独立ベンチャーと企業内ベンチャー
ダーウィン進化論は「生き残るのは最も強い種でも最も優れた種でもない。最も変化に適応できる種なのだ」と言っています。グローバルな競争激化、知識立脚経済出現という大変革時代に入って、新市場を活かし或いは創造すべく、ベンチャーが改めて注目されています。企業内の経営資源で新しいアイディアを育成する企業内ベンチャーは、終身雇用で週休実質2.5日に到った我国風土を大きく変革しうるアプローチであると言えます。一方、企業内や大学内には起業資源に不足する人は、個人的リスクを負いつつ、独立ベンチャーの道に挑戦しています。どちらの場合でも、基本的な経営資源は「人、物、金、それに情報」ですが、激動の今日では「時間」が極めて重要です。また「物」は「知財」に変わっていきます。
「時間」はビジネスサイクルの素早さ(Speed)であり、また時の行き先「時流」を掴むことがポイントです。それには優れたパートナーとアライアンスを組み、相乗効果(Synergy)を生むことであり、さらに自分自身が優れた専門能力(Specialty)を持つことが必要条件になります。ベンチャーの成否は共有できる使命感を持つ優れたパートナーのチーム形成にかかっています。
AI(人工知能)をベースとしたハイテクソフトベンチャー創業体験の中で、マネジメントチームのコアとなる人材、大学などの研究開発指導者、そして思い切って仕事を出してくださるお客様の経営者の方々との信頼関係の重要性が身にしみました。
ベンチャービジネスの先進国の米国では、TLO、学内・学産連携、ビジネススクール卒業生中心の起業家育成が盛んです。1999年にはStanford同窓会とも共同で、日本MITエンタープライズ・フォーラムを創設してきた経験からもこのDNDは正にニーズとシーズ、パートナー同士の出会いの場として有効なものと期待しています。
DNDでは10万件の産業技術知識ベースと電子会議可能な「知の交流サイト」を目指し、さらに既存の民間ネットワークや28ケ所からのTLO情報との連携などサイトの基盤が開発されてきました。大学発ベンチャー支援サイトとしてのサービス機能として「市場調査」、「資金調達」---などのコンテンツと企業実務のサービス提供者の参加を得、さらに起業メンター/アドバイザーの協力体制整備も進められてきました。
以上のような大学発ベンチャー支援サイトとしての基礎作りの次のフェーズとして、積極的な活用と実用に基づく改善と強化を力を合わせて実現したいと考えています。すなわち、
(1) 様々なネットワークやメディアを通じて、DNDをPRし、活用の積極化を図る。 (2) 大学発ベンチャー起業のDND会員の増加を推進し、より深い要求を取込む。 (3) より多く、より効果のあるサービス提供の充実を図る。
会員とサービス提供者が良きパートナーとなって大学発ベンチャーを効率よく起こし、大きく育て十分な成果を生み出すことを切望しています。
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