◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2003/10/15 http://dndi.jp

コーディネータの人間力

DND事務局の出口です。人間力って?この問いには、それはまぁ、さまざまな切り口やらアプローチがあるはずです。産学官連携の取り組みの現場を渡り歩いてみると、必ずといっていいくらいに、話題になります。それを考えるヒントをひとつ。


「コーディネータネットワーク推進つくば会議〜産学官連携とコーディネータ」を主題にしたシンポジュームが昨日、茨城県つくば市にあるつくば研究支援センターを会場に開催されました。東に筑波宇宙センター、南に産業技術総合研究所筑波センター、北には筑波大学と建築研究所があり、知を集積した学園都市だけあって、全国各地から、まさにインテリジェンスなコーディネータの方々を中心に150人が集まりました。


DNDのスタート段階からお世話になっている工学博士の後藤和弘さん、国際大学グローコム研究所からつくば研究支援センターへ転進されての参加、筑波大学大学院の修士課程に学ぶ経済産業省の国内留学組の林慎一郎さんらの懐かしい顔も散見されました。


発起人の一人、科学技術コーディネータの江原秀敏さんが冒頭、開催趣旨に触れ、「(コーディネータの)われわれは、何をすべき存在であるか、何を道具として業務を行い、何に悩み、それをどう解決していけばいいのか?」との問題提起をされていました。結構、重いテーマです。


パネラーは5人。産総研でベンチャー支援アドバイザーのベテラン、本田皓一さんは「つくばに10人を含め、全国に29人、スピードを上げて、より多くの貢献をしていきたい」と語り、筑波大学知財統括本部の技術移転マネージャーの藤田尚徳さんは、「自分の築いたネットワークに頼らざるをえない。直感力というか、臭覚があることでしょうか」と、民間から大学への移籍というキャリアからの至言です。


自らバイオベンチャーの役員を担い、地元つくば市の産業コーディネータの橋本明さんは、ずばり、「人間力ですね。よく話をきくことです。それと人間が好きというのが、ポイントでしょうか」と指摘されていました。紅一点のつくば研究支援センターのインキュベーションマネジャーの石塚万里さんは「支援する側の立場に身を置く」と若いながら、感性が光る。


「まったく同感です」と石塚さんに賛意を表したのが、この日メーンの基調講演をされた電機通信大学TLOの(株)キャンパスクリエイト社長の安田耕平さん。認定TLOの先駆けであり、株主への配当を実施している手腕の評価は高い。


同大学の客員教授で、同大学院情報ネットワーク学専攻の学徒。日常のありのままの姿がマルチで多面的、生来コーディネータの資質を兼ね備えているように見受けられました。還暦の年輪を重ねた発言に含蓄があります。「己を知って敵を知る」。社員には、「300万の契約を取って来い。稼がないで、会社に何をしにきているのか!」と激を飛ばすようです。知的人脈を惜しまず、技術評価から一歩進んで、ビジネス性の評価を前面に押し出した安田さん。いい味を出していました。いぶし銀の譬えが似合う数少ない存在です。


夕刻の交流会。エンジン全開の趣で、ちょっと張り切ってしまいました。不慣れな場所での不確かな知識をひっさげての、参加ですから、地味に目立たぬようにしていよう−と心に決めていたのですが、気が付いたら、テンションをあげていました。猛省。さて、コーディネータとしての振る舞いはいかがでしたでしょうか?ひょっとして、こんなところで人間力が試されるのかもしれません。帰り際、出口に目ざとく飛んできた、茨城県商工労働部長の滝本徹さん。この人のお陰です。


「菊づくり菊みる時は陰の人」


「菊根分けあとは自分の土で咲け」(吉川英治) 


記憶を記録に!DNDメディア塾
http://dndi.jp/media/index.html

このコラムへのご意見や、感想は以下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
DND(デジタル ニューディール事務局)メルマガ担当 dndmail@dndi.jp