◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2006/11/15 http://dndi.jp/

ある論点と点描「全国大学発ベンチャー北海道フォーラム」から

DND事務局の出口です。新聞、雑誌、テレビから連日、悲しいニュースが流 れています。いじめ、それは学校現場に限ったことではない。ご本人、その家族 や親は、どんな気持ちでその場面を観ていたでしょうか。


テレビ朝日の報道姿勢に疑問を感じました。タウンミーティングのやらせ発言 問題で取材クルーが、文部科学省の元広報室長を直撃し、路上で鼻面にマイクを 差し向けて、「ノーコメント、コメントは差し控えさせてください」って言うそ の室長を追い掛け回していました。画面に名前を明記し、顔も大写しになってい ました。昨晩、そして今朝も繰り返し放送し、その「逃げ惑う姿」はあたかも容 疑者扱いでした。


●強圧的なテレビ朝日の路上直撃取材の功罪
 う〜む。知人が、「その強圧的な取材を観ていて怖くなりました。政治問題が 往々にして、役人の尻尾きりに堕し、それにマスコミが乗っかってセンセーショ ナルな報道を繰り返す。これをどう捉えたらいいのでしょうか?」と疑問を感じ てメールを送ってきました。


霞ヶ関の役人、やつらはどうせいい加減だから、攻撃したって構わない−って いうステレオタイプな偏見が、どこか大手を振るっていないだろうか?少し前に 集英社の週刊プレイボーイで、テレビ各社の不祥事を年代別に表にしていました。 テレビのやらせ問題で、社内処分にした関係者をそれらの会社は実名を上げるで しょうか。


こういうのが、いじめの根源であることを理解していない。タウンミーティン グの総括的な背景を探って、どこに問題があって、そのやらせがどういう影響が あったのか、国会論議の推移や調査委員会の動向、それに独自の取材で検証すべ き性質の問題であって、個人が独断でやったというレベルにすり替えてしまえば、 その問題の本質が見えにくくなります。


報道は自由です。取材を進めるのは当然です。しかし、あの強圧的な路上での 直撃取材、それもいきなりカメラを向けるという手法は、少し考えてもらいたい。 不愉快だし、安易で卑怯だと思います。僕のような気が弱く心臓にやや難がある 場合は、とっても危険でさえ感じます。



●読売新聞の「論点」の誤解
 さて、もうひとつ。読売新聞は11月8日付朝刊で、北海道大学大学院教授、浜 田康行氏の「論点」を紙面で掲載しました。浜田さんは、少しは顔見知りですの で、個別的な風評として聞き流せばいいのですが、公称1000万部の巨大メディア での問題提起となれば、穏やかではない。その事実関係に誤解があるならば、そ の間違いを指摘するのにも勇気が必要です。


NEDO企画調整部長の橋本正洋さんは、本日アップの企画連載第4回で、そ の浜田論文を斟酌しながら丁寧な反論と事実関係を示していますのでご参考にし てください。


で、浜田さんの趣旨は、「大学発ベンチャー」を題材に、見出しにあるように 「1500社自立へ課題多く」となっていて、それはその通りです。が、本文を読み 進めれば、「〜大学発ベンチャーは目標を遥かに超えて1500社に達した。この達 成は意外であり、それゆえ評価も高かった。なにしろ、全社合計で売上高2000億 円、雇用者数1万6000人というから、もしこれが本当なら、快挙なのである」と 前置きして、「しかし、快挙に水を差すようだが、この運動に深くかかわってい る人たちほど、喜んでばかりもいられないと思っている」と疑問を投げかけてい ます。


そして、問題箇所のその1は、以下の記述です。


「大学発ベンチャーの定義があいまいな上、大学側の申告に任されているため、 企業数がやや水増しされていることもある」という。企業数が水増しされている という事実の前提に立つなら、「もしこれが本当なら快挙、しかし、快挙に水を 差すようだが〜」と回りくどい説明をせずに、売上高や雇用の数字は、間違って いる、と明解に言い切ればいい。このなんとも逆説的な論理の構成は、いささか 不気味です。


●大学発ベンチャー企業数の水増し、という根拠は?
 浜田氏の指摘する「企業数の水増し」の根拠は、大学発ベンチャーの企業数が、 大学側の申告に任されている、ということのようです。それは事実誤認です。大 学側の申告に任されていません。この場で、企業数の算定の方法を説明するつも りはありませんが、仮に大学側の申告通り足し算すれば、企業数は1800社以上に 膨らむでしょう。


アンケートで集計される大学発ベンチャー数は、重複も含めて3000社以上に上 ります。それを現場で、この膨大な収集作業と分類、さらに精査、確認、そして 最終の認定作業にどれだけの神経と労力を酷使しているか、そこのところを個人 的によく見て知っているから、安易な「水増し」、あるいは「数合わせ」の批判 は、中傷であり揶揄である、と断じざるをえないし、見過ごせない。こういう 「論点」は、新聞社側もチェックしなくてはいけませんね。



●子供のときからお小遣いの、誤まった比喩
 そしてその2。「大学発ベンチャーの多くは、補助金を受けている」という断 定です。その根拠は、「会社設立前、つまりビジネスの基礎となる技術の研究段 階から、科学研究費や科学技術振興調整費といった補助金を受けている場合も多 い」という驚きです。う〜む、なんと反論すればいいのでしょう。続けて、「い わば、『子供の時からお小遣いをもらい続けている』のだ」という。大学内の研 究リソースなどを活用し、特許の取得や移転というビジネスの基礎となる一連の プロセスに助成金が遣われているから、それらの成果を活用した大学発ベンチ ャーは、補助金を受けている−という論拠は、ちょっと無理がある?まあ、僕は、 大学発ベンチャー起業支援を4年半前から手がけていますが、国立大学法人の経 済学部教授で認定TLOの取締役という立場の方から、こういう問題が指摘され るということをどう認識すればいいのか?大学発ベンチャーを設立すれば補助金 がもらえる、という誤まった印象を与える記述は控えてもらわなければなりませ んが、大学発ベンチャーの光と影、そこの抱える本質的な問題もそろそろ考えて いかないとならないーということでしょうか。


大学発ベンチャー1000社計画の趣旨と課題については、経済産業省大臣官房審 議官で、DND企画連載「志本主義のススメ」の筆者、石黒憲彦さんが本日アッ プした第71回「イノベーション25への期待」という「論点」で明確に示してい ますので、ご参考にしてください。



●朝日新聞夕刊「人・脈・記」の秀逸記事
 まあ、メディアの批判は、もうこの辺で抑えて、逆に是非、ご紹介したいのは、 昨日夕刊からスタートした朝日新聞のドキュメント企画「ニッポン人・脈・記」 の「ものづくりの力」。資源のない日本が高度成長を遂げたのは、「ものづく り」の力に負うところが大きい。バブル崩壊後の長期低迷から抜け出した経済を、 今も、これからも左右する。その力の源泉はどこにあるのか。現場の技術者や研 究者を訪ねた〜(田中郁也記者)。



●橋本和仁氏、藤嶋昭氏、そして渡部俊也氏の晴やかさ
 で、第2回目の昨日の夕刊は、1989年、東大工学部。着任したての新米講師だ った橋本和仁(51、はしもと・かずひと)は、学内のトイレを見ながら考えてい た〜という書き出しで、主任教授の藤嶋昭(64、ふじしま・あきら)、研究室の 学生のつてで、TOTO基礎研究所の渡部俊也(47、わたなべ・としや)らが登 場して、光触媒技術をテーマに始まった東大・藤嶋研究室とTOTOとの共同研 究はいま、産学連携の成功例にあげられる、とし、東大とTOTOとの連携から 15年。藤嶋は、神奈川科学技術アカデミー理事長として光触媒の束ね役を務める。 東大先端科学技術研究センターの所長となった橋本は、環境分野への応用に力を そそぐ。渡部は、橋本の誘いで東大教授に転身し、特許をはじめ知的財産の研究 にも取組む−とそれぞれのキャリアな展開を紹介していました。


そして、最近の連携ブームに、橋本はあえて疑問を投げかける、として、「い まは大学発の成果を『いかに売るか』に偏りがち。もっと『育てる』機能を大切 にすべきではないか」という言葉を引用していました。


日本の産学連携は不遇の時代が長かった〜というところでは、首都大学東京学 長の西澤潤一さんが、東北大学時代に半導体レーザーや光ファイバーの特許出願 をめぐる日本企業の苦い思い出を披瀝していました。まあ、誰を取り上げるか、 シリーズの興味や内容は、田中記者の筆の冴えや構成の上手さもあるが、やはり、 登場人物の確かさというところに落ち着くのでしょうか。安心して読んで、切り 抜いています。さて、本日夕刊は〜。楽しみです。



●全国大学発ベンチャー北海道フォーラムへの喝采
 さて、さて〜札幌から帰って、デジカメのファイルを再生モードに切り換えて ファインダーをのぞくと、豊かな白い髪を後ろに束ねたゲストの堀場雅夫さんが 大写しになり、次ぎの画面では、堀場さんが北大学長の中村睦男さん、北大経済 学部教授の浜田康行さんの間に入って、肩に手を回してにこやかな表情を浮かべ ていました。


パネラーの日本ベンチャー学会創設者で前会長の清成忠男さん、産学連携学会 長の荒磯恒久さんが並んでポーズを取っていました。北海道経済産業局長の深野 弘行さん、読売新聞執行役員北海道支社長の浅海保さんらの顔も晴やかでした。 東京から大学連携推進課長の吉澤雅隆さん、アンジェスMG代表取締役社長の山 田英さん、裏舞台でこのフォーラムを支えてきた北海道経済産業局の産学連携室 長の赤繁博規さん、係長の佐々木信之さんも、満足な表情でした。整理して焼き 付けて送りますから、楽しみにしてください。それが、やがて‥。


机の上に記念の写真が一枚、時はめぐって20年後、何がどうなっていくかわか りません。北海道の地場から大学発ベンチャーが1000社を超えるかもしれません。 例えばですよ、例えば‥(笑い)。新たな歴史を拓く、その1ページに誰が、どう 動いていたのか?そこをたゆまずしっかりウオッチし、記録に留める−という役 割がある、と私は強く認識しています。良くも悪くも‥。


前ふりが長くなってしまいましたが、舞台は、紅葉がときめく晩秋の北の大地、 そこは木枯らしが吹いて、青空、俄かに冷たい時雨、窓を激しく打って、そして 44年ぶりに遅い初雪という破天の札幌でした。


第1回目の全国大学発ベンチャー北海道フォーラムはこの10日、11日の両日、 札幌市のホテルや北大キャンパスのクラーク会館などを会場に開催されました。 道内外から300人近い参加者がありました。実行委員長は、前段で読売新聞の 「論点」に僕が文句をつけた浜田さんでした。このイベントは、逆によく仕上げ てくださったと思います。


メーンのスピーカーは、DNDのベストスピーカーに選ばれた堀場製作所の堀 場さんでした。本家、元祖、そして京都大学発ベンチャーの家元って、僕は呼ん でいます。今回も秀逸でした。ユーモアを交えて、経済産業省への期待を込めて、 いくつかの叱咤もありましたが、地方が経済的に自立し活力を生んでいく今後目 指すべき「地方主権国家」の構築には、大学発ベンチャーの存在は不可欠だ、と して強い期待を寄せていました。



●大学発ベンチャー本家、元祖、そして家元・堀場会長の雄弁
 堀場さんは、この日は札幌3日目、知的クラスター関連のシンポでも総括講演 をされていましたが、この日は、なぜ、いま大学発ベンチャーなのか〜と自問し、 その答えの導き方は、若い学生に話しかけるようなやわらかな口調で、切々とし ていましたね。


「21世紀の日本は、地方分散、地方分権っていうのは嫌い、分権なら東京中 心の発想は変わらない。地方主権でなければならないし、地方主権国家を創ると いう意味は、経済的に自主独立して初めて『地方主権』。地方から活力を生む、 ということです」。


「地域に根ざした新しいビジネス、第2創業でもいい。活力を持ち、利益を生 む、株主や従業員に利益を還元し、法人税や地方税を払って、それが回って再投 資されていく。それには、ローカルにある大学の『知』、それと地元の土地には 伝統の『知』がその土壌に含まれており、その知と知、そこからベンチャーが創 出される。大学の存在、それはベンチャー創出において極めて大きい」


「各地のローカルのそれぞれの地場で、新しい企業を起すことが大事だと思う。 21世紀はどういう社会か。綱引きなら1人の大学生は100人の幼稚園児に決し て勝てない。しかし、微分積分や方程式は、園児1000人集まっても1人の大学生 に勝てません。量で質をかわす物理的パワーから、質は量でカバーできない、知 が財産となる知的パワーの時代です。大学発ベンチャーがその大きな役割を担っ て。(中略)情報化の進展で世界中から物を調達する時代です。インターネットで 検索すれば、これまで3倍の値段で高く買っていたことがわかったりします。凄 い流通の革命が起きている。世界のマーケットを考えずしてこれからのビジネス は成り立たない」


「モノがないから何を作っても売れた。作るための材料がない、金がない、設 備がない、電力がないっていう時代。スタートは停電からビジネスチャンスが生 まれた。需要の少ない昼間に充電して夜使う、充電器を作ったら大ヒットして自 分の好きな研究ができた。モノが溢れて、みんなお腹いっぱい。一流の板前は、 客の顔を見て、さっと、おいしい物を作って出す。その客の潜在需要を見抜いて サービスする、ベンチャーとはそういうもので、そこを大学発ベンチャーが狙う べき道である」


「頭のいい人に限って金もマーケットも持たず失敗していく。自分の力で1000 万円、2000万円集められない人は、売ることはできません。(中略)米国の場合 は、1回2回失敗してどんな顔しているか、シレッとして再起にかけます。七転び 八起きですが、日本は一転アウト、だから優秀な人が再起できるシステムが必要 です。ベンチャーを育てよう〜」。


ところどころ、抜粋してみました。僕のメモですから、不確かな点はご容赦く ださい。堀場さんからは、大学発ベンチャー創出の役割、それに意義、さらにそ のポイントが具体的に示されていました。講演の締めには、「おもしろおかし く」という堀場さんが色紙に書く社是の意味とその経緯について触れていました。 あっという間の60分でした。


堀場さんの講演に先立って、深野局長が北海道の大学発ベンチャー創出の勢い が出ているが、いまその踊り場にあって「今回のフォーラムや堀場会長のご講演 などをヒントに課題解決の道を拓いていくことを期待したい」と挨拶し、浅海支 社長は、読売新聞がこのフォーラムにかかわる事の趣旨について「報道するこ と」とまず前提に、「(経済の起爆剤となる)熱い視線を忘れさせない」、「研 究、活用のスピードを上げる」、「情報開示、研究者と企業のオープン場が必 要」の3点を強調していました。


今回は、読売新聞、北大、それに北海道経済産業局が主催に入り、新たなタッ グでの挑戦でしたね。深野さんに浅海さん、う〜む、この主催のトップの名前が シンクロしていて、「深」に「浅」、「野」に「海」。しっかり連携し、それぞれ持 ち場を分担して、協力体制を敷いていたようです。


読売新聞は、記事で連載し、まあ、記事内容に幾分、大学発ベンチャーへの苦 言が目立って説明不足の印象があったものの、その勢力的な取材姿勢は、評価さ れることでしょう。28日付の読売新聞では、見開き2ページでこの北海道フ ォーラムを特集する予定ですので、楽しみです。翌日のパネルや分科会は、新聞 に掲載を期待しましょう。全国紙の、こうした動きは、新しくとっても重要です。 が、大学発ベンチャーを北海道や一部、地域に限定しないで、幅広く全国をウオ ッチして欲しいという声も耳にしました。


例えば、ある連載記事では〜。経済産業省の基礎調査を例に、「黒字を続け、 累積の損失も返上したのは49社と(回答の)17%しかなく、多くは苦境にもが いている実情だ」って指摘していましたが、大学発ベンチャーの業種にもよりま すが、研究開発型のバイオベンチャーは、例えばアンジェスMGのケースは売上 25億円、研究開発投資はここずっと37億円規模で推移していて、それは、そ れは、苦境にもがいているんじゃなくて、そういう前提のビジネスであることを も理解しないと、安易に「安定成長の企業まだ少ない」という見出しに陥ってし まいます。きっと、大学発ベンチャーはこの先ずっと「安定成長の企業は少な い」と思いますが、だからダメなんじゃない。助成金も北海道にはドーンとつぎ 込まれているようですけれど、まだまだ全国的には少ない。それはNEDO企画 調整部長の橋本正洋さんの本日の連載にきっちり書き込んでいますので、どうぞ、 そこにもご注目ください。


●魔法の記憶装置
 さて、講演会場の京王プラザホテル地下1階から懇親会会場の2階へ。当初の 予想を上回り、大盛況です。堀場さんは、もうひとりひとり名刺を交わし、質問 に応えて、大勢の輪の中心にいました。冒頭のように、さっと行って、「会長、 写真撮りま〜す」って声をかけると、柔和な顔を浮かべ周りの人、中村学長や、 深野局長の肩に手を回してポーズをとっていました。


呼吸を鎮めてファインダーから指先に伝わる、この一瞬、その一枚の手応えの 感触が、たまらなく面白い。辺りの雰囲気から何か時代の動きを掴んで、表情か らは幾多の人生の深奥を浮き上がらせて、そして紅葉の戸外では風の色も取り込 んで映し出し、それらをみんな数a四方のコンパクトフラッシュのメモリーに封 印する、デジカメは、まるで魔法の記憶装置です。



●麗しきプレーヤーの面々
 会場で、「出口さんが来るってメルマガでみたから来ました」って嬉しい言葉 を投げかけてくれたのは帯広畜産大学の産学連携コーディネータで自らベンチ ャーを設立した田中一郎さん、NEDOフェローの藤倉雄司さんとご一緒でした。


北見工業大学からはいつも微笑みを絶やさないスレンダーな美人の内島典子さ ん、NEDOフェローOGで生まれ育った北見で頑張っているんですね。ひとき わ目立つのは、小樽商科大学で大学発ベンチャー14社設立に関与した実績の瀬戸 篤さんでした。その夜、ご一緒の約束をしていながら不測の騒ぎに巻き込まれて 失念してしまいました。すみません。


「その節は‥」とは、初期の立ち上げから北海道TLO取締役の重責を果たし 切った、末富弘さんは、現在、北洋銀行の新規事業支援室長に。もう3年ぶりの 再会で、第2回日本バイオベンチャー大賞受賞の(株)ジェネッティックラボの 前社長の西村訓弘さんは、三重大学医学部特命教授に転身されて産学連携医学研 究推進を担う、という。今度、三重での西村さんの活躍をご報告することになる と思います。岩見沢で踏ん張る、ネーチャーテクノロジー社長の刈田貴弘さんも ロビーで「ああっ!出口さん〜」。


みんな素敵な人たちです。彼らがトップランナーであり、大学発ベンチャー、 産学官連携、地域社会貢献、それに大学の研究成果の活用からイノベーション創 出に至る幅広いフィールドでの屋台骨を支えていらっしゃる、有能で、高学歴で 若くて、「志」の高いプレイヤーです。講演では引っ張りだこだし、プレゼンも 上手いし原稿も書く。「大学発ベンチャー」の舞台に新たな人材の波が陸続と誕 生し、転籍し、参入していることに着目したい。


まあ、「補助金頼み」、「57%が赤字」、「市場が定まらない」、「営業が 下手」っていう風に指摘する評論家気取りのビロンガーより、実際にベンチャー をハンドリングしている彼らの方が、遥かに尊い存在であることは、間違いない ですよね。



●イノベーション25戦略サミットは20日開催へ
 イノベーション25戦略会議への緊急提言では、前内閣大臣官房審議官の塩沢文 朗さんが参戦です。産学官連携推進会議やサミットを精力的にプロデュースされ ていました。第6回の本年は、20日に東京・赤坂プリンスホテルで開催です。 「日本の経済成長に貢献するイノベーションの創造に向けて、産学官の役割と連 携の新たな展開について議論する」という。もうイノベーション一色で、イノ ベーション25戦略会議会長の黒川清さんの仕切るパネルデッスカッションは見逃 せませんね。


あややっ〜長くなってごめんなさい。今回で199回目のメルマガでした。そ してユーザー登録は8880人。この4年の成果です。


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