーを集約し、増大する機能を持っている。この成果は、結界技術として多様な応用が進んでおり、鳥獣 被害対策にも顕著な効果が認められている。


無農薬栽培の実用化
海水レベルの塩分を含む EM 活性液を 50~100 倍にし、週に 1 回散布するか、ドローンによる原液の少量散布を続ければ、病害虫は全く発生しなくなる状態となる。すなわち、栽培当初から土壌微生物相を発酵合成型にし、空間も EM 化することである。

塩は少量の遊離塩素を発し、病害虫の発生を予防し、量子エネルギーを集約するとともに、原子転換が容易に起こる性質を持っている。そのため、EM と併用すれば、化学肥料並みの効果があり、病害虫を発生させない抑制効果がある。




今回紹介する事例は、EM 研究所の今村氏の報告によるものであるが、クロロピクリン等による土壌消毒は土壌微生物を皆殺しにするため、常に使い続けねばならない必要悪的存在となっている。この技術は、不耕起連続栽培に当たっての土壌改良対策に直結するものであり、EM 技術による土壌のテラプレタ化の実例でもある。詳しくは、Web エコピュアの連載に譲るが、その結論部分は次の通りである。






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