設立日(=登記日)前に兼業申請が下りなければ定款を提出できない。それにしても、昨年の10月より兼業申請については文部科学大臣にまで上げなくても学長決済で済むようになったことを考えると1ヶ月はかかりすぎである。 それに、10月以前より兼業申請がそのようになるということは世間に疎い私でも知っていた『周知の事実』であり、なぜその時期から事務手続きのスムーズ化について準備がなされていなかったのか。そういうがっかりした気持ちが頭をよぎった。 起業を応援してくれてきた田頭学長も交えて事務方責任者との交渉の末、何とか3月7日までに申請を通すように協力してくれるとの回答を得た。独法化で事実上私立大に近い形になるわけだが、兼業申請を含めて果たして国立大学はどこまで変わることができるのだろうか。本学を含めた地方国立大学の将来に不安を覚えるのは私だけだろうか。。。 ところで、兼業申請で本学事務方に提出する書類は次のとおり。 1.研究成果活用兼業承認申請書 2.会社組織図 3.役員への就任依頼 4.職名及び職務内容等を称する書面 5.申請者の研究成果及び研究成果活用型企業が事業化する内容 6.会社定款 7.出資予定者一覧 8.会社設立趣意書 9.営業報告(予定)書 10.研究者の研究業績、一覧 11.役員全員の履歴書 時間もないので、出来上がったものから提出していくことにした。将来的に差替えが必要と思われる書類についても現段階のものを仮提出し、後で適宜差替えることにした。2日間で必要書類を揃えて提出した。 2月某日
事務方から電話。技術担当取締役に一緒に就任してもらおうと考えていた田頭学長であるが、専任の学長は特別指定職とか何とかいう職業らしく、『教官の役員兼業』の対象にはならないとのこと。教授職などを併任している場合は役員兼業が可能らしい。というわけで、残念ながら学長には技術アドバイザーに就任していただくことにした。 3月6日
昼ごろ事務方担当係から電話。役員兼業について学内の審査を通ったので、後は学長がハンコを押して正式にokとのこと。登記の一日前に滑り込みセーフである。少し激しいやり取りもあったが、事務方の協力に感謝。と、同時に経産局バイオ産業振興室から平成14年度即効型地域新生コンソーシアムに採択内定との連絡を受けた。これも感謝。 どうも経験的に思うのであるが、嬉しいことは毎日少しずつではなく、ある日突然ドドドッと集中してくるものである。バイオ産業振興室はうちのベンチャーに大きな期待を持ってくれている。もちろん、その期待に応えるべく一生懸命やらせていただきます。 北海道のキーワード『バイオ』と室蘭のキーワード『環境』の両方を併せ持つベンチャー・バイオトリートが北海道の産業発展に貢献していければと思う。 3月7日
会社設立。午前中に加地社長と齋藤社長(バイオトリートでは取締役)が定款を法務局(だったっけ?)に提出、昼前に室蘭市役所で市長との面談の後に記者クラブで会見。普段悠然と構えている加地社長がエラく緊張していた。 というのは、彼の視線は市長を見据えているのだが、その右手は資料を次のページにめくったり、前のページに戻したり、と関係ない動作を繰り返しているのである。 そしてテーブルの下の右足は小刻みに動いていた。そういうのを見ていると何だかこっちまで緊張してきて、もらった市長と助役の名刺を意味もなく並べ替えたり、椅子の背もたれに寄りかかっては背中を離し、という落ち着きのない行動をとってしまった。何だか妙な居心地であった。 その後は記者クラブで会見。nhk、北海道新聞、室蘭民報、毎日新聞の各記者さん達に設立報告。これまで取締役全員が揃った写真がなかったので手塚・テクノセンター専務理事にデジカメを渡して取締役全員が写った会見写真を撮ってくれるように依頼した。 会見は加地社長の設立挨拶の後に記者さんから質問。緊張していたこともあり、どんな質問にどんな答えを返したか覚えていない。まあ、トンチンカンな受け応えをしていたとしても、そこらへんは記者さんがうまく編集してくれるだろう。。。 会見終了後、手塚さんが狐につままれた顔でデジカメを持ってきた。 『先生、な〜んかカメラ壊れているよ。電池切れかな?』??デジカメを確認。なんと、、、一枚も写っていない。しかし、カメラ機能に特段の異常は認められない。その時齋藤社長が大受けしながら一言 『手塚さん、レンズカバーちゃんと取らなきゃ駄目だよ〜。よっぽど言おうと思ったけど記者会見中だから言えなくってさ。。。』 あ〜〜〜、せっかくの写真が〜〜〜。。。 |