去る11月27日、都下ホテルオークラにて、第7回産学官連携サミットが開催されました。来賓で来られた尾身幸次前財務大臣がご挨拶でおっしゃっていたように、産学官連携の会合もトップの方々に定着してきましたが、発足当時との大きな違いは、「イノベーション」と言う概念への理解の拡がりです。サミットの特別講演者のひとりは、最近"Innovation - The Missing Dimension −Harvard University Press"を著したMITリチャードレスター教授です。黒川清先生によれば、氏は本の中で、イノベーションを議論する中で失われている視点として、指導者が能力のある違った職種の人達を集め、建設的な議論の中から、"曖昧さ"に耐え、その中から解決策を見いだす能力を指摘しています。今回の講演も、イノベーションの本質を明確に言葉にされ、すんなりおなかに収まったとの声が聴講者から上がっていました。このような会議の成果にも表れるように、イノベーションを巡る産学官の認識はほぼ一つになってきたと言えます。