ベンチャー起業家へのメッセージ
平成14年度、日本経済の活性化の提言プロジェクト、「動け!日本」、を実行しました。そこで提案したことは、
1. 産業競争力を追求する時代から、生活の質の追求をする時代に変え ましょう。生活の質を上げる新産業をイノベーションから創成しましょう。
2. 20世紀の日本の成功は、メイドインWesternの科学技術知識を、メイドインJapanの製品にするものつくりでしたが、21世紀はメイドインJapanの科学技術をメイドインJapanの製品・サービスにする時代にしよう。そのイノベーションの知は、大学にあります。 でした。日米の差異は、科学技術水準の差でなく、創業数の差です。大学で産まれてきた最先端の科学技術を産業として行くためにはベンチャー企業が本質的に重要です。基礎技術と産業技術の間の壁は、ベンチャー企業というカプセルで通過するしかありません。大学発ベンチャー企業、大企業発ベンチャー企業も、そして個人のベンチャー企業も、イノベーションで日本を変える必須の機能です。今たりないのは科学技術ではなく、起業に挑戦するアントレプレー精神を持つ人財です。この挑戦には大学も全力で支援していきます。 東京大学で、知の構造化を提案し、推進してきました。知識を構造化して知財と成し、その力で新産業を興す必要があると考えます。旧来の学問の境界を超えた知の構造化が独創性の高い科学技術を産むと信じます。大学の研究者はその意味では知のベンチャー企業です。民間のベンチャー企業と大学の知のベンチャー企業の連携こそが産学連携でないでしょうか。頑張って、日本を動かしましょう。
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