◆ DND大学発ベンチャー支援情報 ◆ 2003/ 4/ 30 http://dndi.jp

SARSと首都停電

DND事務局の出口です。大型連休の谷間とはいえ、ゆっくりレジャーに身をゆだねることすらかなわないのですが、昨日、大学時代の部活「ESS」(英語会)の同窓生ら26人が集まり、久々に酩酊してしまいました。


1950年前半生まれの仲間の愚痴は、もっぱら所属する会社の理不尽?な異動、配転の憂き目からはじまって、ついにはそれぞれの愚息の就職問題。


統計では職につけない学卒者が24万人。数字だけみれば、まあ、悲鳴に近い惨状といえなくもないが、その至難をどう超えていくか?は、本人の問題です。が、やはり深刻です。


深刻な課題といえばジワリと周辺にまで及んできている重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)感染の防止対策。30日付けの産業情報紙「日経産業新聞」は一面で、「中国の強さ、SARSが蝕む」との見出しで、中国広東省に進出している日本企業の対応について「工場へのSARS侵入をどう防ぐか。疫病という見えない敵との格闘が続く」とルポを寄せている。


日本経済新聞も一面トップで、外務省が29日に北京の在留邦人へ帰国を含めて退去を検討するよう勧告し、渡航注意を呼びかける危険情報の対象も北京、香港、マカオなど7地域から中国全土に拡大したーことを大きく報じている。


北京の在留邦人は7000人、うち3000人が留学生という。深刻というより、異常事態です。「日刊工業新聞」は、もうひとつの懸念材料といえる「原発停止による電力不足」の問題を電力中央研究所の浅野浩志上席研究員のレポートをベースに「避けろ首都圏停電」を特集し、産業界への影響を指摘している。


浅野上席研究員の試算では、この夏の首都圏に停電が起きれば、需要家が被る直接的な経済損失だけで「3兆2800億円」。危険回避のために「国と東電が最大限の努力を」と警鐘を鳴らしている。


産業情報紙がこぞって、社会ネタを大きくとりあげています。SARSといい原発停止といい、日本の産業経済を根底から揺るがしかねない問題をはらんでいるからかもしれません。学卒者らの就職がさらに遠のく事態が連続して発生している状況は、辛い。


先週ご案内しました6月7,8日に京都の国際会議場で開催の第2回産官学連携推進会議の参加募集は、あっというまに150人近い登録がありました。締め切りが5月6日です。参加費は無料(懇親会は除く)です。日本再生を意図する同会議の盛会を期待し、そこから時代を突き抜ける連携のモデルが生まれて来るーことを念願してやみません。


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