第7回 山梨の燃料電池拠点


 今回は、山梨大学の燃料電池研究所を訪問させていただきました。ちなみに、新宿から大学のある甲府まで、JR特急あずさ号で約1時間半です。 そういえば、狩人の「あずさ2号」という昭和歌謡がありました。


 歌詞の中で、「8時ちょうどのあずさ2号」で「春まだ浅い信濃路」に向かう訳ですね。しかし、昭和53年のダイヤ改正で下り列車が奇数、上り列車は偶数になりました。このため、歌詞に相当する列車は「あずさ3号」となり、今は、「スーパーあずさ3号」です。8時ちょうどの「スーパーあずさ3号」では、ちょっと字余りですし、「あずさ2号」では、甲府7時35分発の「通勤特急」ですので、「旅立つ」というより、「会社に行ってきます」、になってしまいます。


 前置きはさておき、山梨大学の「クリーンエネルギー研究所」と「燃料電池ナノ材料研究所」は想像以上の拠点でした。研究内容もさることながら、学部学生から博士課程の学生の方まで、世界最先端の研究テーマを自らの研究テーマとした、教育は非常に実践的です。また、多くの関係企業の方も、同じ屋根の下、切磋琢磨されております。産学連携による、研究と人材育成です。


 燃料電池の研究は本当にいろんな技術の融合です。触媒、材料、制御、等等。いろんな課題が発見されるたびに、その分野の研究者を招聘したり育てたり、まさに、研究だけではなく、プロジェクトマネージメント力が必要不可欠です。参加企業との間では、研究成果の取り扱いも含めた、契約関係の明確化も避けて通れません。これらの気の遠くなるような作業を、渡辺政廣センター長はじめ、皆様で乗り越えてこられました。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://www.clean.yamanashi.ac.jp/~mwatanab/
http://fc-nano.yamanashi.ac.jp/index.html


 また、山梨大学は日本で唯一ワインを科学する大学としても有名です。ワイン科学研究センターは、昭和22年の創設以来、ブドウの栽培からワイン醸造までの技術を総合的に研究している日本唯一の研究所です。ワイン科学研究センターでは、県内ワイナリーとも協力しながら、ブドウの品種改良、栽培技術の改良、新たな醸造酵母や香りなど風味に関する技術の研究開発などの成果を、国産ワインの品質改善に役立ててきました。また、山梨大学からは多くのワイン醸造技術者が輩出していて、全国のワイナリーに働く醸造技術者の多数が山梨大学で醸造技術を学んだ技術者たちとのことです。
http://www.yamanashi.ac.jp/modules/original_goods/index.php?content_id=1


 当日は、前田秀一郎学長、佐野太副学長から、山梨大学の先進的な取組も伺うことが出来ました。なお、一緒に訪問しました、文部科学省の小谷和浩技術移転室長とは、その夜、甲州ワインを飲みながら、産学連携の今後について語りあいましたが、二人とも翌日はちょっと二日酔いだったのでは。


 懐メロが聞きたい方は以下のサイトで。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=lWVuprArWyQ


 



記事一覧へ