UNESCO-L'Oreal賞、素晴らしい女性科学者たち



 L'Orealという化粧品企業があります。UNESCOと一緒に素晴らしい女性科学者を表彰する「UNESCO-L'Oreal賞」 の選考委員として招聘され、4日の朝、パリに来ました。ホテルは凱旋門、日本大使館、日本のOECD事務所などの近くにある、Hilton。昼は近藤UNESCO大使と公邸でお食事、日本学術会議時代からの秋葉、新任の坂下さん、そして、今年の5月にもご紹介した世界的な建築家、バンシゲル-- 坂 茂--さん もパリにいたのでご一緒(写真1)しました。いまは、国際コンペで勝ち取った第2ポンピドーセンター建設で毎月2週間ほどはパリのようです。

 近藤大使は文化にも造詣が深く、「マルメゾンの森からー外交と文化に関する24のエッセイ」 という本も出しています。また、今年、大方の予想を覆して、6月のUNESCOの会議で石見銀山世界遺産になったことにも深く関わっておられます。環境という点が高く評価されたのです。これは、時代ですね。6月末のこの会議に近藤大使がNew Zealandへ向けてパリCDG空港を出発する夜に、私もちょうど東京への最終便をまって空港にいましたので、つかの間でしたが夕食をご一緒しました。


写真1: 右から坂(バン)さん、私、近藤大使、秋葉公使。

 5日はL'Oreal賞の選考委員会、今年は生物医学分野で委員長は1999年のノーベル賞医学生理学のBlobel、審査員は、いままでの受賞者も何人もおられ、素晴らしいメンバーでした。UNESCOからは旧友のPolandからのNaleczさんが担当として出席、3年ぶりでしょうか、久し振りにお会いしました。一次選考の上で推薦されてきた、5つの地区(North American, Europe, Asia-Pacific, Latin America, Africa-Arab)からの各地区からの候補5−10人、素晴らしい方ばかりで難しかったですが、活発な議論のうえで、それぞれの地域に一人ずつ、最終的に素晴らしい5人が選ばれました。結果はいずれwebでみてください。来年3月にはUNESCO-L'Oreal賞10周年で、パリでは授賞式とともに盛大な事業が企画されているようで楽しみです。今までの日本人の受賞者は岡崎恒子さん(私の報告があります)、日本学術会議や科学ジャーナリスト協会賞選考などでご一緒する米沢富美子さんがおられます。


写真2: Naleczさんと


写真3: 選考委員会の様子


写真4: 夜のオーケストラ

 夜は、コンサート、Radio France Philharmonic Orchestra、Gustavo Dudamel指揮、 Leif Ove Andsnesのピアノ、ここはMyung-Whun Chung監督です。BrahmsのConcerto for Piano with Orchestra 第2番でした。演奏終了後、休憩時間で失礼し、パリCDG空港へ。前回の近藤大使とCDG空港でお会いしたときと同じ23時30分発のAir France便で帰国の途につきました。

 しかし、L'Orealもうまい世界的広がりの広報戦略ですね。グローバル時代には特にこういう貢献が企業の大事な社会貢献(CSR)として見えない「intangible」企業価値として評価されるのです。日本の企業もかなり貢献しているところもありますが、もっともっとお勧めです。