時代に同期する情報装備を


俯瞰工学研究所の松島克守のメルマガです。第2号を送らせていただきます。


◆このメールマガジンは、松島克守が、東京大学教授、そして(社)俯瞰工学研究所の代表としてこれまでに名刺交換やメール交換をさせて頂いた方々に送らせていただいております。またこのようなMLはメールボックスのご迷惑と感じられる方もあるかと思います。ご遠慮なく不要のお申し出をくださるようお願いします。また、内容等についてもご遠慮なくご意見をいただければ幸いです。


皆様

◆季節のご挨拶◆
東京は久しぶりの雪でしたが、これからは春めいて来ると思われます。インフルエンザの流行もありますので健康には十分ご注意ください。実は、私は殆ど風邪を引いて発熱した事がありません。この20年以上、毎朝手作りの野菜ジュースを飲んでいます。人参、セロリ、レモン1個が基本です。また、風邪かなと思ったときは、ビタミンCとBを3時間おきに飲みます。風邪薬はこの30年間服用した記憶はありません。無論、抗生物質も。


◆時代に同期する情報装備を◆
2011年1月早々に、インテル社が新型CPUの発売を開始しました。新コアCPUです。私の書斎のパソコンは旧世代(Core2QuadQ9550)ですが、十分高速で、不満はありません。が、このまま2008年の先端技術に満足していては時代に同期できません。この間のインターフェースやメモリーの技術革新も著しいのです。ということで十数年ぶりに最先端テクノロジーを実装するパソコンを自作することにしました。自作のほうが割高になりますが、敢えて自作したのは、最先端の部品の組み合わせが可能になるばかりでなく、その部品の選択のために、かなりの技術情報を収集して理解しなければならないからです。このプロセスが重要でコンピュータに関する技術知識がバージョンアップされます。 初期のスーパーコンピュータより数十倍高速のパソコンは、実に、CPU、SDD、メモリーそしてマザーボードの4部品に集約されてしまったのです。これは革命だと思います。部品をマザーボードに装着してケースに入れ、電源を入れれば、動き始めます。パソコンの自作は、実は単純な作業です。そしてOS(Windows7 64bit)を導入すれば出来上りで、インターネットは始められます。新パソコンの体感速度は数倍になりました。素晴らしい。

ところで、ひとつも日本製の部品が無い!いやいやボードの上にあります。コンデンサーという部品は、台湾製の高級なマザーボードでは、日本製であることを付加価値としてアッピールしています。隠れた素材などにはまだ日本製もあるでしょう。しかし主要モジュールに日本製品がないという事実を、最先端のパソコン、ITの世界的な産業構造であると認識するしか無いのです。日本の電子産業は寂しいですね!時代に同期できなかったから仕方が無いのかもしれません。
◆(ブログ本文ではハイパーリンクを細かく貼り、それを見て行けば私が検索、分析、評価して部品を選択して行った過程がある意味共有出来ると思います。http://www.fukan.jp )


◆近未来都市を作る実験?◆
二子玉川の都市再開発のプロジェクトの一環としてクリエイティブ・シティ・コンソーシアムの「フォーラム2011」を1月26日二子玉川の「アレーナホール」で開催しました。参加をお断りしなければならないほどの申し込みを頂きました。

テーマは「創造経済の時代?変化する都市・ワーク・ライフと二子玉川の可能性」で、基調講演「創造社会の到来と都市の未来」金正勲氏(慶應義塾大学政策・メディア研究科 准教授、ハーバード大学法科大学院 客員教授)の後、パネルディスカッションを行いました。パネリストは、私と、石戸奈々子氏(NPO法人CANVAS副理事長)、金正勲氏(慶應義塾大学 教授)、向谷実氏(ミュージシャン、株式会社音楽館 代表取締役)です。向谷さんは生まれも育ちも二子玉川です。パネルディスカッションの冒頭で私が、コンーシアムのグランドデザインを紹介しました。それに続いて、現在設計中の、プロジェクトの紹介がありました。

また翌日の1月27日には、このコンソーシアムの重要な推進者である、東急電鉄の野本専務が次期社長に昇格する発表もありました。大変心強い体制になります。
◆フォーラムの詳細は以下のURLをご参照下さい。
http://creative-city.jp/news/2011/


◆プラチナ構想スクール◆
小宮山宏先生(三菱総研 理事長)が提唱されて来たプラチナ構想ネットワークが2010年12月22日に設立され活動を始めたことは、前回ご紹介しました。いよいよ自治体幹部研修のプラチナ構想スクールが2月18日にスタートします。参加者は定員25名でしたが、事情で28名になりました。地域活性化のプロジェクトを推進する地域のリーダーの育成が目的です。これは一般公開ではなく、プラチナ構想ネットワーク会員の自治体からの推薦、申し込みです。これから月1回、1泊2日の研修を計6回することになります。地域活性化の推進に必要な基礎知識の獲得と、相互研鑽、人的ネットワーク形成の場を提供します。私は4回目に「地域クラスターの作り方」を講義する予定です。最後は「我が街のプラチナ構想」といういわば卒業論文の発表です。また経過報告をします。

◆詳細は以下のURLをご参照下さい。
http://www.platinum-network.jp/
(社)俯瞰工学研究所はこの活動の支援に参加します。


◆ビジネスモデル学会春季大会参加のお誘い◆
ビジネスモデル学会の春季大会が3月26日、慶応大学の三田キャンパスで開催されます。今回のテーマは「ビジネスモデルと企業倫理」です。企業はますます社会的な存在となってきました。その結果、求められる企業倫理もより高度になります。実は、前回秋の10周年記念大会での基調講演の「ビジネスモデル研究10年の俯瞰」で判明したのですが、ビジネスモデルの学術研究で最も大きな研究の一つが「ビジネスモデルとETHICS(倫理)」でした。今回はこれを少し深堀してご紹介したいと思います。

さらに、貴重な1日の時間ですから、参加者にとって価値ある時間とするため、興味深くかつ有用なご講演をお願いしています。主な公演予定は、

基調講演1:「ビジネスモデルとETHICSの俯瞰図」 松島 克守  (ビジネスモデル学会会長/俯瞰工学研究所長)
基調講演2:「ビジネスモデルとETHICSの研究動向」 露木 美幸 氏(拓殖大学講師)
特別講演1:「ビジネス顕微鏡/人間情報が創るこれからの企業成長」 矢野 和男 氏(日立製作所基礎研究所主管研究長/人間・情報システムラボ長/IEEE Fellow)
特別講演2:「ビジネス・モデル・イノベーション基盤としてのユビキタス・コンピューティング」 坂村 健 氏 (YRPユビキタスネットワーキング研究所長/東京大学教授)
特別講演3:「地上波テレビ・ビジネスモデルの限界と可能性」 岩崎 達也 氏 (法政大学客員教授/日テレアックスオン映像事業センター長)
特別講演4: 「産学連携の現場からの提起」(仮) 鈴木 康之 氏(JST科学技術コーディネータ)

JSTの鈴木さんは中部地区で長年産学連携を支援して、大きな成果を上がられたことで平成22年度文部科学大臣賞を受賞されています。

ビジネスモデル学会ご参加されれば貴重な知識を獲得し、交流会で素晴らしい人脈ネットワークを強化出来ると思います。これを機会に会員になって活動に参加しませんか。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。
http://www.biz-model.org/


◆書評◆
「知はいかにして再発明されたか」2010年 日経BP社 イアン・F・マクリーニー・ライザ・ウルヴァートン(著)「知の構造化」ということを数多く口にしているので、題名に惹かれて書店で買い求め、読んでみましたが、知的な読み物のとして凄く面白い本です。巻末の参考文献のリストを見れば学術論文の水準ですが、学術論文のように書いてはこの喉越しの良さは出ないでしょう。ただ主観を吐露するだけの憂国本や、読めばすぐお金になるような新聞広告の本とは異次元の水準です。時間があればご一読をお勧めします。

アレキサンドリアに生まれた図書館、中世の修道院、ヨーロッパの大学、アカデミー、専門分野、実験室そしてインターネットと、知の創造機関を繋いだストーリですが、興味深い知見を得られます。終着点としてインターネットを位置づけていますが、ここはかなり唐突で不連続なので、読後多くの人が、発展的、創造的に書き換えたいという衝動に駆られると思います。
◆要約をブログに置きます。http://www.fukan.jp/


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◆俯瞰 MAIL 0002号(2011年2月16日)
発行元: 一般社団法人 俯瞰工学研究所
発行責任者:松島克守
URL: http://fukan.jp
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※本記事は松島克守氏の許諾を得て、再録したものです。


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