◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2003/ 7/30 http://dndi.jp

肖像権ビジネス

−日本が主戦場

DND事務局の出口です。「近況報告」と題した一通のメールが届き、発信者のアドレスの文字「akagi@〜」を見て、ハッとした。赤木裕喜さんからです。


「先日来の地震で、ご心配をおかけしております。家族全員無事です。お電話いただいた方には応対もできずに申し訳なく存じます」とあり、続けて「今後も大きな地震の予測がありますが、これも運命と考えています。皆様も日ごろの備えを見直してください」との気遣いをみせていただきました。


震度6の揺れが3度、依然と余震が頻発し、復旧作業が急がれる宮城県仙台市からの報告とはいえ、その通りです。いつ、自分の周辺がテレビに大写しになるか、しれません。予告なしですから用心が肝心です。


赤木さんは、東北学院大学教養学部に在籍し、スポーツビジネスのベンチャーを設立しております。DNDのスタート段階からのユーザーで、電子会議室の開設を通じて、「是非、DNDベンチャーを」と活動されています。スポーツ産業の活性化とマネージメント事業を狙っています。


折りしも、水泳の世界選手権開催のバルセロナから北島康介の「世界新記録で2冠制覇」の朗報が飛び込んでくる。その朝の日経朝刊は「白熱スポーツ肖像権ビジネス」の連載をスタートさせた。「スポーツ選手のイメージライツ(肖像権)をめぐるビジネスの動きが急だ。日本を巻き込んで米国、欧州の大競争の構図ができあがる一方で、国内では権利の所有をめぐってスポーツ団体と選手がせめぎあっている」−という。


イタリアで活躍するサッカーの中田英寿。そのマネージメントを担うサニーサイドアップ社に北島も所属した−と伝えている。選手の映像、写真、名前、声、サイン、似顔絵、背番号などありとあらゆるイメージを商品化し売ることに躍起になる−とサッカーの稲本潤一の代理人の言葉を引用して、スポーツの肖像権ビジネスの背景を説明しています。


そのビジネスの頂点に君臨するイングランド代表主将のデービッド・ベッカムを49億円でマンチェスター・ユナイテッドから買い取ったレアル・マドリードの戦略。彼を世界市場開拓の切り札にするのだそうだ。そのお披露目が8月上旬から北京に続いて、日本にもくる。


東京メトロポリタンテレビ(MXTV)がベッカムの練習風景を実況するというから、日経に記事にあるように、市場開拓といってもサッカーが米国で、逆に野球が欧州で隆盛になりにくい、だから、米・欧の覇権争いの決戦の舞台が日本、そしてアジアになることを予感させる−いうのは、説得力がある。


ふらり、そんなイメージライツの行く末をぼんやり、考えていながら本屋に立ち寄ると、そこに赤と白の斬新な表紙の雑誌が目に止まった。「Right Now」(税務経理協会発行)。日本初!知的財産活用のビジネス誌とのセールストークをひっさげての創刊号でした。


ここでも「スポーツという名の巨大ビジネス」の特集を展開していました。独立行政法人経済産業研究所の広瀬一郎上席研究員の20ページに及ぶ力作です。どうも、スポーツの世界のライツ、マネージメントから目が離せない状況にあるようです。


その雑誌をつらつらめくっていくと、「知財立国」をめざして−と題した荒井寿光氏(内閣官房知的財産戦略推進事務局長 内閣参事官)の私見的な主張には手ごたえがありました。政府の知財改革を解説しながら、以下の主張は明快です。


「多くの人は日本は特許大国と思っている。確かに出願大国だが、実は特許大国ではない」、「司法と行政のキャッチボール、知財訴訟の残酷物語、技術がわからない裁判官、被害者に不利な訴訟手続きなど日本の司法問題は実に根が深い」、「ベンチャー企業や個人にとって、(特許庁の)審査が遅延している現状は、無数の地雷が埋め込まれているようなものであり、起業を困難にしている大きな要因、遅い審査は起業の芽を摘み、日本全体の国富を大きく減少させている」などなど。


タイトルが地味だから、つい読み過ごしてしまいかねないが、荒井氏の本音のところは大いに共感します。


東京の新名所・六本木ヒルズ森タワー49階で9月8日(月),9日(火)両日に「知財立国の新たな秩序と発展を目指して」の日経知的財産フォーラムが開催されます。その荒井氏が基調講演を予定しています。詳細は http://www.nikkei-ip.jp/。参加無料、事前登録制。


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