◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2009/06/24 http://dndi.jp/

平塚八兵衛の『刑事一代』に学ぶ

 ・朴訥で心にしみる茨城弁の凄味
 ・「デカはカンと現場百回」の科学
 ・原作は、産経の佐々木嘉信さん
 ・連載は、塩沢文朗氏、比嘉照夫氏

DNDメディア局の出口です。"落とし"の八兵衛こと警視庁捜査一課の腕利き 刑事、平塚八兵衛さん。若い人にはなじみが薄いかも知れませんが、昭和38年 (1963年)、東京・台東区で起こった戦後最悪の誘拐事件とされた「吉展ちゃ ん事件」では捜査打ち切りの土壇場で容疑者を自供に追い込むなど、執念の八 兵衛さんの逸話は、多くの人の語り草になっていました。当時は、テレビドラ マではNHKの「事件記者」など刑事モノが全盛で、デカもブンヤもいずれも花 形だったのです。


それから40数年、あれほど鮮明だった身代金要求の犯人の訛りの声すら、や がて昭和の終焉とともに記憶から薄れてしまっていたのに、いま再び、こんな 形で脚光を浴びることになるとは、さすがの八兵衛さんもそこは見込み違いで きっと草葉の陰で目を丸くしているかも知れません。


八兵衛さんの教訓から、冤罪が確実となった足利事件の捜査に照らしてみる と、天地がひっくり返るくらい、その何もかもが逆行していることに気付かさ れます。その学ぶべき人間、八兵衛さんって、どんな刑事だったのか、その本 質に迫ってみたい。


ご覧になりましたか。この土日に2夜連続で放送された「刑事一代‐平塚八 兵衛の昭和事件史」(テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャル)。八兵衛 さん役の渡辺謙さん、同僚刑事の高橋克実さん、そして吉展ちゃん殺害の犯人、 小原保役の萩原聖人さんらベテラン俳優の迫真の演技もさることながら、事実 の再現に腐心したドラマ制作陣の意気込みを反映して20%近い高視聴率を生ん だのは、何よりその素材がよかったのだろうと思います。


原作は、八兵衛さんが警視庁を勇退した昭和50年4月からサンケイ新聞夕刊 に「刑事一代 平塚八兵衛聞き書き」のタイトルで100回もの長期に連載した ものをまとめた『刑事一代』(日新報道出版)と、それに夕刊連載の続きの 「三億円事件 平塚八兵衛聞き書き」を加えて新潮社が平成16年に出した文庫 版『刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史―』でした。この放映に合わせて増刷 され、書店で手に取ることができました。


落とし、とは容疑者を落とす、つまり取り調べで自供に追い込むことを言う のですが、さて、そこで八兵衛さんは、数々の凶悪事件の現場で、犯人とどう 向き合ったのか。12人が毒殺された「帝銀事件」、「吉展ちゃん誘拐事件」、 それに世間をケムにまいた「三億円強奪事件」など、これら昭和事件史を飾る 難事件の数々の現場で、八兵衛さんは、その捜査の中心的な役割を果たすので す。ドラマでは、渡辺謙さん扮する八兵衛の朴訥でやや尻上りの茨城弁が、威 圧的な刑事のそれとは違って、親が子を諭すように荒れた犯罪者の心にやさし く響いてくる。八兵衛さんの魅力のひとつは、心の奥にしみわたる茨城弁を抜 きに語れないように思いました。


拘置所の取調室で、容疑者の小原が、吉展ちゃん誘拐の3月31日は、東京に はおらず福島の実家に帰っていたという、そのアリバイの核心が揺らぐ証言を ついうっかり口を滑らせてしまう場面があります。その失言を誘導することに なった、八兵衛さんの話しぶりを原作のひとコマから再現してみることにしま しょう。


「前かがみになるほど腰が曲ってたよ、オフクロさんは。山道でオレを追い かけてな。"保(小原)が大変世話をかけて申し訳ありません"って土下座した んだぞ。この意味わかるか。てめえが、いかに悪党だってことを懺悔してたん だ」。ヤツの目の前で、オフクロさんの格好をして土下座したのさ。ヤツ黙っ て考えこんじまったよ。


八兵衛さんは、小原が福島の実家周辺で犯行前夜の数日を過ごし、土蔵では コメのシミモチを食った、とか、ワラぼっちで野宿していた、とする、それま での自供の数々のウソを、それまでの現場の聞き込みなどで掴んだ事実で一気 に切り崩すのです。そして、小原の母親のこんな話を持ち出して、土下座し母 親の姿を真似して見せていた、というのです。


小原の証言を引き出すこの事件の圧巻は、その直後でした。小原が、刑事さ ん、そんな悪党よばわりしなくても、オレだっていいことしているんだ、とそ んなことを話し出すので、「(ボヤを消したという)そんな善行があったなん て初めて聞いた。それが確かなら立派なことだ」と相槌を打って、褒めるので す。それで、ヤツはすっかり調子に乗って…。


「刑事さん、だけど日暮里の火事みたいに大きくなったら、ちょっと手がで ませんよ」―それを聞いて八兵衛さんは、「しめた」と思ったという。1回目 の脅迫電話があったのは、4月2日の日暮里大火の真っ最中だったのだから、福 島から東京に戻ってきたのは4月3日だったという小原のこれまでの供述がにわ かにあやしく波立ってきます。4月2日の日暮里大火を「山手線の中で見た」と "自供"してしまうのですが、しかし、八兵衛さん、「そん時は知らん顔してい たよ」と言う。それで、福島のアリバイを次々と崩しにかかり、これは事実か ウソか、と突っ込むと、「ウソだ」というから、「日暮里の大火をお前は見た といったな。あれは4月2日だ。それもウソか」と追い打ちをかけると、ヤツの 顔から血の気が引いて、首筋からホオにかけてすごい鳥肌が立ったよ。こりゃ、 ヤツの犯行に違いねえ、間髪入れず「オレのいうことがウソか」ってたたみ込 むと、「わたしがこれまで言っていたことは、ウソです」と、ついにウソを認 めたんだ。それから姿勢をシャンとして「わたしがやりました」って、素直な しゃべり方で自白したという。まさに落ちた…瞬間でした。


ドラマでは、その場面が再現されていました。小原役の萩原聖人さんが、表 情を歪め、壁に預けた体がズリ落ちてそこで慟哭するシーンは、真に迫るもの がありました。が、それにしても、八兵衛さん、落ちる相手の首筋に鳥肌が立 つ、というその変化を見逃さないのです。そういうものなのですね。


捜査は、本格的な取り調べに入り、その夜に逮捕状を執行し、ついにホトケ (吉展ちゃんの死体)を隠した場所を自供する。その留置場で死体の確認のた めに、小原を現場に連れ出そうとするが、小原は、「ホトケさんの姿の話はし ねえでくれ。思い出すのもイヤだ」って訴えるのです。ゲロった後は、そんな ホシでも罪の意識にさいなまれるものらしい。


以前にメルマガの「冤罪を償うべき足利事件」で指摘しましたが、菅家利和 さんがテレビに出演して女児の首を絞める、という場面を淡々と再現してみせ ていた時に、「ふ〜む、これは違う、実際に殺害していたらこんな風にやれな いのではないか」とみていました。罪の意識で思い出すのもイヤというのは、 ある意味、犯罪者の共通の心理を突いているものと思います。


さて、落としの八兵衛に加えて、ケンカの八兵衛、そしてオニの八兵衛と、 いくつもの異名があってそれぞれに武勇伝がついて回ります。現場に徹し、腑 に落ちない個所があれば、再び現場に戻る。間違った認識やそれに嘘の証言な どを、ひとつずつつぶし、同僚が手掛けた事案に矛盾があれば、遠慮なく洗い なおす念の入り様でした。そして、机上の指揮命令に対しては、どんな上司だ ろうと、容赦なく食ってかかるのです。幹部を辛辣に批判することもあり、組 織内に軋轢を生んでしまうのも日常茶飯事だったようです。


吉展ちゃん事件の顛末で、八兵衛さんが組織主義の問題を鋭く指摘するとこ ろがあります。幹部は捜査報告書ばかりを頼りにするから、「机上と現場」が 一致しない。それなのでまともな指揮ができないーという指摘は、今も昔も変 わらないのですね。


もう時効だからとこんなエピソードをひれきしていました。刑事4人が身代 金を運ぶ吉展ちゃんの母親を尾行する。が、その中のひとりが、屋台のオヤジ に「不審なヤツ」と言われて、交番に引っ張っていかれてしまう。そのため、 張り込みには間に合わなくなってしまった。そして金を持参した母親の車が早 く着き過ぎて、裏通りから回り込んだ刑事が着いたときは、ホシにまんまと身 代金50万円を持って逃げられた後だった、という。


この失敗が幹部に伝わっておらず、逆に提出された捜査報告書には「完璧な 布陣」ということになっていた。そこで八兵衛さんは、合同捜査会議の席で、 張り込みの顛末をその刑事のひとりに万座で説明させたのだそうだ。八兵衛さ んは、組織嫌いの理由をこんな風に語るのです。


「現場の意見がまっすぐ上に届かねえで、途中でひん曲って伝わることが多 いからだよ、組織ってのは。ついでにいっちまえば、組織にのっかると肝心の ホシ(犯人)を追うのを忘れて、肩のホシ(階級章)ばっかり増やすことを考 えるのさ。デカの肩のホシを追うようになったら、おしまいさ。この気持ちわ かるだろう。あんまりへらず口をたたくと、いろんな悪口を言われるといけね え、この辺でやめとくよ」。


まあ、こういう性格なので、上司とは随分ぶつかるわけです。「仕事の上で の争いは、けんかではない」というのが持論でしたが、周辺から疎まれる悪い 風評も立っていたらしい。損得や出世にとらわれず、そんな愚直までの生きざ まをして、「最後の刑事」と呼ばれたのですね。ある夜、そのドラマで、渡辺 謙さんは、妻の原田美枝子さんに、「もしかすっと、デカやめっかしんねぇぞ 〜」と力なくつぶやくのです。妻は、「いつも覚悟はできてます」と健気にい うところは、ぐっときました。「三億円強奪事件」の指揮を任されるが、途中 でその立場をおりてしまうのです。尊敬と信頼。八兵衛さんが唯一、頭があが らない上司役の柴田恭平さんが、辞める数日前にふらりあらわれて、ポツリ、 こういうのです、と八兵衛さんの心情を述べる場面がありました。


「オレはどこか飛び越したかもしれない。何か見落としたかも知れないとい うことだが、彼らしからぬ言葉で、デカには100点か、0点しかないと常日頃、 そう口にしてがんばって生きてきた男でしたから」と彼の生きざまに理解を示 すのでした。原作も脚本もキャストも、久々に見ごたえのあるドラマだったと 思います。


ところで、八兵衛さんのデカ人生を振り返りながら、その言動をつぶさにみ ていくと、「足利事件」の問題点があっさりと透けて見えてきます。「無実」 の菅家利和さんがなぜ、無期懲役の「有罪」にされたのか‐本日朝の朝日新聞 は、事実上無実となる「再審開始決定」を捉えて、「足利事件」の検証に乗り 出していました。また、新聞は、どのようにこの事件を報道したか、を検証し つつ、(朝日新聞の報道に)DNA型鑑定を検証する記事はなく、「記者の側にもD NA型鑑定への過信があったかもしれない」とし、裁判員制度の導入に伴って当 事者双方の主張を対等に載せる、という事件報道のあり方の改革を進めている、 と今回の教訓を踏まえ、二度と菅家さんのような冤罪に組みしない、という強 い姿勢が見てとれました。


ただ、弁護側の主張の中で繰り返し指摘された、菅家さんの「自白」に関す る虚偽の扱いについて、なぜ、警察や検察の中から、疑問の声がひとつもあが らなかったのか、そこは推測の域を出ないのですが、ここは八兵衛さんが憤慨 するように、「途中で(事実が)ひん曲って伝わる」という悪弊をどう組織と してどう克服するか、捜査の過程で見過ごした事実関係を修正する勇気をいか にして取り戻せるか、という課題が依然として残るのです。


「自白の矛盾」。八兵衛さんなら、その少しのズレも見逃さなかったのでは ないか、と感じてしまいます。たとえば、女児の遺体が見つかった渡良瀬川の 河川敷の実況見分で菅家さんが、「遺体を隠した場所が示せなかった」という のですが、そこの意味するところは重大です。女児が首を絞められた跡は、 「向かいあって両手で輪を作るようにして絞めた」という自白の通りだと、そ ういう風にはつかないというのも考えればかなりおかしい。また、犯行時間に スーパーで缶コーヒーなどを買った、というアリバイを裏付けるレシートが証 拠として提出していたことがなぜ、取り上げられなかったのか、など、それら の矛盾がなにひとつ埋められていないことに気付かされるのです。捜査の過程 で、その辺に疑問を抱いて、自白の信ぴょう性に異議を唱えるデカさんがひと りもでてこなかったといことが信じ難いのです。


「デカのカンと現場百回」が八兵衛さんの口癖で、ドラマで渡辺謙さんは 「現場百回、デカにはこれしかないんだよ」と漏らす場面が印象的でした。で、 地を這うような聞き込み捜査で体得したカンに頼る職人気質のデカと思ってい たら、実は、そうではなかったのですね。


「刑事一代―たしかに"職人芸"に通じる激しいものを持っていた。というと、 カンだけに頼る古い刑事の印象を与えるようですが、平塚君のカンというのは、 実は科学的なんです。現場のひとつひとつを克明に集め、それを整理して、長 い刑事生活の経験則を照射して方程式を解くように"ナゾ"を解明していくので す」。これは、原作の文庫版「はしがき」にある、単行本の発刊当時、警視総 監であった土田国保氏の推薦の辞の一部でした。著者の元産経新聞社会部記者、 佐々木嘉信さんは、そこで平塚氏の刑事人生は、「現代でも力を失っていない と私は信じている」と断言するのです。


佐々木さんは、かつての上司でした。テレビ放映の前日19日、東京・大手町 のサンケイビルの一角でその日の夕刻から、懐かしい顔の先輩らが集う、産経 社会部OB会が開催されたのです。そこでもっぱら話題は、佐々木さんを取り囲 んでの刑事一代にまつわる話でした。聞くと、この「刑事一代」の連載のきっ かけは、当時、警視庁キャップから社会部次長になった福井惇さんで、八兵衛 さんが勇退する機を捕まえて各社が連載や出版の権利を取るため、先を競って いたところ、八兵衛さんと昵懇の福井さんがそれをモノにし、社会部の佐々木 さんらに連載の指示をした、というのです。佐々木さんは、八兵衛さんのよう な伝説の刑事さんにおいそれと気安く取材はできるものではないので、その連 載はあくまで福井さんの後ろ盾があって可能だったと述懐していました。


ドラマのクライマックスとなった八兵衛さんが小原のお墓参りのシーンがあ ります。それは、八兵衛さんが退職後、「これまで果たせなかったことが一つ ある。小原保をはじめ、オレがあげたホシで死刑を執行されたものがかなりい る。彼らの墓参りをしたい」という希望をくんで、昭和50年春、小原の実家の ある福島県石川町に、福井さん、写真部時代に三菱重工ビル爆破事件の容疑者 連行のスクープ写真で新聞協会賞の小野義雄さん、それに佐々木さんの3人が、 八兵衛さんを伴って東京から車で出向いていったのだという。


自宅に車で迎えに行くと、ものすごくはしゃいでいて、新しい背広にワイシ ャツ姿で、奥さんが、『きょうは調子がいいですよ』というほど、ハイになっ ていたのです。が、小原死刑囚の墓は、そばに「小原家之墓」の立派な墓石が あり、兄嫁の案内がなければ気が付かない場所にひっそりと土が盛られていま した。そこで、八兵衛さんは、突然、額ずくように膝を折って、「保君、悪が った。来れなくてなぁー」と言いながら、両手で土盛りを掘り起こし、持参の 花を植えるようにそえると、うずくまって嗚咽を始めたのです。顔はぐしゃぐ しゃで、泥だらけ。背広もなにも泥で汚れてしまったという。同じ墓に入れさ せてもらえなかった小原が不憫でならなかったのかもしれません。


佐々木さんは、東京オリンピックの年の昭和39年に産経新聞社に入社し、警 視庁捜査1課を担当し、広報部長などを歴任しました。私が宇都宮支局勤務当 時の支局長でした。


ドラマの出来栄えが素晴らしので、翌朝、ご自宅に電話を入れて、「今頃に なって、昔書いたものがドラマになるというのは、若い頃、(佐々木さんが) 記者としていい仕事をしていた証じゃないですか?」と水を向けると、「自分 で言うのもなんだが…」と照れながら、当時、文化部のKさんが作家の吉村昭 さんのご自宅に訪ねると、『刑事一代』を読んで、この記者(佐々木さん)は、 いい小説家になれる、と太鼓判を押してくれたのだという。


それならやればよかったのに、趣味の俳句とか、尺八とか、山登りとか、家 庭菜園とか、そういう小市民的な生活から足を洗って、作家を目指せばよかっ たですね、というと、「ハッハハ、今思えば、失敗したかな」と明るく笑い飛 ばしていました。


この原作のドラマ化で、ぜひ、ドラマに出させてほしいと、佐々木さんは出 演を申し出ていたそうです。作家がダメなら今度は、俳優に転身というところ かもしれません。土曜日の前篇で、佐々木さんは刑事役としてハリウッドス ターの渡辺謙さんと競演する、という手筈で、いよいよテレビデビューか、と 周辺にざわつきが起こったのです。が、セリフは?出演時間は?の問いに声を 殺して、「ナシ…」、「数秒…」と控えめで、テレビで佐々木さんの晴れ姿を 是非、この目でとじっと追い続けていたのですが、残念ながら見落としてしま ったようです。佐々木さんといえば、ベテラン女優の佐々木すみ江さんが好演 していました。すみ江さんのご主人は元、筑波大学教授で産経新聞編集局長の 故・青木彰さんです。


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◆ 【連載】は、塩沢文朗氏の『原点回帰の旅』の第53回は「地球温暖化対策 について、最近思うこと」の前回に続く「その2」。本文から抜粋すると、〜 「中期目標」にあり方についての国際交渉、そして「中期目標」の実現のため の国内対策の制度設計を進めていくプロセスにおいては、今後、日本の将来に 大きな影響を及ぼすさまざまな重大な決断を求められる局面が出てくると思い ますが、今回、決定した「2005年比−15%」の「目標」の意味は果たして何な のか、国民はどのような意味で「目標」をとらえているか、「目標」の性格に 相応しいその実現方策が検討されているかなどについて、十分に振り返り、そ の上で必要な決断を行っていくことが重要と思います〜とやや抑え気味にやん わりと指摘し、生煮えの将来の国の行く末を案じているのです。例えば、後段 で、世界の多くの国々で実施されている、国際航空路線のダイヤ調整や信号機 の交通安全施設の改修などのテーマを、「検討課題」として片づけているとこ ろに疑問を呈しておられます。専門家の厳しい視点からすれば、及び腰に映る に違いありません。
◆【連載】は、名桜大学教授で有用微生物のEM技術の開発者で知られる比嘉照 夫氏の『甦れ!食と健康と地球環境』の第10回は、「EMで国造りを目指すコロ ンビア」です。前回は、コロンビアにおけるEM普及の背景と研究体制を論じら れましたが、今回は具体的な導入事例です。サトウキビからのバイオ燃料製造 に伴う、廃液による河川、湖沼の汚染や悪臭を封じ込める「EMによるバイオア ルコール革命」、画期的成果を見る「世界最高水準のエビ養殖」、ボゴダ市を きれいな街に変えた「世界一のゴミリサイクルシステム」、そして「世界一の 有機の花栽培」と続きます。写真もありますので、ウェブからご覧になってく ださい。世界で活躍のEM事例はまだまだ続きます。

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