「最後の詰めが大事!産学官連携会議が終わって」


●皆さん。

 今回は、出口さんのメールにあるとおり、私は現在海外で原稿が遅れてしまいました。やっと帰りのマドリッド空港に着いたので、ラウンジからエスプレッソを飲みながら、メルマガを書いています(実はDNDを見ていると私に出口さんからの催促としか思えない文面が書いてあり、大慌てで書いているところです)。

 皆さんもお書きのように第5回産官学連携会議は大成功のうちに幕を閉じました。例年以上の熱気にあふれ、マンネリ?という危機感を持った関係者のお陰でリニューアルに成功したように見えます。実際、そのことは塩沢さんが書いておられますように数字の上でも見て取れますし、私も実感として感じました。

 私の担当分科会「イノベーションの創出に向けた産学官連携の推進と人材の育成」、主査の山野井さんの名司会で盛り上がりのうちに終わりました。参加者も、各分科会で最も多かったということで人材育成の重要性を皆さんが認識していることを示していました。事前に議論を深めるため、メール・ベースで、意見交換が進んでいたため、問題提起が既にされており、解決策をどうするかという具体的な話に結構踏み込めたのは、成果ではないかと思います。

 ただし、回答は容易ではありませんが、産学官連携にかかわる人材のモチベーションやインセンティブをどうするか、学学連携・産産連携などの重要性も指摘され、今後の方向性を占めさえたかと思います。来年は更に深い相互認識と人材育成の施策の評価までいければ、上出来ではないかと感じています。

 最初に述べたように、京都での会議終了後私はスペインの学会に参加するため、すぐに出発し、今から帰国ですが、乗り継ぎがワールドカップで飛行機が大変込んでいるため、心ならずも?ドイツ・フランクフルトで宿泊せざるを得なくなりました!  フランクフルトといえば、初戦のオーストラリア戦のカイザーステルンは車で2時間、なぜか私の手元にはチケットが!この不思議な縁で、皆さんを代表してサポーターとして必勝を胸に(間違いでした。正確には、産学官連携会議の興奮も胸に)、勝ってくるぞと勇ましく、乗り込みました(あくまでも、偶然です)。

 最初の100分の楽しかったこと!隣のオージー・サポーターにgood job!やら、good game!などと、生意気なことを言い、ビールを楽しく飲めていたのは、遠い昔のことのようです。残り10分を切り、誰にこの喜びを伝えようかと国際形態を握り締めた時、悲劇は来ました。足が止まって、心配していた矢先、悲鳴と共にオージーの大歓声です。

 なぜ、ジーコがもっと早く選手交代しなかったのか?嘆くのはやめましょう。まだ、同点です。引き分けでも良いんだから。その願いもすぐに消えてしまいました。帰りのバスは、お通夜のようで、新たに乗り込んでくるキムチ・レッドカラー軍団と対象的な姿のサムライ・ブルーたちでした。

 私が行く試合は、阪神も負けますし、どうも運が悪いのか、それとも弱いチームを見にいくから悪いのか?(だから、見にいくなといったのに、周りから攻められ、いずれにしろ、つらい一日でした!)

 やはり、最後の詰めが大事!うまくいったからといって、安心してはいけません。今年の産学官連携会議が成功したといっても、終わりではありません。これからが、産学官連携の本番です。この悔しさをばねに4年後には一時リーグ突破といってもらいたいものです(まだ、後二試合残っていましたね。まだ、いけるかも???)。

 お互いの主張や問題点は十分把握できましたので、その上で何をすべきか?何ができるか?といった踏み込んだ議論が出ましたので、最後の詰めを是非産学官一体となって、実行していきたいと思いますし、皆様のご協力もお願いしたいと思います。

 肝腎のスペインの学会ですが、燃え尽きた私には、これ以上書けませんので、又の機会にさせていただこうかと思います。ちなみに、私のサムライ・ブルーの10番は、次回を期待して、持ち帰ることにしました。来年の産学官連携会議でもし、クールビズが継続していれば、産学官推進のプレイヤーとして着たいと思っております。

 最後に、ワールド・カップを見にいったのではとお疑いの方には、あくまでも飛行機が取れなかったためとお伝えしたいと思います。出口さん、疑わないでくださいね。産学官連携は、信頼からです!

大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授
知的財産戦略本部 本部員
アンジェスMG社取締役
森下竜一

 追伸:私どもの研究室とアンジェスMG社では産学協同研究を推進する研究者を募集しております。また、アンジェスは東京大学に先端臨床医学開発講座(寄付講座)を開設しております。こちらでは、遺伝子治療・再生医療やがんに対する新規治療法の開発を行います。東京・大阪のどちらでも大学院生や産学連携のポスドクを募集しております。ご興味のある方は、担当者の中神までご連絡ください(nakagami@cgt.med.osaka-u.ac.jp)。なお、私どもの研究室の詳細は、http://www.cgt.med.osaka-u.ac.jp/で見ることができますので、ご覧ください。
また、バイオサイトキャピタル社も、キャピタリストを募集しております(http://www.bs-capital.co.jp/)。大阪・東京でも勤務できますので、世の中の役に立つベンチャーを育てたい、あるいは、ベンチャーを経営してみたい方は、是非ご応募ください。担当者に直接(info@bs-capital.co.jp)ご連絡ください。