◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2010/1/20 http://dndi.jp/

爆走する中国、初めての上海(前編)

 ・上海ドリームを掴む留学生の李さん
 ・近未来と過去が同居する、中国事情
 ・地検の矜持、「巨悪を眠らせない」の覚悟
 ・服部健一氏「ジャーナリズム戦争」
 ・張輝氏「中国から42大学が東京に結集」
 ・山城宗久氏「思い出のサンフランシスコ」

DNDメディア局の出口です。中国へ初めて行ってきました。まあ、いまさら 驚くような事じゃないし、あえて自慢するほどの土産話があるわけではありま せん。えっ、初めてなの?って、その事が逆に驚かれるかもしれません。いつ でも行ける、という安心感が裏目に出た格好です。もっと早く行っておくべき でした。


ビジネス訪問の道すがら目を皿にして、街を人をウオッチしてきました。や はり、聞くと見るとでは大違いですね。起業マインドにあふれた女性らが、語 学に長けた若者らが、それぞれ将来の夢を描いて疾走する元気な姿を垣間見る ことができました。中国への私のバージンロード、いま爆走する中国に興味 津々ですっかり虜になってしまいました。


ひょっとして、GDP世界第2位の座を奪われるという背景には、製造規模や市 場のスケール、留学生や博士号の人材輩出、人口13億の5%に匹敵する6500万人 の富裕層の誕生など、それらが想像を絶するほどのシナジーを生んで沸騰して いるようにも見受けられます。もし、かつての中国の古いイメージを引きずっていては見誤るでしょ う。いやいや、「想一想全球性!」(Think Global!)の、押し寄せるグ ローバル化の波頭を捉えることができなくなるのではないか、と危惧するほど でした。


上海万博を控えて街に高級車が溢れ、どっちを向いても巨大なクレーンが天 を突くように林立していました。橋や道路、地下鉄、それに幾棟の高層住宅の 建設の鎚音が止まりません。上海から郊外へ移動すると、ミラクル景気のバブ リーな熱波と吹き溜まりという、その落差は大きく未来と過去が同時に進行し ている、感じでした。


さて、1月16日午後、チャイナエアーで福岡から1時間40分、着陸体制に入っ て下降を始めると、ゴルフ場がまず視界に飛び込んできました。ゴルフブーム らしく投機目的のゴルフ場開発が後を絶たないらしい。そして、銀色に輝く上 海浦東国際空港、そこから最速431キロのリニアが走り、街の中心部までわず か8分というから、たまげた。空港内のコンコースも長い。旅券チェックの ブースも横一列に60ケ所以上はある。天井の高さといい、そのスケール感に圧 倒されました。が、どこもスムーズでストレスは少しも感じません。パスポー トを受け取って「謝々!」と言うと、それまで険しい係官の表情が、にわかに 和んでニコリとしていました。中国の一歩は幸い、笑顔から始まりました。


さて、今回、上海訪問にご一緒したのは、前回のメルマガ「竜馬がやってき た」で紹介した熊本大学発のベンチャーで、CO2削減に効果が大きいLVD照明や 電動バイクの開発や販売を展開する「オーシャンエナジーテクニカ」の社長、 横山高明さんと、そのビジネスを経営や資金の両面からサポートする社団法人 「日本―ロシア・チュバシ友好協会」の会長で実業家の田村文彦さん、専務理 事でジャーナリストの柴田敏雄さんら3人で、目的は、取引のある中国の製造 工場の視察と新製品開発に伴う会議でした。


なんでも、その足で現地に赴き、先方のカウンターパートと会って意見交換 し、お互いの理解を深めることが何より重要という現場主義を貫く田村会長の 発案でした。田村さんは、以前、モスクワから600キロ東に入ったボルガ河沿 いのチュバシ共和国に、私を連れていってくれました。モスクワのトレチャコ フ美術館は、ぜひ、ご覧になってください、とのアドバイスもこの人でした。 いやあ、有り難いことです。柴田さんは、表に裏にまるで田村さんの忠実な従 者のようでいつも控えめです。


さて、空港への出迎えは、「オーシャンエナジーテクニカ」の取締役で現地 駐在の李堅真さん(46)でした。骨太の長身で、身のこなしは機敏でそつがな い。「上海九濾工貿」という会社を経営しているという。今回のメルマガの メーンは、この李さんになるかもしれません。


彼が用意した車は、欧米でしか販売されていないトヨタのSUVの新車、購 入代金は600万円と高額だという。もう1台はホンダのオデッセイ、価格は400万 円で李さんの妻の所有という。車内はベージュの総革張りの内装で、3年で12 万キロ、1年で地球を一周している計算です。車の購入代金を聞くのはなんだ か気が引けるが2台で1000万円になるのですね。そして、部下2人を運転手とし て連れてきていました。


空港から上海市内へは、高速道路が整備され、渋滞もなくスムーズに流れて いました。乗用車は一様に高級車ばかりでした。追い越し車が、やたらクラク ションを鳴らすのには閉口しました。李さんに言わせると、速度を監視するカ メラが違反を摘発するが、事故が多発し年間の中国での事故死者数は、25から 26万人に及ぶというから、こちらも凄まじい。


窓の外は、高層マンションがひしめいている。加えて建設ラッシュが続いて いるようです。分譲が主で、この数年で価格が急騰しているらしい。なんだか、 バブルの前兆を感じさせます。夕暮れ時、うすぼんやりと霞がかかってみえま した。工場からはき出される排煙か、車の排気ガスか、地平線がはっきりしな い。大気が汚染されている。なにせ、急激に人口が爆発し、現在上海の人口は 2000万人に近づく勢いだという。


約1時間、やがて郊外のホテルへ到着しました。こざっぱりした造りながら 清潔で快適です。液晶テレビは68チャンネルもあり、NHKBSもリアルで放映さ れていました。相撲も観戦できます。トイレもバスも掃除が行き届いていまし た。この周辺は、家具を扱う問屋街らしくアンティークものなど5、6軒が道路 を挟んで向き合っていました。地図を見ると、東京農工大学教授の古川勇二さ んが特別講座を持っている上海交通大学が、近くにある。ちょっとキャンパス をのぞいてみたかった。


食事は、ホテルのレストランで円卓テーブルを囲みました。何を食べても美 味しい。紹興酒は、まろやかでこくがある地酒でした。気に入った一品は、キ ノコのソテーでした。エリンギやら、シメジやら、ゼンマイなども入った野趣 あふれる料理でした。赤トウガラシやシャンツアイの香菜もからまって濃厚で 甘辛く、香ばしいほど素材が生きているのです。そこに黒豆のソースが入っ ているのだろうか、ご飯が「ススム君」状態でした。


正面にテキパキと料理を注文する李さん、やはり田村さんもその彼に気が向 くらしく、その生い立ちをそれとなく聞いていました。


広州出身で、父親は官僚でした。広州の大学を3年で卒業し、福岡の日本語 専門学校を出て佐賀大学に入学。専攻は教育学でした。が、そこを2年で中退 し、久留米大学へ。経済学部を学び、修士2年、博士課程前期修了、MBA取得― というキャリアの持ち主でした。ずいぶん大学に通ったね。不自由しない日本 語は、「これからどこへいくトォ?」と、そのため博多弁が抜けない。7歳 年下の奥さんは、やはり北九州市立大学で学ぶ留学生で、年1回の留学生交流 会で知り合った、という。


専攻はマクロ経済というから、なかなか経済の先が見通せない、それをお先 マックロ経済とだじゃれを飛ばすと、反応が良く、大笑いしていました。う〜 む、笑いのセンスもいい。ついでに私の出身の北海道には、大学時代、化石の 発掘に訪れたが、アンモナイトが手に入らなかったという。そこをすかさず、 それは、北海道の言葉で「ナンニモナイト」と表現しますと、言うと、椅子か ら転げ落ちそうなくらい笑っていました。まだまだあるのですが、もうこのく らいにしましょう。


さて、その朗らかな李さん、上海に戻ってまもなく、その時にビッグウエー ブが到来していました。多くの知人が次つぎと起業する中で、李さんも迷わず 上海ドリームに憧れて起業しました。産廃からコンサルまで、なんでもやって いる。


社名の「九濾」は、九州と上海の意味で、九州と上海を結ぶ平和で楽しいビ ジネスをしたい、という留学組2人の熱い思いが詰まっている。「九州は、上 海と同様、ベンチャー創業の機運があり、前向きな性格が似ているような気が する」と李さん。がんばって、いまようやく年収は1000万円を超えている。


そばで田村会長が話を聞きながら、しきりと感心していました。それまでの 空港への出迎えや車の手配、連れへの指示の仕方、それに現地の案内から、食 事や飲み物の世話まで付きっ切りで応対し、無駄がない。いい男やなあ、と何 度もつぶやいてみせていました。その観察眼が人一倍鋭いのには定評がありま すから、聞かないそぶりでしっかり見ていたのです。


食事を終え、ラウンジでお茶を飲みながら予定を確認していると、すでに夜 11時を回っている。翌日の朝の出発が、早いので部屋に戻って就寝です。李さ んは、最後まで丁寧に挨拶し、部屋に上がる我々をエレベーターの脇で目立た ぬように見送っていました。後で知ったのですが、その16日は、李さんのひと り息子の誕生日でした。もっと早く家に帰してあげればよかった。李さん、私 のそばに寄ってきて、昨晩家に帰って妻に出口さんのダジャレを披露したとこ ろ、爆笑でした。もっと仕入れてきてと言われました、とうれしそうに語って いました。いいですよ、たっぷり仕込んであげましょう。


朝6時といえば、まだ夜明け前で外は真っ暗です。こんな早く起きて行動す るのは、そうあるものじゃない。車は2台、李さんらは5時過ぎから待機してい る風でした。この上海郊外のホテルから北西へ向けて走り始めます。その距離 ざっと500キロ、それでも昼前には到着するだろうという。途中、24時間営業 のローソンで、缶コーヒーと菓子パンを買って車に詰め込みました。そして蘇 州、無錫を過ぎ、揚子江を越えて…。


辿り着いたところは、そこは江蘇省の中央にある農村部の一角でした。ふ〜 む。その落差は大きく、まるで近未来から時代を数十年、逆戻りした印象です。 そこで目にしたものは、職人気質の作業風景であり、スープの湯気が立ち上る 家族だんらんの食卓でした。昭和30年代の日本、その懐かしいほどの原風景が、 そこにあったのです。


(次回に続く)。



□           □           □

■民主の検察批判は、逃げ口上!
 巷間、気になるのは民主党の小沢一郎幹事長の元秘書らの政治資金規正法違 反事件をめぐる、民主党などから検察やマスコミ報道への批判です。逮捕され た民主党代議士で元小沢氏秘書、石川知裕氏を擁護する「石川代議士の逮捕を 考える会」が発足し、地検特捜出身の弁護士の郷原信郎氏を招いて検察の捜査 手法について対策を練った、という意味のことを新聞は伝えていました。民主 の仲間内でそれも石川氏と同期の代議士が集まっている。郷原氏は、古巣によ ほど恨みがあるのか、地検の捜査批判を繰り返し展開しています。
 そして、党で機関決定した「捜査情報の漏えい問題対策チーム」の設置を決 め、捜査情報が報道されているとして「国家公務員による守秘義務違反」を追 及する構えだ、という。
 原口一博総務大臣は、「メディアにある関係者という報道(の書き方)は、 検察の関係者なのか、被疑者の関係者なのか明確にしなければ、電波という公 共のものを使ってやるにしては不適だ」(19日、閣議後会見)と発言した、と いう。選対委員長の石井一氏は、「情報がどこから出てくるのか、検察がそん なリークをしていいのか。守秘義務があるはずだ」(18日、報道番組)と問題 にし、その他、森ゆうこ議員ら20人が会合を開き、検察の問題点を追及してい くことを確認したという。
 なんということでしょう、これは。取材規制に似た報道への脅しというより、 奇妙ないいがかりに思えてしょうがない。今年に入って、テレビ朝日系列のサ ンデープロジェクトのトーンがかわりました。あの舌鋒鋭い田原総一郎氏は、 どうなっちゃったの、幻滅です。1月10日の番組を見ながら、なにやらきな臭 い"政治色"を露骨に感じさせていました。晩節を汚す、田原さんにもそういう 時期がきたということでしょうか。残念ですね。政治家を問題にしないで、何 をこらしめるのですか。まあ、いわば、小沢擁護一辺倒という具合でした。小 沢さんの実力は衆知の事実です。きっと国民目線でいい政治をやってくれる、 と期待をしていましたし、そうするでしょう。が、この一連の脛に負った傷跡 はなかなか消えない。不徳の致すところということでしょうか。それに加え、 コメンテーターの席に座る評論家やジャーナリストもひどかった。見苦しい。 あからさまに検察批判を行い、メディアへのリークを問題にした。政治家に金 の噂はつきものだ、と言ってのける太鼓持ちもでる始末です。これまでどんな いいコメントをしても、あのひと言で、信用を失墜させてしまった感がある。
 これは変だなあ、何かあるぞ、と睨んでいたら特捜の一斉捜査という13日の 動きでした。テレビでは、素人といわれるが、TBSの朝ズバッ!の司会者、み のもんたさんが、庶民感覚をフルに発揮してストレートに疑問を発するから、 結果的に鋭く聴こえてしまう。
 原口さんは、放送局の監督権限がある。いい人だが、あの発言は危ない。 「関係者」を明らかにせよ、と迫るのは、検察のリークを差しとめようと意図 しているからなのか、小沢幹事長周辺に臭い立つ問題を封じ込めようという狙 いがあるのか、「関係者によると」という事件報道にありがちな情報源を明か さない匿名手法は、「関係者」としか説明できない事情もわかってほしい。
 あのホリエンモンのガセメール事件と同じ過ちを犯す愚を心配するのです。 調査報道の難しさは、ひとつの情報や噂を頼りに取材を重ねて肉付けし、裏を 取りながら事実関係を詰めるというジグゾーパズルのような作業を続けていく なかで、真実の構図を浮かび上がらせるのです。ところで、一番の情報源 って、どこに潜んでいるか分かりますか?
 身内ですよ。「関係者によると」と書く中に、小沢幹事長周辺の「関係者」 も存在している可能性があることをゆめゆめ忘れてはなりません。
 政権交代の前は、この3月、民主は野党で地検の捜査を「国策捜査」と糾弾 していました。与党になると、「検察のリーク」、「情報操作」を問題にする。 問題にしなければならないのは、小沢さんの政治資金をめぐる怪しさなのでは ないか。問題がなければ、堂々と説明すべきでしょう。
 例えばですよ、ゼネコンから、それもダム工事に絡んで、仕事を受注させる 見返りにその上前をはねる、という悪質な容疑がかけられている。その金の一 部が、不動産購入に化けているらしい。政治資金の流れに不明朗な点が随所に 散見される。逮捕された秘書も容疑を認めている。それにもかかわらず、それ らの一連の事実に目をつむり、検察のリークだ、関係者って誰だ!と騒ぎ立て ている姿は、主客転倒、変ですよ。
 5000万円を2回に分けて求めに応じて秘書に手渡した、と名前を出して証言 している。なぜ、ダムをムダと叫び、コンクリートから人へと訴え、だれから も突っ込まれてもやましい事のない、清心な政権運営を目指して政権の座に就 いたのではありませんか。なんのために政治をやっているのでしょうか。なぜ、 中から声が上がらないか、不思議な気がします。
 小泉進次郎代議士が、やはり自由民主党には自由があるが、民主党には自由 がない。自由がある自民党でよかった、と。
 地検を事業仕分けする、というヤジまで飛び交う事態というから、呆れても のが言えません。この事件がどういう結末を迎えるか、皆さん、よ〜く覚えて おいてくださいね。私は、地検の執念を買います。恐れず、堂々と先輩が築い た地検の「巨悪を眠らせない」の矜持を貫き通してほしい。

□           □           □

【連載】は、張輝氏の『中国のイノベーション』は第32回「間もなく日本上  陸!中国から42の大学が東京に結集」です。中国の事情通の張さんらしく、ま ずこんな情報を紹介しています。
 「科学新聞」新年の社説「2010年、中国の決心」に触れて、『大学学長 問題の年』であると指摘していたという。同社説によれば、昨年の3月から11 月にかけて、上海大学、安徽農業大学、西南交通大学、武漢理工大学、復旦大 学など10余りの大学の学長または副学長クラスの要人が、何らかの不正や違 法問題で指摘されたり、免職されたり、逮捕されたりしたのである、という。 凄い嵐が吹き荒れていたのですね。
 それに、来る1月29日、30日、東京国際フォーラムにて、過去最大規模 となる「日中大学フェア&フォーラム」が開催されることをお知らせしていま す。中国からも42大学が日本に上陸し、各大学の最新研究成果や技術シーズ を出展すると同時に、日本の50の大学とさまざまな交流を行うというから、 これは何がなんでも参加しないといけません。
 にわかに中国モードに突入している私としては、ここはぜひ、というところ ですね。

【連載】は、ワシントン在住の弁護士、服部健一氏の『日米特許最前線』の第 52回「ジャーナリズム戦争」です。その極めて重い21世紀のテーマは、「ジ ャーナリズム戦争」と問題提起する。
 このウオッチは、さすが服部さん、ジャーナリズムの真髄をよくご存じなの ですね。私も気付きませんでした。そのエッセンスを紹介します。
 「オバマ大統領が天皇陛下に深々とお辞儀をして挨拶したとき、アメリカの 議会はまるで謝っているみたいだ、卑屈になりすぎていると激怒した。それに 対する反論は、私の知る限りでは日米のジャーナリズムにも何もない。アメリ カ人は、自分の立場でしか見ないからあの挨拶をそう解釈する。オバマ大統領 が西洋ではあり得ないお辞儀をしたのは日本の儀礼に対する敬意の顕れであっ て、アメリカ大統領が卑屈になっているわけでは全くない。少なくとも日本人 には、すぐそう理解できるし、オバマ大統領に好感を持つ。それに対して、天 皇陛下は、日本人に対しては絶対にあり得ない握手で返答した。日本人は天皇 陛下に対しては、握手が論外であるどころか、目線を合わせてもいけないこと が常識である。その天皇陛下が握手で答えたのは、これがアメリカの、西洋の 儀礼であるからという敬意の表れである」と。
 今日的ジャーナリズムへの警鐘というべき鋭い視点は、刺激的でした。目で 耳で体で、その事象に肉薄しようと、試みるのですが、やはり世間の風評が気 になってしまうのか。きっと、自分の立ち位置が定まっていないのかもしれま せん。ジャーナリズム、とりわけ新聞記者は、グローバルな批評に弱いのかも しれません。その事象を判断する過去の蓄積がないのか、対応の仕様がないの か、あるいは、新聞記者にそれらグローバルな視点を書くべき紙面が与えられ ていない、という物理的なこともあるかもしれません。 
 服部さんは、なぜ、そうなるのか、それは「情報操作」と言い切って論を進 めています。今日のメディア論と合わせてご一読お薦めします。

【連載】は、山城宗久氏の『一隅を照らすの記』の第13回「思い出のサンフラ ンシスコ」です。本年最初の原稿です。山城さんは、JUNBA(Japanese Univer sity Network in the Bay Area)の会議に出席し、さらに、シリコンバレーま で足を伸ばしてきたのだそうです。そこで、その報告の中にある、ベンチャー 投資額の数字です。
 「米国におけるベンチャー企業への投資は、リーマンショックの影響を受け て、2008年第4四半期及び2009年第1四半期にかけてがくんと減少し、2009年 第1四半期の投資額は、2008年第3四半期の投資額の半分以下(7180百万ドル →3320百万ドル)となっています。その後、2009年第3四半期(当該統計の直 近期)にかけ戻してきているものの、2008年第3四半期の3分の2の水準に留 まっています」。
 そして、山城さんは、ベンチャーキャピタルの側からすれば、既に投資した 企業が破綻しないようにすることに注力せざるを得ず、新規投資や拡張的投資 のプライオリティは落ちざるを得なかったのでしょう。今世紀初頭にITバブル が崩壊した際の急減以降、2003年からは増加トレンドで来ていたベンチャー投 資が2007年末をピークにして落ち始めていたところにリーマンショックが来た という構図のようであり、再び2003年以降のような上昇トレンドに乗っていく のか、今年は要注目ですーと分析を加えていました。

【連載】塩沢文朗氏の『原点回帰の旅』の第61回「国東半島と『昭和の町』」 は次号の紹介にさせていただきます。

記憶を記録に!DNDメディア塾
http://dndi.jp/media/index.html
このコラムへのご意見や、感想は以下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
DND(デジタル ニューディール事務局)メルマガ担当 dndmail@dndi.jp