◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2003/ 5/28 http://dndi.jp

「感動する心を失わない」−の初心

DND事務局の出口です。もう、10年も前の話で、いまだに心に刻み込んだままのエピソードをひとつ。フジテレビの現会長で当時社長の日枝久さんが新入社員向けの挨拶で披露した主題が、「マスコミ人にとって何が必要か」でした。結論からいえば、「感動する心を失わない」。いわば、中高年の不倫小説をモチーフにした映画「マディソン郡の橋」が、なぜ、これほど全米で話題となったのか?その舞台の橋が最近、焼失したのは、残念なことですが、私自身も主演のメリル・ストリーブ演じるフランチャスカのトラック助手席からの別れのシーンが脳裏から離れません。


日枝さんは、続けて、なぜ、尾崎豊があれほど若者の心をつかみ、そして離さないのか?の例を引き合いに、「感動」の2文字の大切さを伝えていました。やはり、テレビ局の社長の話は一味番う−と当時、感じ入っていました。


その思いを甦らせてくれたのは、この数日マスコミに登場した3人。卓球の世界選手権でベスト8入りを果たした愛ちゃんこと、福原愛さん。世界ランク91位の14歳。準々決勝では同1位との対戦でしたから、いやあ、立派。幼少のころの負けて泣きじゃくる愛ちゃんがつい、昨日のようで、そのあどけなさが、切なくもある。25日のNHKサンデースポーツには、昨年9月からAround Alone単独世界1週ヨットレースに出場し、無事、凱旋した白石康次郎さんを特集しました。白石さんの「成功するまでがんばれば、成功する」−とのメッセージが多くの青少年を勇気付けています。航行距離5000キロ、235日の過酷なレースを応援したのが、母校の横浜国立大付属鎌倉小学校の児童でした。校庭で日焼けした白石さんを迎え、囲む児童たち。錦を飾る36歳、いい場面でした。


彫刻家の舟越桂さん。東京都現代美術館(〜6月22日)での個展をモチーフに、その番組は、舟越さんの製作現場に入る。楠をノミで削る人物の半身彫刻です。「永遠の仔」の本の表紙でも話題になりましたが、リアルだが透明感を感じさせます。巡回は、栃木県立美術館、旭川美術館、高松市美術館、広島市現代美術館、岩手県立美術館と続きます。岩手といえば、先の地震、大変でしたね、心配していました。大丈夫でしたでしょうか?


舟越さんは、彫刻家の父親の影響で、「彫刻家になろう―という明確な動機が、薄いといか、ないんです」と話していました。


全国の街々で、「道を極める」無名の人が、多くの人に「感動」を与えているに違いありません。その陰には、きっと、それを支える家族や友人や仲間がいるはずです。DNDは、そういう存在でありたい−と素直に思います。


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