Alexandria図書館で日本アラブ会議



 11月19日、夕方に羽田から関空へ、そこからDubaiへ、さらにAlexandria, Egyptにきました。それにしても、4週間で3回目のDubai空港です。20日の11時30分に現地に到着、そのまま図書館へ向かいました。このAlexandria図書館は2,300年前にできた世界で始めての学術アカデミーあり、5年前に再建されましたが素晴らしい建築物であり、私の友人でもある図書館長Serageldin氏のリーダーシップの下で内容も急速に充実し、素晴らしいプログラムをたくさん提供しています。私も3年前からこの図書館の理事Board of Trusteesをつとめており、毎年の春の理事会にはご当地に来ています。

 図書館に到着して時間ぎりぎりでしたが、まず1時からHelal高等教育科学技術大臣との面会。何回もお会いしていますが、もともと学者であり、素晴らしい方です。勿論、日本の支援は相当なものですが、最近ではオペラハウスも建設され、さらに日本の支援による科学技術工科大学の企画もあるようで、うれしいことです。特に学術交流中心にお話しました。


写真1:図書館のテラスで。

 この日本アラブ会議は日本側が120人程度でしょうか、アラブ側が150人程度のようです。政治、経済、科学技術、環境、医療、文化、芸術等の広い分野の課題と交流について、全体会議、分科会などに分かれてなかなか活発な議論でした。日本からは団長が中山太郎議員、ほかには尾身幸次議員、小池百合子議員がおられ、財界では根本二郎日本郵船名誉会長、梅田貞夫鹿島建設会長など、学術では中東政治では大活躍の山内昌久教授、外務省環境担当の西村大使、また映画の山田洋二監督は「たそがれ清兵衛」が上映されるので、来ておられました。私は、環境、水についてのパネルの司会、ほかのいくつかのパネルにも出ました。アラブ側代表に何人かの知人も来ていてうれしかったです。

 前からお会いすることになっていたのですが、なかなか時間が合わない有馬龍夫日本政府代表、ここ何年かは中等担当専門になっておられるようですが、久しぶりにお会いしてゆっくりお話しする機会のあったことが収穫でした。政府関係では、外務省からは駐Egypt石川大使は言うまでもありませんが、元駐Egypt大使の片倉、須藤氏のお二人も参加され、このようなことは珍しい、という話題もありました。また在モロッコの広瀬晴子大使(UNIDでNo.2として活躍していた森山真弓議員のblogも紹介します)もこられました。さすがに長く国連関係でしたので、ちょっとしたご意見でも国際的センスがすぐにわかります。


写真2: Hernan Palestine Hotelで。右から、石川薫大使、須藤隆也国際問題研究所軍縮センター長(元エジプト大使)、山内昌之東大教授、道傳愛子NHK解説委員、わたし、沼田貞昭国際交流基金日米センター長(前カナダ大使)、杉山晋輔外務省中東アフリカ局審議官です。

 中東地域は、日本としては宗教的な対立はないし、従来からよい関係を築いているわけで、これからも大いに相互交流を推進すべき地域です。日本の交流はもっぱら石油関係が中心、アラブも日本のことをあまり知らないのではないか、というのがお互いの共通認識の基本で、もっともっと各分野での交流を広げるべし、ということで意見が一致していました。さらに環境、クリーンエネルギーや水問題などでは日本の貢献は計り知れないという点でも一致していました。

 21日の夜のカイロのテレビでは、小池百合子議員が一時間ちょっとですが、1対1でインタビューに出演しておられ、流暢なアラビア語で時々「Global warming」「CoolBiz」などの言葉が出ていましたが、たいしたものです。現地では、10年前から砂漠に植樹されており、もう1万4000本になるそうです。今年はカイロ大学100周年ということで、カイロ大学卒業生の小池議員はこちらに来れば多くの友人、有力者とも個人的なつながりがあり、たいしたものです。

 帰路は22日昼に出発、Dubaiでは5時間ほどの時間があったので、Dubaiの街に出てMs Lama Farsakh(写真3)さんと夕食。Palestineからの方で、ご主人はEgyptの方、娘さんがお二人。特にIsrael-Palestine問題についてもいろいろ話を伺いました。