沿岸地域の抜本的な居住地移転を

SBFコンサルティング 氏家豊氏
2011/06/11

 東日本の大震災からやっと10日余り。多くの人が頭を去来します。無事だったろうか。私自身の実家は宮城県の内陸で、身内は何とか無事でしたが、友人・知人、その身内関係者が沿岸地域にも多くほんとに心配です。あまりの犠牲者数をきくと、そら恐ろしくなります。本当に駄目だったかもしれない。なお重い筆ですが、いろいろ考えるとことは急ぎます。以下2点だけ書きます。

国家レベルの災害医療情報センターを

 私の周りにも、医療関係者の皆さんで、被災地向け緊急医療に向かわれつつある先生方が多いです。東北大学病院のある先生によると、一つの地域を継続して任せることができる長期間活動型のチームが必要とのことです。同一メンバーである必要はなく、一つの医療施設・地域の医療を継続的に担えるような形であればいい、と。地域ごとの対応は目下、各地の拠点病院または県の医療インフラ整備担当部署が取りまとめつつあり、今後もそうなりましょうが、上記のような体制は個々の医師・大学・地域での対応のみでは極めて難しく、確かに、各地の実態を踏まえ情報収集して、緊急医療を行き渡らせるための国家レベルの「災害医療情報センター」的な司令塔の早急な設置が待たれます。すでにあればその機能アップを。

沿岸地域の抜本的な居住地移転を

 特に今回の大津波被災地域は、より内陸の高台に抜本的に居住地移転すべきです。「ひとまず瓦礫撤去、道路整備、架設住宅を」となりましょうが、よく考えると、これは同時並行で今から検討立案しないとまずい。現実的に、目先は再建復興など考えられないくらいの惨状でありますが、今後、時間とともに、各個人・企業そして自治体が、援助も受けながら生活、事業再建、地域復興投資を行うことになりましょう。そうすると、次第に後戻りできなくなり、結局、大災害のリスクを抱えたままでの生活を再開せざるを得なくなる。地球の地質学的な原因もそれによる日本国内での被災確率が高い地域も判っています。これは、地震国日本にとって、「復興がんばろう」では全くすまない話で、今回被災されていない日本の他の沿岸地域も含む、国家レベルでの大方針が待たれます。考慮すべき点が多いでしょう。これも、「復興庁」に期待致します。











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