◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2004/ 6/30 http://dndi.jp/

「一行力」と「気づき力」

DND事務局の出口です。いまさらマイブームなんて気取ってみても、たかが趣味というより、単純に興味がある‐程度なのですが、それをじっと胸の内に秘めておけばいいものを、ついつい書いてしまうんですね。O型のうお座。世話好きで自己顕示が強いのかも知れません。


朝から関東周辺は、雨で、時折、雷が鳴り響いていました。首都に向かう幹線は渋滞。マイカー通勤は、普段の倍の2時間を要しました。が、お気に入りは、ニッポン放送のエースアナウンサー・うえちゃん、がパーソナリティーをつとめる「うえやなぎまさひこのサプライズ」(AM8:30〜11:00)。


雨ですから、滑りやすい足元に注意してください‐なんて、現場で働くリスナーへの気配りを忘れない。まあ、マニュアルでは処しきれない人間への理解の深さを、随所に、それもさりげなく聴かせてくれますから、アドリブの達人‐と、いつも感心させられています。丸みのある、耳にやさしい声から想像して、う〜む、俳優の榎木孝明さんをイメージしていたら、ちょっと違って、「スポーツジムの後のビールが大好き」(ホームページのプロフールから引用)という野性味のあるナイスな中年?(失礼) で、「サプライズ!」。一度、聴いてみてください。はまりますよ。


その番組に電話でゲスト出演の岩永嘉弘さん、広告制作のコピーライターであり、ネーミングの第一人者なのですが、心臓疾患の手術の自らの体験での医者とのやり取りを回想して、「頑張らないでください、私たちが頑張ります」との担当医の口から出た「言葉」の強さ、その重み、そしてその確かさを紹介していました。


近著に「一行力」(草思社)。はしがきを読み進むと、ちょっと手前みそですが‐と前置きして、本書の後半には、こうした一行、あるいはネーミングをどうやって作ったらいいか、簡単なノウハウを記しました。ものごとを凝縮するコツがつかめたら、コミュニケーションの武器になるでしょう。気の利いたキャッチフレーズ作りができれば、仕事にも恋愛にも役立つことでしょう‐と述べて、「言葉を磨かずんば、暮らし楽しからずや。」と、その一行力の威力を見せつけています。


一行力(いちぎょうりょく)のネーミングにその思考の冴えを思い知らされた感じです。ひょっとして、「〜サプライズ」の番組タイトルも岩永さんの作品なのでしょうか?帯びに「百文は一行に如かず」、そして「たった一行が世界を変える!」とありました。言葉のマジシャン・岩永さんに、脱帽です。わが身、メルマガの一行一行を大切にしなければいけないー‐と反省させられました。


ベンチャービジネスの世界に、そういったネーミングの知恵や妙案が役立てられれば、技術や特許、ビジネスモデル、マーケッティングが、より大きな成果を生むに違いない。


面白い話題をいくつか紹介します。「凛として」の連載は、本日、産経新聞朝刊中面の人物企画、ドラッグストアの雄、「マツモトキヨシ」の創業者、松本清さんシリーズの3回目のサル騒動は、いやあ、これまた感心しつつ、爆笑ものでした。


要約すると‐昭和の初め、清は三越にでかけてサルを買い、檻に入れて店前に置いた。松本薬局は「サルのいる薬局」として有名になり、子供たちが集まってきた。清は、「サルにひっかかれると危ないので、必ず親と一緒に見に来るように」と小学校の校長に頼んだ。校長は、親切な薬局と思い朝礼で、「保護者同伴でいくように」と話した。学校が店の宣伝をしてくれた。親がくれば、何か商品をひとつは買ってくれる」と見抜いた‐。


そのサル。ある日、逃げ出してしまい、町の大騒動になった。清はさっそく警察に届け出て、町中に「薬局のサルが逃げたので注意を」との知らせが回った‐という。「人のフンドシで相撲を取れ!」とのアイディア商法を結実させた清さんのエピソドなのですが、取材が丹念で、文章のテンポもよく、なかなかの読み物に仕上がっています。時間と労力を惜しまない‐いいものは共通しています。


楽しみにしている映画があります。鳥の群れが魚を追って海中深く舞う。光のない世界でいきる幻想的な発光生物。クジラの親子とシャチの攻防‥「ディープ・ブルー」(原題、DEEP BLUE,イギリス・ドイツ)。製作7年、ロケ地200ケ所、そして撮影時間7000時間、20もの撮影チーム、プロのカメラマンの命がけの実写というから、奇跡と執念の海洋ドキュメンタリーとの評判は、本物のようです。BGMは、映画音楽を始めて引き受けたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。冒頭からクライマックスの連続という91分の海洋ドキュメンタリーは、7月17日から順次、公開予定です。


もうひとつ。


右の目には刀傷、左手だけで愛刀・濡れ燕を操る「姓は丹下、名は左膳」―とくれば、往年の名優が演じてきた「丹下左膳」ですが、今晩、日本テレビ系列の大型時代劇スペシャル(午後9〜11:14)で、放映されます。主演は、人気の歌舞伎役者、中村獅童さん。繰り返し放送される予告での獅童さん、案外、はまり役かもしれません。


ラジオ、新聞、テレビ、映画‥作り手が、見る側、聴く側のスタンスに立って、「気づく力」(月刊プレジデント7・19号)で指摘の、大切なことを見過ごさない。


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