第37回 あれから一週間


 出口編集長に、一週間前に私が地震に遭遇した際のことをメールしたところ、参考になることが書いてあるので、加筆してコラムに掲載してみたらとアドバイスをされました。自分自身ではいかほど参考になるか分かりませんが、宜しければ、暫しお付き合い下さい。


 3月11日午後は、産学連携本部の同僚でもある渡部俊也教授主宰のセミナーに出席すべく、本郷キャンパスから駒場キャンパスに向かっていました。メトロ半蔵門線の青山一丁目駅を出発して少しした時、地下鉄が急停止しました。緊急地震警報が出たので急停止したというアナウンスから程なくして、大きな揺れが来ました。メトロの中で地震に遭遇するのは初めてで恐ろしい気持ちがしましたが、地下鉄の中は安全ですと繰り返されるアナウンスを聞きながら待っているうちに、10分くらい経ってからでしょうか、時速5kmの徐行で表参道駅まで参りますというアナウンス。表参道駅に着いてドアが空いたところで、張り詰めた感じが少し緩みましたが、「地下鉄は当分の間、運行を見合わせます。地下鉄は、駅舎も含め地震に対し強くできています。地下鉄が止まっているということは、他の電車もみな止まっているものと思われます。余震や壊れたものが落ちてくる危険があるので、このまま地下にいて下さい。」という趣旨のアナウンスがあったので、車内でそのまま待つこととしました。待っている間、携帯で連絡を試みるもののどこにも繋がりません。一時間強地下で待ちましたが、家内に連絡が取れないことが一番心配で、駒場行きを断念し、とりあえず歩いて自宅に戻りました。


 家内は、新国立劇場にて地震に遭遇したようですが、大勢の方々と共にロビーに避難し、そこで待機しているとのメールが帰宅直後に届き、一安心。結局、彼女は、バスと徒歩とで帰宅しましたが、途中、渋谷を通る際、生鮮食料品を買ったらしく、「だから、徒歩で帰ってくるのはきつかった。」とふうふう息をつきながら帰ってきました。主婦は偉い!と思いました。


 今回、被災された東北の沿岸地域は、一昨年の秋の五連休に、JR東日本の普通列車乗り放題という企画切符を活用して訪れたところが多数含まれています。女川の中村雅俊記念館、石巻のお寿司屋さん、大船渡の洋食屋さん、みな海から近いところにありました。旅が大好きというおかみさんが切り盛りする大谷海岸のペンションは、文字通り小さな砂浜を隔てただけの海岸沿いにありました。皆さん、ご無事でしょうか。先ほど本郷キャンパス内を歩いていたら、轟音と共に黄色の航空自衛隊のヘリコプターが現れ、構内のグラウンドに着陸。被災者の方を東大病院まで運んできたとのことでした。"自衛隊の皆さん、有難うございます。"という思いと、連れてこられた被災者の方へ、"本当にお疲れ様でした、もう大丈夫ですよ。"という思いと、東大病院のお医者さん・看護婦さんへ、"どうぞ宜しくお願いします。"という思いが順々に湧いてきました。一人でも多くの方々が救われることを祈るばかりです。


(追伸)私が以前勤めていた独立行政法人製品評価技術基盤機構から、「災害時の製品事故の防止についての注意喚起」が出ています。ご参考まで。http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs110315.html



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