第9回 おじさんも、大志をいだけ!


 梅雨の東京を抜け出し、北海道へ!・・・のつもりが、北海道は大雨。最近は気候変動の影響で、北海道も梅雨時は雨が多いそうです。今回は、7月10日に、北海道大学で開催された、「「北大リサーチ&ビジネスパーク」を起爆剤とした地域活性化に関する産学官関係者会合」に参加させていただきました。


 札幌といえば、私の強烈な印象は、30年前に始めて見たときの「時計台」でした。札幌の観光シンボルですが、別名、日本三大がっかり観光地とも言われております。観光ガイドブックの写真のような、そびえ立ち、仰ぎ見る時計台を想像していたのです。が、実際はビルの谷間に、ポツンと立つ低層木造建築。思わず、「めぞん一刻」ではないかと呟いたのは、私だけではないでしょう。



 他の三大がっかり観光地の一つは、高知の「はりまや橋」ということ。 残りの一つの枠を、沖縄の「守礼門」とか、長崎の「オランダ坂」が競っているそうです。が、個人的には、一位及び二位と三位の実力の差はかなりの開きがあると思います。「はりまや橋」は、単なるがっかりのレベルではなく、最高国家機密か、はたまた、世界がっかり遺産の第一号に認定しても恥ずかしくないのではないでしょうか。更に、現在の橋は、汚名返上のため、建築されたものだそうで、先代の元祖はりまや橋は、もっとインパクト大だったそうです。流石に、坂本龍馬を産んだ土地、ぼんさんも、かんざし買っている場合ではありません。いずれにせよ、Never miss! なので、是非、足を運んで下さい。


 ということで、今回は、北の大地からレポートさせていただきます。 ご存じにように、北海道経済は苦しい状況が長らく続いております。これまで、公共投資依存比率が高かっただけに、建設投資、個人消費の低迷、観光も低調など、厳しい要因が目白押しとなっております。このような中、自立的経済発展を目指して、北海道経済連合会などの地元産業界と大学、行政が力を合わせ、平成15年から「北大R&BP」構想が進展しております。「北大R&BP」とは、北大リズム&ブルース・パーティーではなく、北大リサーチ&ビジネスパークでございますそれでは、「北大R&BP」とは何か?


 海外では珍しくないのですが、北大は、旧国立大学で、最も早く、民間企業の塩野義製薬がキャンパス内に研究所を建設した大学です。キャンパス北部に、牛がのどかに草をはむ農場があるのですが、その一画を活用して、学内や塩野義製薬の研究施設や、中小基盤整備機構のインキュベーションセンター、JST、道立研究機関が複数集積しております。
北大R&BPの紹介サイト
http://www.hokudai-rbp.jp/newinfo.php?d=31


 また、文部科学省科学技術振興調整費の「未来創薬・医療イノベーション拠点形成」プロジェクトも進展中です。ここでは、がん患者の細胞に含まれる糖のつながりである糖鎖の特殊な構造を突き止める糖鎖研究が進展しました。07年には塩野義製薬との共同研究実施が進展、明治乳業も入居するなど、ここ数年で最先端技術の研究施設が急速に集積しております。このため、研究が進展するにつれ、これらの研究に欠かせない動物実験施設の不足が大きな課題でした。


 今回の試みは、本R&BP内に、動物実験施設や高性能分析装置を備えた「先端バイオセンター(仮称)」の建設を定めたものです。建物は述べ床面積4千u、鉄筋5階建ての建物になる予定。
研究テーマは、
(1)糖鎖研究を基としたがん検知薬や糖尿病予防薬などの創薬開発、
(2)小腸などの腸管機能メカニズムの解析等をベースにした新しい機能性食材、
の二つが予定されております。


 今回の会合では、近藤龍夫北海道経済連合会会長、佐伯浩北海道大学総長、北海道庁幹部、政府からは吉川貴盛経済産業副大臣といった、まさに産学官のトップのよる活発な意見交換が行われました。経済の危機は産学官でしっかり結束して乗り切るとの、一つのチャンスです。北海道は、バイオ、食糧といった強みに集中投資を行い、日本の中の特色のある拠点を築いて行かれることを確信しております。


 ということで、今回のキャッチフレーズは、少年・少女だけではなく、人生常にチャレンジですので、おじさん・おばさんも大志をいただけ!とさせていただきます。ピンチをチャンスに変えることが、現在求められております。


 以下、日本三大がっかり名所に関するサイトです。世界三大がっかり名所もありますよ。お時間がある時にでもご一読下さい。
日本3大がっかり名所





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