◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2012/05/16 http://dndi.jp/

過ぎてみれば夢の如し

・ぼくら還暦世代、心の有り様を見る
・5月を撮る、気分が高ぶる"萌え"盛り

DNDメディア局の出口です。ぼくらの世代はその大半が今年、還暦を迎える、いや、迎えた。ぼくのように早生まれなら年を越すのだ。干支が一巡し始めに戻るのが還暦。ひと昔と違って、畏れ多くも老境というにはほど遠い。が、鼻息荒くなんでも首を突っ込んで散らかすようなことは減った。


落ち着きが出てきたと言えば、聞こえはいいがそれはただ精神の衰えが著しいだけかもしれない。その半面、外の気配を静かに感受するというか、おのれの心の有り様にこだわってみるというか、自然のかすかな変容に敏感になって心がわきたつことが増えた。へぼな俳句は上達の見込みは薄いが、それにつれてやや渋くなった。自分でいうのもあれだが、気が引けるのだが、ある年齢に達しないとあるものが見えてこないのである。


是もまた夢、非もまた夢、そんな沢庵禅師じゃないが、過ぎてみれば夢の如しというのなら、少しは知ったかぶりしてさ、もう60歳なのだし赤いちゃんちゃんこを着て、再び、若いころの夢の続きを見てみようじゃないの。


◇季節の芽吹き、これまた愉しからずや
 狭く小さな我が家の庭が、いまにぎやかなのである。毎年、毎年、こんな風になっていたのだろうか、と目を疑うほどだ。季節が動く。芽が伸びる。緑が淡くそして濃く姿を変えていく。つぶさに観察していると、それだけで気分が高揚する。次々に"萌え"なのだ。


亀甲の硬い殻を割ってゴーヤが淡い緑の芽を出した。双葉から一気に葉を広げて青空に向かう。昨年、その前年と赤く熟れた実から種をとって保存していたものをネットで知った要領で水を含んだペーパータオルに浸したり、種の上部をカットしたり、とひと工夫してプランターに撒いた。水を入れた容器にそのまま種を入れると、浮いたままでなかなか沈まないからだ。順調なら地植えは6月中旬かな。ゴーヤはチャンプル、ジュース、緑のカーテンにとマルチユースなのだ。


 種から双葉を出したゴーヤ、今年も楽しみです。


 行者にんにくの葉はスマートです。餃子のタネにしました。

晴れたので餃子をつくる。雲仙の極め豚のひき肉がおいしい。庭から三つ葉、明日葉、それに行者にんにくの葉を採ってきた。行者にんにくは、岩手県・釜石の佐々木幸雄さん宅の畑から昨年5月11日にもらって庭に植えたもの。もう臭うでしょう。行者にんにく入りの餃子は、水餃子にしたら、行者にんにくの臭みがきわだった。故郷の北海道では、アイヌネギと呼んで大人たちが採りに山に入った。ぼくには経験がないが、葉っぱは笹の葉のような薄い緑色をしたスマートな形だが、茎の根元の赤紫が鮮烈で、ホッキ貝と同じ色味だなあ、と思った。


近くに畑を借りてにんにくを栽培している。そのにんにく村に行ってみた。昨年10月10日に植えてから8ケ月、その日早起きして通算5度目の草むしり、たっぷり汗をかいた。野菜の栽培は手をかければ答えがかえってくるからやりがいがある。にんにく村に、にんにくが100本、健気に根元を太くして4〜5cmに成長、そして葉を四方に広げて並び立つ。


 植えてから8ケ月、順調な成育のにんにく村、
 収穫は来月です。


 朝摘みの玉ねぎ、玉はわずかな膨らみだが、
 仙台の味噌で食べた。

裏庭では朝摘みの玉ねぎ、数本抜いたらふっくらした小さな玉だった。肥料が不足しているのか、収穫が早かったか。それでもつややかな白さと萌葱色の茎、ヒゲにもついうっとり。噛み切る手前でやわらかくほっくりと、口の中でくだけた。この食はくせになりそう、と思った。繊維にまろやかさがあるんだわ。


仙台の友人で銀シャリ名人、鈴木英俊さん宅からいただいた天然麹の無添加味噌をその収穫したばかりの玉ねぎに少しまわして生かじりした。香ばしい音が弾けた。辛みが効いていた。赤ワインでも合うだろうか。


夜なべして塩らっきょうを塩糀で試した。らっきょうは宮崎産、ひと箱買った。大鍋にぶっこんで水を代えて、繰り返し泥をはいた。塩3%は、常識。いくぶん塩分を抑え気味にしてそこに塩糀をぬってまぶした。数時間後、待ちきれなくて浅漬けをつまんだ。辛味、渋味に舌先が痺れた。歯触り、カシッと玉ねぎと同じ音がした。なんとも食欲をそそる。冷酒を口に含むと、芳醇な香りがわき立つようだ。


にんにく、玉ねぎ、らっきょうは、これは"三種の神味"だわ。実といえばいずれも白く、ひげ根も白い。それらは酒に合うのでこれが、また面白い。


らっきょう漬け早い辛いと試し食い 俊楽



 らっきょうの塩漬けにする。浅漬けは、辛味があってなかなか乙だ。

再び、お天気なので外に出て畑仕事に精を出した。やはり歳のせいか。体力の衰えを実感した。めまいがして倒れそうになる。頭痛が取れなかったので熱中症だったのかもしれない。庭の敷地を覆う草取りの作業の後に畑を耕した。肥料にEMボカシを投入した。植えたのは、大玉、中玉、それにミニのトマト三種六本、キュウリ二種四本、ナス二本と野菜の定番ばかり。肥料にEMボカシ、活性液、それに愛情たっぷり、と、収穫が楽しみなのですね。

玄関先では、黒メダカが産卵を始めている。益子焼の佐藤巧さんの火鉢をメダカ鉢に代用している。孵化した稚魚は卵のうちに別の水槽に隔離しないと親に食べられる。ピンクの花が咲く水連が鉢の底から緑の葉を伸ばしてきた。鉢の中のいのちのドラマ、もう白い夏の気配ですね。



 庭に咲いた緑のシモツケソウと、赤いツボサンゴの花

雨にたたられた。萌黄色に輝くのはシモツケソウ、淡いピンクの花をつけてきました。そばの赤い小さな花は、CherriesJubilee、チェリーズ・ジュビリー、ツボサンゴともいう。英語の表記から抱くイメージと、ツボサンゴの和名にずいぶんと違いがあるものだ。それと花の可憐さに似合わず、濃い緑の葉が渋い。


そして、静かな雨、ここ数日、好天続きだったので、庭の花木にはほどよいお湿りに。葡萄の木が空に枝を伸ばして遠慮がない。やがて花を開いて実を結ぶのだ。明日に向かう自然の恵に感謝したい。そばで、亡父が地植えした赤いバラが、一輪、咲いた。



 葡萄の木は巨峰、新芽がぐんぐん枝を伸ばしてきた。


 亡父が遺したバラが咲いた。ノムラモミジが赤から緑に葉の色を変えた。

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