◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2015/10/19 http://dndi.jp/

「検証 報道被害・朝日新聞とツイッター」
 -そこまでやるか、EM叩き- 

第6回
・悪臭が消えた!常総市の学校にEM散布
・教頭「EMは凄い効果ですね」
・タイは国を挙げてEMプロジェクトを推進
・「農業は科学だ」とノーベル賞の大村智氏



署名活動をツイッターで煽って文部科学省に提出するのだという。そうかと思えば、今度は、小中学校の教育現場からEMを排除する、という趣旨の意見と資料を揃えた奇妙な雛形が、デマ情報と一緒にツイッターでばらまかれている。これは、ツイッターという”つぶやき”投稿を悪用した業務妨害の疑いがあるのではないか、と危惧する。何かEMに関して法律違反でも侵したというのだろうか。そんな摘発の事例や被害の報告は何一つないのである。それが事実だ。朝日新聞が、直接取材をせずに「効果に疑問」などと書くから、こんなサイバーテロのような騒ぎになるのだ。
むしろEMを活用した地域や学校に足を運べば、そこには有益な微生物群(EM)の働きによって甦った明快な効果が確認できるはずだ。批判する前に、まず農業、環境、そして今回のテーマである災害現場で活用されるEMの効果を正しく捉えるべきではないか。
彼らの根本的な間違いは、ツイッターという疑似イメージの世界に溺れリアルな現実から目を背けるところにある。ネットに隠れて攻撃するところが、実に卑劣というか、いやらしい。
  DND編集長、ジャーナリスト、出口俊一




◇茨城県常総市の決壊の現場へ
関東・東北豪雨から1ケ月余り、鬼怒川の決壊で大規模な水害をもたらした常総市三坂町の現場に入った。長さ150mにわたって決壊した堤防は、真新しいコンクリートが積み重ねられて修復を終えていた。が、堤防沿いの県道357号線は、土砂の流出で路面は崩れ電柱が連続して傾いていた。全面通行止めだった。車を降りて見て回った。
多くの家屋が流された堤防反対側一帯は、手つかずのまま荒涼としていた。土砂が流されて地盤沈下が激しいのだ。道路の片側は1m以上もえぐられていた。復旧には大量の土砂が必要になるらしい。残った家屋といえば倒壊寸前で無残だった。工事関係者の一人は、元の生活を取り戻すには、この先1、2年はかかるのではないか、といった。


◇EMで泥の校舎を洗浄、カビなどの悪臭が消えた!
常総市平町にある市立大生(おおの)小学校は、避難指示が出た9月10日午後から泥水があふれ出し浸水は床上2mを超えた。校舎1階は沈んでしまった。水が引いたのは4日後だった。が、水は引いた職員室や教室は泥に埋まった。泥は取り除かれたが、ひどい悪臭になす術がなく困り果てていた。まったくの手上げ状態だったのだ。
この窮状に動き出したのが、茨城県内で活動するEMのボランティアの方々だった。やはり悪臭に悩まされていた常総市や隣の水海道市の民家から協力を求められていた。その家屋の洗浄のため9月16日にはいち早く現地入りしていた。EMの噴霧でたちまち悪臭が沈静化していくのをご近所の多くの方々が見ていた。それが、町内会を通じて口コミで広がった。一般の民家からごみの仮置き場へと発展し、学校はもっとひどい状況になっている、どうにかならないか、という連絡をうけた。
学校へのEM散布となれば、少人数では対応しきれないため、EMの災害復興支援の経験が豊富な吉澤文五郎氏をリーダーに、地元のNPO法人「緑の会」(会長・恒川敏江さん、取手市)をはじめ県内の5地区から総勢12人が市立大生小に駆けつけた。10月5日のことだった。その様子は、地元の茨城新聞に報道された。
自家培養したEMのタンクを積んだトラック数台が校舎脇に横付けされた。教室や職員室、トイレ、それに体育館などにホースを長く引き込んでEM活性液を噴霧した。作業は夕刻まで続けられた、という。
悪臭の現場に立ち向かうボランティアの方々の平均年齢は70歳近い。が、動きは機敏で疲れを知らない。はつらつとして若く見える吉澤さんは、75歳だ。みんな自発的に参加している。もちろん無報酬だし、資材や活性液は自前で持ち込んだものだ。いやあ、その懸命な姿は、涙ぐましいほどだ。




◇「凄い効果ですね」と教頭、校舎のEM散布に密着取材
僕が同行したのは9日で、昼過ぎに吉澤さん、NPO緑の会理事長の恒川敏江さん、芳克さん夫妻、福留一徳さん、若林正子さんら5人が3台の車に分乗して学校にきた。4トントラックと軽トラックの荷台にはEMの活性液が入ったタンクが積まれていた。この学校の訪問は今回で3回目だという。手慣れたもので、さっそく校舎一階に入り、手分けして教室や宿直室、校舎の植え込み周辺などに散布した。
作業に立ち会った浅岡国夫教頭は、「凄い効果ですね、全然違います。EMのお蔭です」と言った。浅岡教頭によると、EMの散布で教室の悪臭が消えた、という。


「凄い臭いだったのですよ。臭くて、臭くて、むちゃくちゃでした。教室には入れないくらいの臭いで、その悪臭というかカビ臭にはどうにもならなかったのです。とくに私はカビアレルギーなので、校舎に入っただけで咳き込んでしまって、マスクしたぐらいではどうにもなりませんでした」と振り返る。それが、カビ臭が消え、アレルギーがなくなった、と証言した。
その作業の途中で、ひょっこり作業現場に姿を見せたのが常総市教育委員会の山口大教育長だった。「いやあ、本当に皆さんのお蔭で、よくなりました。やっと落ちつきを取り戻した感じがします」とその労苦をねぎらった。
「教育長自ら、現場の一線に入るなんて気構えが違いますね」と話すと、「いやあ、気になるところが多すぎて学校の災害現場を回っているんです」と言った。責任感の強い人なのだなあ、と感心した。 そこで山口教育長は、「実は…」と申し訳なさそうにしながら、大生小のほかに小学校1校、中学2校、公立の幼稚園2園が浸水し悪臭が酷いのだという。「今後、学校だけでも引き続きEM散布の協力をしてもらえないだろうか」と吉澤さんにお願いした。さらに浸水で掃き出された家具や畳、衣類等のごみの一時集積場所となっている石下地区の地域交流センター東駐車場でのEM散布も要請した。吉澤さんらは、いや、とは言わない。「ハイ、わかりました」とにこやかに快諾した。




◇凄惨な状況だった「ごみの集積場」
ごみ集積の悪臭の現場は、それは想像以上に過酷だった。吉澤さんらは被災した常総市内や水海道市の一般住宅へのEM散布を終えて、休む間もなく教育長からの指示があったその現場へ向かった。付近のシンボルは堂々たる豊田城だ。が、ただならぬ悪臭が漂っていた。教育長は、そばの市立石下小学校へ流れ込むごみの悪臭を何とかしなければ、と気にやんでいたのだ。
「うーむ。これはやばい」と僕は、正直、ごみの山から沸き立つカビのすえた臭いに腰がひけた。ジャケットを脱ぎ首にタオルを巻きマスクを二重にして、尻込みしながらごみの山に近づいた。大型のクレーンが数台、エンジン音を唸らせながら粗大ごみを右に左に積み上げている。
吉澤さんと福留さんは、EMタンクを積んだトラックを横づけにしたと思ったらホースをもって走り、悪臭が激しい腐敗した畳の山に上って頂上から散布を始めたのだ。恒川芳克さんはタンクと動噴の調整に余念がなかった。見事な連携だ。数時間、タンクが空になるまで噴霧は続けられた。一心不乱にホースを握るボランティアの彼らの姿をみて、僕は胸が詰まった。
現場には、山口教育長、それに茨城県会議員で土木委員長の神達岳志氏らが立ち会っていた。理事長の恒川敏江さんは、みなさんにEMのことや効果的な対応の仕方について説明していた。






◇タイでは国をあげてEMプロジェクトが稼働中
災害現場でのEM散布、悪臭対策は、この連載の第1回で紹介した宮崎県の口蹄疫まん延防止に優れた実績をあげたほか、東日本大震災では消臭、衛生対策への取り組みがみられた。気仙沼では家屋店舗が流された失意のなかで「三陸EM研究会」の足利英紀さんが敢然と立ち上がっていた。ぼくは震災から2ケ月後の5月に釜石から気仙沼に入り、避難先の足利さん宅に泊めてもらってその取り組みを取材した。
足利さんらは、地震、津波、そして火災を続く恐ろしい震災を体験しながら、三日三晩火の海と化した気仙沼市内の他、近隣の被災地に出向いてフカヒレ工場や市街地区、避難所を回ってトイレなどにEMを散布した。また時には、遺体安置所にも足を運び自衛隊関係者に快く迎えられた。EMによる浄化作業は現在でも福島などは継続的に行われ放射能対策を含めその効果が確認されている。
EMの活用は国内にとどまらず、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界各国に及び、タイの大洪水では政府主導でEMが活用されたくさんの大きな成果を上げた。いまでも国家プロジェクトが動いて着実に成果をあげている。環境や農業、畜産、養殖などあらゆる分野でのEM効果は、世界の多くの国々が認めているのである。


※比嘉照夫氏連載 第99回 国策的にEMを活用するようになったタイ国
http://dndi.jp/19-higa/higa_99.php
※気仙沼をEMで復興
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm110602.html

◇批判グループは何者?
EMは役に立つ技術だ。それなのに、である。一部の大学教員らが、効果が明確で役に立っているのに「効果がない」とか、国内外にたくさんの論文があるのに「論文がない」とか、科学的な検証がされているのに「非科学的」だとか、多くのボランティアに支えられているに「悪徳商法」だとか、被害の実態がないのに「詐欺的ビジネス」などと執拗にツイッター攻撃を繰り返している。酷いのは、無差別殺人事件を犯したオウム真理教と同列にして危険な「カルト教団」だとまで貶めるのだ。
その挙句、EM排除の署名活動を始めたり、奇妙な請願の雛形をばら撒いてみたり、大学での講演会を妨害したり、とまるでEM潰しの”集団的なイジメ“の様相なのだ。
大阪大教授の菊池誠氏、山形大准教授の天羽優子氏、法政大教授の左巻健男氏、神田外語大准教授の飯島明子氏、文教大准教授の長島雅裕氏、それに国立天文台准教授、大石雅寿氏ら主に教員グループだ。まだ他にもいる。
取材もしない、確認も取らない、本人の了解もなければ、引用先の明示もない、という記者の倫理基準に違反するような比嘉氏の「談話」を改ざんした罪深い朝日新聞の長野剛氏の“仲間たち”なのだ。やっていることは一方的で稚拙だ。いったいこのグループは何者なのだろうか。朝日新聞との関係は、その狙いは何なのか。そこを解き明かさねばならない。
批判や批評は、それはおおいにやればよい。表現の自由なのだから。が、風評を撒き散らし悪意の個人攻撃はまずい。事実を曲げてウソをつくなんて許されない。まして教員らが、汚い言葉で人の心を傷つけるなんて、学校での”集団的なイジメ“より酷くないか。


◇悪意のツイッターには厳格な規制を!
ネットでの署名活動を仕掛けたのは、山形大学准教授、天羽優子氏だ。ところが結果は惨憺たるものだった。ネット署名のシステムの不都合で混乱した。菊池氏をはじめ、仲間内からもブーイングが起こる始末だったという。
騒ぎ立てて執拗に煽る。ツイッター上では、菊池氏のフォロワーだけでも3万数千人はいるはずだから、”仲間たち“の力で一気にデマ情報を拡散すれば、多くの賛同者が見込めるはずだった。が、結果は「3000人」ぐらい。その実際、実名の署名かどうかも定かではない。
小中学校からEMを排斥しようという呼びかけ人は、「善玉菌太郎」というハンドルネームを使っている。その雛形をツイッター上でばらまいて地域の自治体や議会にEM阻止の「請願」を出してくださいという触れ込みだ。
なんら問題も被害もないのにEMを排斥するというのは、サイバーテロのような極めて危険な行為じゃないか。今日の法治国家にはなじまないやり口だ。
「呼吸発電」というハンドルネームの主の場合もそうだが、ネットの裏側に隠れて攻撃するというのは卑怯者のやることだ。国家公務員や大学教授という社会的な影響力のある立場の者の悪意のツイッターには、より厳格な規制を設けるべきではなかろうか。


◇ノーベル賞の大村智氏「農業は科学だ」との至言
今年のノーベル医学・生理学賞に決まった北里大学栄誉教授、大村智氏は、その記者会見で「微生物の力、微生物のおかげです」と語り、微生物の深淵なる有用性を示唆した。その数日後、NHKのクローズアップ現代に出演して、「農業とは科学者のやることなんですよ」と喝破された。その科学の意味をもう一度、問い直すきっかけとなったはずだ。大切なことは、「Science for society」なのだろう。日本学術会議で提唱された「社会のための科学」という視点を思い起こさせた。
※ 吉川弘之氏の提言
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm100707.html

社会に役立つ科学を「ニセ科学」というおぞましいレッテルを貼って排斥するなんて、それこそ科学への冒涜だと思った。
やはり農業からスタートした比嘉氏と、二重写しになったのは僕だけではないと思う。大村氏は祖母から、比嘉氏は祖父からという違いはある。が、それぞれ「社会に役に立つ」ことを強く教えられその教え通りに貫く人生なのだ。微生物で地域、社会、そして世界に貢献している姿は、まばゆいほどだ。「農業は科学」というメッセージは、素晴らしい。これがどれほど価値をもたらすことか、まさに至言だと思った。
番組キャスターの国谷裕子さんから、「あの時、夜間高校の先生をせずに地元で就職していたら農家の長男坊として、農家の傍ら先生をしていたかもしれない人生だったと思いませんか」と聞かれたのだ。大村さんは、「いやあ、日本一の農家をつくってやるという気持ちはあった」と語り、その後にこう続けた。 「農作業というのは科学者のやることなんですよ。気候を気にする、温度を気にする、それから水分がどうであるとか、まさに科学者なのですね。だから、私が土から菌を採るなどのことは農業の延長なのです」。
土壌を豊かにし化学肥料を使わずに多くの恩恵をもたらすEMの効果は、それだけでも確かな科学の証明であるということではないか。小さな菜園づくりでもいい、地元の環境への清掃活動でもいい、ボランティアでも結構だが、そこに携わってみると、EMがいかに安心で快適なものかがわかる。一流の科学者、一流の人物は、小さな動きや変化を見逃さないものだ。現実をしっかり捉えられる人のことを言うのであろう。
日々、ツイッター上の疑似イメージの世界に溺れ、国家公務員という安全な高みに身を置いて手を汚さずデマを撒き散らしひねた薄笑いを浮かべるようにして、社会に汗を流す善意の人々を傷つけ回る姿は、あまりにおぞましい。もはや科学者でもなければ教員と呼ぶ資格すらない。たった1回きりの貴重な人生を無駄にしていないか。その一方で、あまりに気の毒で憐憫の情を禁じ得ない。
≪続く≫


「検証 朝日新聞とツイッター」-そこまでやるか、EM叩き-
第1回:「ニセ科学」糾弾の急先鋒
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150716.php

第2回:大阪大学、菊池氏に汚された口蹄疫感謝状
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150805.php

第3回:EM攻撃は朝日から始まった
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150909.php

第4回:浮かぶEM根絶やしの構図(大阪大学・国立天文台・朝日新聞)
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150924.php

第5回:国立天文台執行部が下した決断
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm150926.php