第1回 はじめまして


 はじめまして。宮本岩男と申します。まずは、簡単な自己紹介から始めさせていただければと思います。


 昭和46年、京都府生まれ。高校までは関西の実家から通い、大学からは、東京に出てきて修士課程を理学部生物学科で獲得。しかしその後、研究の道に進むのを辞め、人とかかわりあいを仕事とすることに憧れ、通商産業省(現、経済産業省)に入省。入省後、課長補佐の駆け出しの頃に米国留学する機会をいただき、米国ジョージタウン大学で経営学修士を獲得。その後、約10年間、様々な部署で課長補佐を務めた後、今年7月にNEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)に出向し、8月よりニューデリー事務所に赴任することとなりました。


 NEDOのニューデリー事務所での専らのアサインメントは、ものすごく簡単に申し上げれば、我が国の産業界がインフラ輸出をする際の手助けをすることということになります。具体的には、新興国が成長していくに際して、足りなくなりつつある電気や水などのインフラ構築をするに当たり、日本企業がそれらのインフラ構築だけでなくインフラの運営にまでかかわれるよう手助けすることが仕事となります。中でもNEDOの現地事務所としては、相手国政府(中央政府や地方政府)との顔つなぎを手助けしたりすることが期待されています。なお、ニューデリー事務所としては、対象国は、インドがメインですが、インド以外にも中東の国々も対象範囲とすることとなっています。


 出口さんとは、私が経済産業省の大学連携推進課の課長補佐を務めていた時にいろいろとご相談に乗っていただいていたご縁があり、今回の赴任をきっかけに連載の機会をいただけることとなりました。インドに向けて赴任する直前に、在京のインド大使館にご挨拶に伺う機会があり、その際にインド大使館の前で出口さんと待ち合わせをし、インド大使館をバックに取っていただいた写真がプロフィールに使われています。


 今回の連載においては、これまで日本文化にどっぷりと浸かって生活してきた筆者が、赴任後の毎日の生活を通じて感じたことを紹介させていただきながら、日本から見たときにインドという国はどのように見えるのかを紹介できればと思います。その後、私自身がインドでの生き方について慣れ、インド人の目からみた見え方が見えてくるに従い(いつそのような境地に達することができるのかわかりませんが)、逆にインドからは、日本という国はどのように見えているのかについて、ご紹介をさせていただくことができればと思います。そして最後に、我が国がこのような国とどのように付き合い、どのように共存していくことが望ましいのかについて、何らかの私見を提示できればと考えています。


 どこまで、最終目標を達成できるか現時点でははなはだ不安ですが、まずは、赴任してから日々感じたことを中心に報告させていただこうと思います。



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