第172回 養蜂分野におけるEM技術の活用



水分をやや多めにして作ったEM堆肥やEMを浸透させ、臭気が消えた家畜の糞や生ごみに、ミツバチや蜜をエサとする昆虫が集まってくる。EMを普及し始めた当初に、この現象が観察され、病害虫も激減することが明らかとなった。

この事実は、EMの安全性の指標となり、EMがカブトムシやクワガタムシの養殖に使われたり、南米コロンビアのEMを活用した生ごみ処理施設に、超大型のヘラクレスが大量に発生し、様々な余得を生み出している。

1989年にタイのサラブリーの自然農法センターで、ミツバチに対するEMの安全性を話したら、養蜂もやっている農家から、ミツバチの病気に対しEMを活用することが可能化否かの質問が出されたである。

答えは、ミツバチにEMを応用した例はないが、100~200倍に薄めたEM液に巣箱のプレートを3~7日くらいを目処に漬け込んで、有機物を発酵分解した後に、きれいに洗って、40~50倍のEM液を散布し乾燥させる。巣箱も、EMの500~1000倍液で丁寧に洗って、40~50倍のEMを散布し乾燥させる。その後は、1~2週間に1回、巣の入口にEMを100~200倍にしたものを噴霧すれば、何とかなるのではないかという事であった。

3ヶ月後、再度訪タイしたときに、養蜂に対するEMの活用はパーフェクトであるという報告を受け取ったのである。

この情報がタイのサラブリーで研修を受けたヨーロッパの団体のメンバーに伝わり、養蜂に対するEMの活用についてチャレンジしたいという提案があり、実行したのである。その成果を体系化したのが、今回紹介するEM研究機構の島袋氏の報告である。

この実績は、世界中で問題となっている養蜂の様々な難問を根本から解決するものである。なお、本報告は、2019年9月17日~18日にセルビアのフルシュカゴラでヨーロッパの養蜂関係者(約50人)を対象に行われた国際フォーラムの内容を日本語化したものである。


















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