野口英世アフリカ賞と小泉純一郎氏のご挨拶



 先日のカラム「パリから、日本の広報意識の低さについて一言」(2007/06/19)では、実際の例として3つの事例が引用されています。この事例3つとも、日本のAfricaへの大きな貢献についてでした。地理的な条件もあって、日本のAfricaでの貢献は、アジアでの貢献に比べて、国内でも国外でもあまり知られていないと思います。私の発信(カラム2007/06/19)もご紹介しましたが(http://www.jiia.or.jp/en_commentary/200706/19-1.html)、これを更にBusiness Daily Africa http://www.bdafrica.com/id=1704あるいは http://www.bdafrica.com/id=1726として掲載してもらいました。ケニアの新聞です。個人のレベルですが、少しでも日本の貢献を知って欲しいからです。On-line時代の手段ですね。

 来年のG8サミットは8年ぶりに日本がホストをするわけですが(7月に洞爺湖で開催)、この年はやはり日本が主役を務めて国連などとAfrica援助の一環として15年前に始めた画期的国家事業、5年に一回開催されるTICAD (Tokyo International Conference on African Development:http://www.mofa.go.jp/http://www.ticad-csf.net/) の第4回の会議が5月に横浜で開催されます。Africa50数カ国の国家元首等が東京にあつまる、Africa諸国の間ではよく知られた会議です。でもどれだけ皆さんに、そして世界に知られているでしょうか。メデイアでも、最近では中国のAfrica進出ばかりが取り上げられますが、、。

 ところで去年、小泉総理がAfrica訪問されました。その時はEthiopiaとGhanaにいかれました(なぜなのか、はもう少しの辛抱です)。Ghanaの首都Accraは野口英世が黄熱病で病死したところであり、野口英世研究記念研究所もあります。ここで小泉総理は日本政府が野口英世Africa賞の設立を発表されました (http://www.ghanaweb.com/) 。アフリカでの感染症などの疾病対策に貢献した医学研究や医療活動を表彰する国際賞で、この2分野で貢献された方を表彰しようというものです (http://nettv.gov-online.go.jp/ 。表彰は5年に一回、第1回はTICADのときに発表される予定です。現在、選考が進行中です。Africa開発、HIV/AIDS、貧困などは皆さんご存知のとうり、世界の大問題です。

 さて、小泉総理は先日、この賞への募金の御願ということで、経団連の理事会にご挨拶にいかれました。そのときのご挨拶がとてもよかったと聞きました。御手洗会長を始め200人ほどの財界のリーダーの前での、原稿なしの短いご挨拶でしたが、始まる前と後ではその場の雰囲気がガラッと変わったと聞きましたので、ここに、小泉前総理の事務所の許可を得て、私のサイトに「articles」として掲載しましたので、ご覧ください。

小泉前総理のご挨拶(pdf形式)

 さて、皆さんはどう感じましたか?実にお上手ですね、お話が。メリハリと、ウイットが聞いてとてもいいお話と思います。この話を英語にしてAfricaのメデイアにも伝えようと考えています。

 ところで、これはよく考えてみれば、まさに財界の方々が「小泉マジック」にかかったともいえそうですね。ということは、まさに小泉総理が「天才、変人」ということです。じつは、歴史的に見ても世の中を変え、科学や技術で世界を変えた人たちは、みんなその時代、時代の常識を外れた「変人」なのです。このことは一度、官邸での総合科学技術会議で小泉総理の前でも発言しました。みんな笑い出しましたけどね、私はまじめだったのですよ。

 これは、私がお伝えしている(カラム「St Petersburg、そして出口さんから、ドンキホーテへ」2007/06/04、更に http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm070523.html)、いつの世の中でも「ドンキホーテ」が大事だという主張とも一致しているのです。