◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2006/3/22 http://dndi.jp/

「世界一の王」にサクラ咲く

DND事務局の出口です。いままでのいくつもの優勝より、今回の優勝が一番嬉 しい、そう言って涙ぐんでいた王さん、夢の胴上げでは、両手を大きく広げて満 面笑みを浮かべていました。


 それは、現役時代の王さんがホームラン世界記録を達成してホームを踏んだ、 あの絵柄と同じく見えました。両手の角度は、グリコのキャラクターのように左 右対称で、人柄でしょうか、律儀そのものでした。あの時は、一人でしたが、今 回は王さんを慕う若い選手と一緒でした。宙に舞いながら王さんの脳裏に何が浮 かんでいたのでしょうか。


 しかし、それにしても、期待から落胆、と思えば希望が湧いて、そして最後は、 幸せな結末へと展開し、そんな筋書きのない感動のドラマを創る、どうも王さん という人は、いつも観客をハラハラさせながら波乱の舞台に引き込んで魅せる、 超一流のエンタテナーかもしれない。


 「日本、世界一」。野球のWBC決勝の実況中継に興奮し、その余韻が覚めやら ぬようです。今朝は駅売店で派手な見出しのスポーツ新聞が飛ぶように売れてい ました。僕も数紙、まとめて買っちゃいました。


 「王が舞い、イチローが弾け、日本が揺れた」と日刊スポーツ。その感動はな んども見たい、さらに詳しく知りたい。ちょっと前までの、偽りの連鎖で重く沈 んだニッポン、その暗いムードを一変させたようです。その日、東京のサクラに ひと足早く開花宣言が出たのも、偶然じゃない。誰も彼も、じっとしていられな い気分でした。


 日本の野球が、世界のベースボールになった、というのもいい。尊敬する監督 をなんとしても世界の頂点に立たせたい、というのも泣けました。偉大な監督の 言葉が僕に勇気を与えてくれました、というのも感動的なコメントでした。日の 丸の旗が、抱き合う王監督とイチロー選手を包み込むようなシーンの映像が流れ て、「日本」の2文字がメーンに躍り出たような印象を受けました。


 しかし、やっぱり、本命は、監督の王貞治かな。人生の総仕上げに、こんな栄 冠を手にするなんて、野球の神様も粋なご褒美を用意するものです。対米国戦で 飛球のタッチアップを巡るセーフ判定の不正な覆し審判に、王さん、首を捻りな がら左手をくるくる回して抗議に向かっていきました。


 「野球がスタートしたアメリカでそんなことがあってはならない」と控えめな 表現ながら無念さを滲ませていましたね。それは日本チームの敗因を招いたとい う、次元に留まらない。目標としてきた国、ベースボール発祥のアメリカ正義へ の期待であり、公正であるべきスポーツ全般の行く末を案じていたからかもしれ ません。国籍、言語、宗教を超えて、努力すれば誰でも世界一になれる、という 多くのスポーツ少年の夢を汚してはならない、とする王さんの強い意志が感じら れました。


 天声人語は、「目の前が暗くなるようなことがあっても、いつかは光が差し込 んでくることがある。決してあきらめずにいれば、最後には勝利をつかめるかも しれないということを、日本チームは身をもって示した」と評価し、結びに王さ んをこう称えていました。


 〜選手それぞれを生かし切った「世界の王」が、「世界一の王」となってグラウンドに舞った。晴やかな顔に刻まれた年齢が、いぶし銀のように輝いていた〜。


 生かし切る、って言えば、英語辞書にeduceを訳して「潜在する能力や個性を 引き出す」とあり、教育の意味のeducationの語源という。選手を信頼し、ちゃ んと評価し、激励し続けた王さん。


 イチローが「野球人としての品格たけている人。ただ単に数字を残した人じゃ ない」と言えば、王さんは、イチローについて「どちらかと言うと、彼は個人主 義的と見られていた。WBCに参加して、彼の熱いものが日本の人たちにも伝わっ たでしょう」と、その本質をズバリ、見抜いて評していました。


追伸:さて、幾つかお知らせが届いていますので、ご案内します。



【松井純さん、三重大学創造開発研究センター産学官連携コーディネータ】


 「ご無沙汰致しております。ご活躍のことと存じます。また、いつもありがと うございます。さて、以前にご紹介申し上げました『ウエルネスの旅』に続く、 第二弾『グルメディカルツアー:美味しいC型肝炎治療食の旅(豪華!鉄制限食 メニュー)』を志摩観光ホテルにて、3月26,27日に1泊3食で行います。 50名限定のところ、応募者多数のため63名が参加されることになりました。 後はお断り致しました。遠くは、埼玉、千葉、東京からおみえです。


 このツアーは、三重大学肝臓内科、栄養指導管理室が主催し、C型肝炎患者に 鉄制限食をお勧めするものです。慶應大学加藤教授、三重大学垣内助教授のセミ ナーを開催し、管理栄養士とシェフによる料理談義もあります。また、患者さん への相談コーナーをつくり、夜のひとときを有意義にお過ごし頂きます。


 このツアーに関わる、昌栄印刷(株)の高井さんをぜひご紹介したいので、上 京致しました折にはお邪魔致したく存じます。何とぞよろしくお願い申し上げま す」。


 これは三重大学と地元の鳥羽市との連携による地域活性化策の第2弾。松井さ ん、いつも懸命ですね。この時期、全国で活躍のコーディネータの皆さんが事業 の終了と伴に契約期限が切れて、「失業する」ケースも少なくありません。松井 さんは、大丈夫でしょうか。先日、福井大学での研究成果発表会に顔を出しまし たら、総合司会役の、やはり(財)ふくい産業支援センターのコーディネータ、 出水孝明さんもこの3月で任期切れ、あれこれ知人、友人の紹介で近畿圏の他の 県に動く、という。さて、全国に身分が定まらない若いコーディネータがどのく らいの数に上るのでしょうか。



 【妹尾堅一郎さん、@東大先端研/NPO産学連携推進機構】
(妹尾さんの表記のままです)。


 「銀座松坂屋(7F展示場)で、私が理事長を勤めます『NPO産学連携推進機 構』主催の『サイエンスウイーク』を開きます。以下の予定です。


★3/22(水)23(木)「雷フェスタin 銀座2006」
★3/25(土)26(日)「ロボットフェスタin 銀座2006」
http://www.akibatechnopark.jp/project/ginza.html
http://www.matsuzakaya.co.jp/ginza/fair/m060314.html
 雷フェスタは、私が座長を務める『雷害リスク低減コンソーシアム』が主体と なって、雷の恐さ、美しさ、面白さ等をお伝えするイベントです。不肖私の 初のCDも販売されます。ロボットフェスタは、昨秋に秋葉原で開催した『アキ バロボット文化祭2005』が大好評で、銀座に進出するものです。ロボットの台数 も倍近くなりました。また、ロボット組み立て教室もありますので、春休みにご 家族等でお楽しみいただければと思います」。


 妹尾さん、毎回興味をそそる企画です。秋葉原から銀座へ勢力を拡大中ですね。



【渡辺洋行さん、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)情報・産業研究部プロジェクトリーダー】


 「22日午後、(独)情報通信研究機構、首都圏情報ベンチャーフォーラム (デジタルコンテンツ協会)が主催となり、東京・六本木ヒルズ・アカデミーヒ ルズ40階キャラントBを会場に、IT・コンテンツベンチャー支援のための、 「ベンチャー企業のアライアンス」をテーマに意欲的なセミナーを行います。人 気があってもう定員200人は突破し、満員御礼ですが、是非、その様子をメル マガで紹介していただけませんか」。


 う〜む。渡辺さん、22日は、魔の水曜日。メルマガ配信の段取りで終日、オ フィスで動きが取れません。ごめんなさい。さて、もう、今頃は、渡辺さんがモ デレータで、最初のセッション、「情報通信ベンチャーが勝ち抜くために必要な 経営〜こうして彼らは大手企業とのアライアンスを勝ち取った」が始まっていま す。実践的で、有益な内容ですね。パネリストを少し紹介しますと、川端一生氏 (エイチアイ社長兼CEO)、近藤秀和氏(Lunascape代表兼CEO)、福野泰 介氏(jig.jp社長兼技術責任者)という顔ぶれです。セッションはあと二つ、若 手起業家らが続々登場する予定です。



【牧内節男さん、元毎日新聞社編集局長、ウッブ上の銀座一丁目新聞を主宰】


「メールと原稿17日拝見しました。ちょっとほめすぎです。山本君の本の出版 祝いが4月22日午後6時、新浦安オリエンタルホテル1偕マーガレットで開か れます。よかったら出席しませんか。幹事にいっておきます。会費は7000円 です。杉山君の『御意見無用』は20日の月曜日に送ります」。


 嬉しいですね。前回のメルマガに対して、新聞記者の大先輩、牧内さんから、 こんなお誘いのメール。それに、なんとしても欲しかった、杉山さんの本にも触 れられて、「送る」という。そしてワクワクしていたら、さっき、届きました。 涙が出るほど嬉しい。もう誰にも渡しません。本をめくると、『御意見無用。 康』と、勢いのある杉山さんの筆字。ちょっと荒々しく怖いくらい迫力がありま す。そして、次は、カラー写真、生前の杉山さんが山の雪渓を背景に映っていま した。映画「ローマの休日」で新聞記者役の名優、グレゴリー・ペック似の端正 で甘いマスク、にこやかな笑みを浮かべていました。


 嬉しい、嬉しい、こんな嬉しい事はありません。僕にも「サクラサク」の吉報 が届いたようです。さっそく牧内さんのところに御礼に行かなくっちゃ。


 どうぞ、皆さんにもたくさんのいいことがありますように〜ルンルン。




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