◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2014/07/18 http://dndi.jp/

取材しない新聞記者、EM批判の黒い罠を暴く

・朝日記事を否定した青森県の報告書~こちらも被害者だと県庁
・福島民友の“発表記事”の一人芝居
・JSTのサイエンスポータル転載の記事の“災い”
・DNDメルマガ500回 畏友の大野伊三男さんに捧ぐ

 DNDメディア局の出口です。ツイッター上の風評は、月夜の影のようで実体 は浮かび上がってこなかった。取材をかけると、その隙を見破るのに手間はそ れほどいらない。客観的な事実を積み重ねればいい。安全な微生物資材、その 効果は現場で立証されている。科学的根拠を示した論文も数多く存在していた のである。詐欺だとか、カルトだとか、エセ科学だとか、言われ放題の悪しき EM批判の罠を暴いて見せようかしら。


◇・朝日記事を否定した青森県の報告書、EM投入でヘドロが減少した!

 手元にひとつの報告書がある。青森市内を流れる沖館川の水質調査の一環と して県が実施したものだ。内々に入手した。EM(有用微生物群)の活性液を河川 に投入したら、さて、悪臭の原因となる汚泥がどうなるか。汚泥、いわゆる河 川のヘドロの厚さが、増えたのか、減ったのか、その増減でEMの効果を測定し ようという試みだ。
 報告書は、半年ごとに一冊の計2冊の相当のボリュームだ。汚泥の変化を3地 点、それも右岸と左岸の計6か所を観測した詳細なデータが図表とグラフ、そ れに写真付きでまとめられている。
 報告書の巻末に記載された結果は、平成15年9月から1年間、毎月2トンのEM 活性液を投入したら、明らかな減少傾向が見られたのだ。誤差の範囲での増減 はあったが、16年3月末時点では、全地点で著しい減少傾向を認めたのだ。そ れを示す数値が並んでいた。

 ところが、平成24年7月、朝日新聞青森版は、その報告書について、EMに 「効果なし」とわずか数行で片づけて誤った報道をした。それが、いまだ「EM 効果なし」とネット上で拡散され続けている。新聞社に指摘したが、いまだに 訂正されていない。記者は、電話取材で報告書は見ていない、と取材を受けた 県の担当者はそう証言した。事実、朝日記者は、電話取材で報告書は見ていな いと、ずさんな取材を認めていた。

 調査を実施した青森県の所管の担当者は、「EMの効果がない、とは報告書の どこにも言っていない」と朝日の記事を否定しながら、「(朝日の記事では)こ ちらも被害者だ」と憤慨していた。

 朝日の記事の問題点は、それに加えて、2回にわたって比嘉教授の談話をネ ットから捏造“していたのだ。取材もしていなければ、ネットからの引用も 示していなかった。

 ネット上に書いた比嘉教授の文章に手を加えて改ざんした。そのことも指摘 されていながら、記事の訂正要求を拒否している。研究者の論文のコピペや データの改ざんなどには容赦しないのに、ひとたび自分のこととなると責任逃 れの態度にでる。責任メディアを標ぼうするのなら、朝日新聞らしい誠意ある 姿勢を見せなさい。

 勝手に改ざんした”談話“を問題にして、発言が非科学的だと断罪する。科 学的か、非科学的か、そのジャッジをつかさどる資格が、誰にあるというのか。 開発者の比嘉照夫教授が、微生物の世界を自由に語る、それについては根拠が あるなしにかかわらず科学者としての流儀であり、大いにその可能性について 論じてもらいたい。その考えはおかしい、などとの批判を言われる筋合いはな い。現実の課題に向き合ってその解決にあたる、それが社会的責務を果たそう とする科学者のあるべき姿だとするなら、高みにいて他人の研究に難癖をつけ てばかりいる教員こそ、エセ教員と呼ぶべきであろう。エセ教員に、エセ科学 呼ばわりされるのは誉というべきであろう。愚人に誉められるは一生の恥なの である。


◇ ・福島民友の“発表記事”の一人芝居、県は発表を否定

 また、ペットボトルに糖蜜を加えて実験したら、高濃度の有機物となったの でEMは汚濁源になるという推測をあたかも県が発表した初見解であるかのよう な”つくり話“を記事にしたのは福島民友だった。

 福島県議会の亀岡県議が、委員会で記事について県の担当を質した。県は、 福島県の見解と言えるものではない、と福島民友の記事を否定していた。ぼく が県の担当者に面会を求めると、「記事は県の発表でも見解でもないが、新聞 が書くことについてこちら側からなにもいえない。」と言った。県の方針と違 う内容が記事に書かれたら、即座に訂正を求めるべきであろう、そうしないと その記事が独り歩きして、繰り返しニュースとして流され、いたずらにネット で拡散される。現実に、これも福島県が初見解、「EMは汚濁源」という記事が 流布されているのである。

 記事にはこのように疑問と間違いが散見された。なぜ、汚濁源になるのか、 そのメカニズム、理由が明確には書かれていない。報道部長に面会 した。その一部始終のやり取りがある。

 県の発表というのなら、県庁で資料配布したのか、会見をしたのか、そのい ずれもNOであった。ぼくだって記者経験があるから、県の発表かどうか、その くらいすぐにピンとくる。記者向けの発表資料は存在しないのである。郡山市内で 開催された講習会で配られた資料が根拠となっている。しかし、汚濁源だとい う記述は、QAのための一般論で、なぜEMが汚濁源になるのか、その科学的な論 拠は示されていない。微生物が河川の浄化に一役買うことは認めていながら、 高濃度の有機物は汚染源になると考えるのが普通の考えだ、という程度の説明 なのだ。それが、EMは汚濁源という根拠なのだから、恐ろしいことをやるもの だ。余談だが、これには、意図的なある種の画策が背景に見え隠れしている。

 さて、この講習会に福島民友の記者の姿はなかった、と参加者の一人は証言 する。福島駐在の全国紙は、「EMは汚濁源」という記事を伝えてはいない。福 島県が発表したものでないのである。報道部長は、「取材に自信がある」と、 どこかで聞いたようなマニュアル文を口にした。

 福島民友の記事に、なぜ汚濁源になるのか、という根拠が見当たらないのだ。 ひとつ理由らしき説明に、「液体と固体が分離できないことから水が汚れる」 とした県の担当者の談話を載せていた。ここについて報道部長に、これでなぜ EMが汚濁源になるのか、わかりますか?と質した。すると、報道部長は、それ は県の担当者の説明ですから、とかわすので、「だから、なぜEMが汚濁源にな るのか、これではわからないでしょう。こんなわけで具体的な説明が見当たらない。EMは汚濁源というのは、この記事を見る限り“作り話”なの ですよ」と指摘した。

 後述するが、河川が汚れる、と警鐘をならす権威の学者に聞いても、こちら も思い込みの域を出ず、「EMで汚れた川」について、何一つ具体的な川を指摘 できなかった。EMの効果がなかった、という実験の根拠についても「報告書を 見せてほしい」と求めたが、それも適わず、具体的な実験の方法については、 「忘れた」とかわした。ただ、道庁の某部長から、非公式ながら実験のお金は もらった、と言った。そんなお金が非公式にでるのだろうか、とさりげなく聞 いたら、あの時代、なんぼでも(お金は)もらえた、というので、道庁ってそん なに甘くはないでしょう、と指摘した。国立の大学教授が、そうやすやすとお 金をもらえる仕組みになってはいないし、大学当局とて、教員の兼業規定は明 確に定めてある。非公式に、裏金を懐にしていたら、それは別の問題になる。 北海道大学の事務局に教員の兼業について、資料をもらうなど話を聞いている。


◇・取材なしでEM排斥に動く毎日記者、堂々と記事を書きなさい!

 なぜ、こうも説明がちぐはぐなのか。まともじゃないのだ。「汚濁源だ」と 世論誘導して、EMを排斥しようとしている。元事件記者の目からすれば、法律 に基づかない社会的制裁は、それこそ名誉棄損という明確な犯罪である。

 大手の全国紙、そういったメディアは、その欺瞞を暴くのが本来の仕事だ。 社会的正義は法律に基づくものであるからだ。朝日新聞、毎日新聞のごく一部 の社員に、根拠のないネットの風評にぶらさがって記事を書く、悪乗りするも のがいる。この手の存在はどうすればいいの?

 毎日新聞の元科学部長は、超党派の国会議員で立ち上げた有用微生物利活用 議員連盟に、”直訴“し、福島民友やら、他社の記事を突き付けて、EM 関与にクレームをつけた。真意を聞くために面談したら、EMに関する件でご本 人が現場も見ていなければ取材していないことを認めたので、同業者として注 意を促した。また、EMを推進する自治体の市長にもメールで難癖をつけていた ことが判明した。その時にも他社のEMを批判する記事を添付していた。 まず、記者なら、他社の記事に頼るのではなく、自分で調べろ、と叫びそうに なった。天下の毎日新聞が、ねぇ。情けないやら、残念ですね。

 それに、あろうことかEMを記事にしないように、と社内に通達を出すように 編集局長に2度直訴して、それ以来、毎日新聞ではEMのことが記事に出なくな った、とツイッター上で自慢しているのである。毎日新聞が、特定の企業を正 当な理由もなく、取材もせずに排斥したのである。暴力団だって宗教団体だっ て、毎日のかつての社会部の猛者は、命がけで乗り込んで記事にした。毎日新 聞は、新聞の看板を返上されたらどうでしょうか。

 本来、新聞社は、一団体や企業について、「記事にしない」と申し合わせる なんて、ありえない。これは沖縄企業への差別だろう。排斥という姑息な手を 使わずに、企業や個人に問題があるのなら、堂々と取材して糾弾すべきだ、と これまたその元科学部長をたしなめた。少なからず、有能な毎日新聞の友人が いる。愛すべき毎日新聞が、いつから、こんな風に劣化してしまったのだろう か。


◇・JSTのサイエンスポータル転載の記事の“災い”、こんな記事を載せていいの?

 またつい最近、少しは関与したことがあるJST(科学技術振興機構)のサイエ ンスポータルに北海道大学名誉教授、松永勝彦氏によるEM批判の奇妙な記事が転載 された。

 記事の内容を精査せず、チェックの形跡も見られない。宗教政党の批判は余 計だろう。JSTがこんな記事を載せていいはずがない。公的セクターの情報発 信ツールが、一企業や学者を排斥するような一方的な記事を掲載する資格があ るのだろうか。批判記事を載せるのなら、それと同じ分量の反論のスペースを 用意しないと公平を欠く。何か、勘違いだろうか。たぶん、そんなところまで JSTの理事長ら幹部は気付かれておられないだろうけれど、ひょっとしてJST内 部にEM批判の黒幕が隠れているかもしれない。

 松永勝彦氏の記事が、EMで河川が汚れる、というEM批判の論拠として添付さ れ、各方面にばらまかれている。EMを流して汚れた川はどこですか、と聞いて、 答えられなかった相手は、松永氏だった。

 EMが汚濁源になるのなら、青森県の沖館川にEMを投入すればヘドロが増える はずだ。それが顕著に減少したのである。EMで河川が汚れる、そんな現実はど こにも見当たらないのである。EMで河川の悪臭が消え、魚が戻ってきたとい う事例は全国で沢山報告されている。それら一つ一つを全部掲載してみようか。 ツイッター上の黒い罠に騙されてはいけない。

 さて、冒頭からテンションが上がって、珍しくファイティングポーズなのだ。 ひさびさのメルマガは、ネット上で展開されているEM(有用微生物群)をめぐる 排斥の動きである。比嘉照夫教授を、そして善意のボランティアで支えられて いるEM普及の関係者を犯罪人扱いする、このような悪しき状況を断じて見逃す わけにはいかないのである。随時、もう少し掘り下げていきたい。原則実名で 書こうと思う。取材のインタビューも掲載していきたい。


◇・今回のメルマガは500回の節目にあたります。このメルマガを病床に伏して いる親友の元東京都港湾局広報担当の大野伊三男さんに捧げます。