パリから、日本の広報意識の低さについて一言



 Sloveniaからパリに来ました。素晴らしい町です。5月始め以来ですが、ここは来るだけでうきうきします。しかし、ちょっとと熱いですね、気温 30度です。

 ちょうど、私の英文原稿が出ました http://www.jiia.or.jp/en_commentary/200706/19-1.html。日本の政府はもちろんですが、国内、国外を通じて広報が下手で、とても損をしていることも指摘しています。なんでもお上頼みだとそんなことになってしまうのでしょうか。いや、私企業でも同じです。大学もですね。基本的には、いったい誰に基本的に責任を持っているのか、という意識が低いのでしょう。

 このHPでの2007/03/13のカラムの「Jeffrey SachsとMillennium Village Project」2007/05/29のNewsの「住友化学の米倉社長とJ Sachs教授との日経での対談」などは、ささやかですが、私のそのような、広く皆さんに日本の世界での活動と貢献を知ってもらいたい、みんなに自信を持ってもらいたい、という意識の表れなのです。

 単に「モノをいわない」、「派手に自慢をしない」、「いずれ分かってくれる」というのはいいのですが、国の事業は国民のお金ですし、もっともっと上品に、しかも効果的に、日常的にさりげなく、広報活動を戦略的に、上手に展開することは国家戦略として必須のことです。もっとも、国民のお金であるという感覚が、責任者たちにかけているところにも問題はありますね。対外広報戦略も日本人がやるとまた下手なことが多いのです。

 長い間、「よらしむべし、知らしむべからず」が日本社会では政府(「お上」)の精神的には基本方針でしたからね。最近の社会保険庁などはその典型ではないでしょうか。人を馬鹿にするのにもほどがあります。政府のホームページを見れば、皆さんに見てもらう、読んでもらおう、なんて意識があるとはとても思えないでしょう?いつも担当には言っているのですけどね。担当ばかりではできないのです。基本的に役所はあたらしいことについてはできない理由ばかりいう人たちの集まりですから。

 1861年のアメリカでもっとも偉大な大統領と、多くの人が考えるLincoln大統領の言葉、「Government of the People, Government by the People, and Government for the People」なんて、昔はいざ知らず、この民主主義の基本精神は、この国には今でも定着していない、と感じます。

 皆さんはどう考えているのですか?何ができるか、考えて、すこしでも、日常的に、自分の周りからでも、ささやかでも、行動にうつすことです。