◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2008/06/12 http://dndi.jp/

大学発VB営業支援「Business NEO」デビュー

DNDメディア局の出口です。さて、スティーブ・ジョブズに勇気をもらったところで具体的に行動に移しましょう。本日のお知らせは、DNDの新企画、本年初めの「メディア塾開講」次ぐ第2弾は、大学発ベンチャーの皆様のお役に立とうという趣旨でスタートする営業支援の「Business NEO」です。


例えば、新規の市場をどう開拓するか、顧客のもっと拡大したいがどう手を打てばいいか、なんといっても経常収益を左右する売上、それを増加するにはどんなツールがあって、どうすればいいのか、という大学発ベンチャーが抱える営業全般の問題を解決しよう、という試みです。これらに知恵を出し、懸命に汗を流し、そしてあらゆるノウハウを動員して必ず結果を!と、そんな覚悟の営業支援サービスなのです。


経済産業省の大学連携推進課が進めている大学発ベンチャーのアンケート調査などで浮かび上がっているのが、人材、資金、そして営業という課題でした。ベンチャー成功のカギを握る経営基盤の強化、営業力をどう伸ばすか、これまでDNDの関係者の間で随分と議論をし、検討を加えてきました。そこで、スティーブ・ジョブズの「being customer-centric.」というビジネスの流儀にヒントを得て、少しでも未来に向かって進めようという決断を急いだわけです。


ご用意する支援メニューの中心は、「ビジネスアライアンス」(営業支援)になります。まず、こんな製品をどうすれば売上増につなげられるか、といったご相談があれば、それに対してDND一押しで、営業に数々の実績がある専属会社やスタッフが誠実に対応いたします。ご相談は、メールでも結構です。


そして、DNDが培った幅広いネットワークや専門人材の介在によって、その大学発ベンチャーにとって最もふさわしいビジネスプランをご提示し、あるいは実際に売上の成果を確実にしていくものです。大学発ベンチャーの個々の営業部隊の中に踏み込んで二人三脚でビジネス展開する方法もあります。ご相談は無料ですので、あれこれ悩んでいらっしゃる経営者の方がいらっしゃれば、どうぞ、ご一報ください。当面、ジャンルは問いません。


また、営業展開の進め方は、徹底したブレストを繰り返したうえで、市場動向を科学的に分析し、あるいはその分野の人脈を掘り起こしてアプローチするという「理論」と「人脈」の両面を巧みに連動させながら、戦略戦術のEXITを見出そうというものです。製品によっては、欧米や中国、そしてロシアへの道筋も提案のひとつに入っています。当該の製品やビジネスモデルを個別にカスタマイズするところがビジネス作法の革新で「Business NEO」の得意とするところです。


また、東京など巨大市場への参入を意図する地方圏の大学発ベンチャーの進出サポートや各種情報提供、人件費節減のための拠点の提供や営業代行といった「ビジネスマーケティング」(首都圏進出支援)も展開します。


これには地方と首都、首都と地方のクロスオーバーが必要で、DNDがそのクロスポイントの役目を果たすことになります。グローバリズムの到来で、もはや大分も青森も地域のビハインドは逆にフォローになる、という前提でいえば、それは大いなる地域主義に根差しているともいえなくもありません。首都圏は確かに3000万人を超える巨大マーケットですが、それは絶対的なものではなく、地方のビジネスを首都で補完するという考え方で、あくまで地域重視の基本を貫く考えでいます。


その効果的な戦略的広報のアドバイスも行います。どういう媒体に露出させるか、そのタイミングはいつがふさわしいか、費用はどのくらいに抑えるか、などもテーマに入ります。こういった広告制作や媒体の選定、メディアへの発信などを受け持つのが「ビジネスプロモーション」(広報・IR・宣伝)で、そして、必要な人材の募集から面接、採用などをサポートする「リクルートアライアンス」(人材支援)も別途ご用意しております。さらに、VBのリソースを研究・開発に集中してもらうための、営業やマーケティングを代行するというアライアンスも考えています。まあ、いろいろある、ということでご理解ください。


「Business NEO」は、今週14日から国立京都国際会館で開催する第7回産学官連携推進会議のDND展示ブースでデビューします。DNDウェブのトップページにもアップしましたが、これらを一緒に推進してくれる仲間を紹介します。


赤羽広行さん。1973年、栃木県那須塩原市生まれ、獨協大学経済学部卒の35歳。僕の後輩です。学生結婚で、子供2人、長女はすでに14歳。大学卒業後、大手派遣会社に就職し営業人生がスタート、これまで転職7回、仲間と5人で株式会社「営業参謀」を設立。人材ビジネス(派遣・紹介)事業を中心に、現場重視の営業コンサルタントとしてベンチャー企業から大企業の社内ベンチャーまで50社以上の営業を経験。現場の営業活動を通してターゲット顧客が何を望むのか、どうしたら買いたくなるのかを提供し続けています。大手メーカー(自動車、電機、産業機器など)、IT系企業への営業を中心とし、自ら必ずクライアント企業の営業として活動し、その中から各企業スタイルに合った営業戦略や営業手法を提供するノウハウを体得した、という。


「営業マンの毎日は決して楽しくない。だからこそ好かれれば面白い。だれも汚れ仕事をしたくない。ならば汚れ仕事で輝ける場を作ってしまえばいい」というのが持論の好青年です。


もうひとりは、野口尚武さん、株式会社セールスニーズの代表取締役です。40歳前後です。略歴をお聞きすれば、東京モード学園卒業後、株式会社オンワード樫山に入社。その後、伊藤忠ファッションシステム、ニチメンインフィニティと渡り、フリーのファッションデザイナーとなって独立。そこで営業に目覚め、転職した化粧品会社で売上の最高記録を樹立、その実績を生かして営業戦略拠点「オフィスフィ」を立ち上げ、これまで数々の企業の営業支援を行なっているんですね。


そして、これらの経験やノウハウをベースに新たに株式会社「セールスニーズ」を設立しました。これからの抱負として「企業への営業支援と、営業マン育成、営業マン独立の為のサポートを同時に進め、ひとりでも多く社会に有為な人材を送り出したい」という。


「Business NEO」は、いよいよ船出です。儲かるからというのはそれほど重要なファクターではありません、若い彼らと一緒に仕事をしてみたい、というのが僕の一番の動機です。ともかく決断が速いし、動きがいい、なにより彼らの表情と礼儀の良さに感心しているのです。現場で鍛えた、逞しい面構えです。どうぞ、よろしくお願いします。


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さて、中国四川大地震の発生から本日12日で1ケ月が経過しました。昨日の毎日新聞は16面、17面で特集を組んで、「友と耐えた 共に生きよう」との大きな見出しで、戦う被災地のいまを伝えていました。4人の記者のコラムも出色でした。リハビリに励む少年、特別授業での心のケアの風景など映した写真がようやく落ち着きを取り戻した印象を与えていました。


また今朝の朝日新聞も四川大地震の特集でした。「悲しみ越えて」の見出しは9面の写真グラフのページでした。屋外の仮設病院で続く治療、配給を手にして笑顔を見せる9歳の少女、亡き姉の写真を見つめる4歳の坊やなどの写真一枚一枚が胸に迫ってきます。


「悲しみ越えて」の文字には、締め切りまでわずか数文字の選択と言葉のニュアンスに知恵を絞る、編集整理の裏方の実力を垣間見る思いでした。


もうひとつの悲しみは、秋葉原の無差別殺傷事件の惨劇でした。現場が近いので交差点の一角に設けられた献花台付近で、手をあわせてきました。若い青年がひっきりなしに訪れて花をたむける姿を目にしました。これからオタクとかアキバ系とかの差別した呼び方をやめることにしましょう。派遣、契約といった表記も控えた方がよろしいかもしれません。


新聞で、テレビで、雑誌などで批評家がコメントしています。世の中が嫌になったら自分ひとりが世を去ればいいものをーという編集子の怒りの記述もありました。作家の佐木隆三さんは新聞で、犯行予告だけでなく実況中継如きの書き込みを続けていたのは、どういうことなのかと問い、自分を鼓舞していたのか、それとも平然と犯行に至る姿を誇示しようとしていたのか、いずれにしても現代のコミュニケーションのあり様を象徴しているようでもあり不気味だと指摘し、「模倣されて連鎖することほど恐ろしいことはない」と冷静な検証を求めていました。


個人の資質の問題か、家庭の教育がうんぬん、社会の構造的なにかが歪んで、そのマグマの表出がこんな惨劇を生んでしまった、とか、いつもこういう議論が巻き起こります。どれもきっと正しいのでしょう。


悲しいのは、遺族、19歳の藤野和倫さんの父親は、「悔しくて、悔しくて悪い夢をみているようだ」と体を震わせていました。やはり19歳だった川口隆裕さんの父親は、「もっと、もっとかわいがって遊んであげればよかった」と無念さをにじませていました。


加藤智大容疑者、25歳の父親は青森の自宅前で報道陣に囲まれていました。 「謝っても、謝っても償いきれません、心の整理がついていない」と謝罪していました。そばで母親が途中地面にへたり込んで、うつむき、手で顔覆い、会見が終わっても両手を地面につけたままで、夫の手を借りて這うように玄関に向かった、という。なんだかやり切れませんね。メディアが無理やりひっぱりだしたのでしょうか、それを今朝のテレビでは、記者会見をやって謝ればいいというものではない、とコメントする女性が醜く見えましたね。たまりませんね。


親の多くはいずれも僕と同世代のようです。この惨劇をどう捉えればいいのか、事件発生以来ずっと考えてきたのですが、僕にはとても身近過ぎてその答えの輪郭すら見えてきません。ただ、狂気の沙汰を安易に日常に呼び込んでしまう、その異常な何かが周辺に迫りつつあるのではないか、そのある種の恐ろしいほどのシグナルを感じてしまうのですが、その正体がなんなのか、やはり思考はそこで止まってしまいます。


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