第4回 中国国家ハイテク産業開発ゾーンとは?


 不思議だなぁ、それが!と筆者もときに思うことがある。東京の池袋駅、その西には「東部」デパートがあって、その東には「西部」デパートがある。また、中国「陽澄湖」産のブランド蟹であるのに「上海」蟹として知られているように、日本「浦安市」にあるのに「東京」ディスニーランドと称されている。「どう探しても東京都の地図には見つからないよ」と、中国の友人に国際電話で聞かれるとき、そのやや不可解な声が耳に残る。

 筆者はそういう方面の専門家でもなければ雑学に弱いと痛感している毎日であるから、美しい説明ができなくて悔しいのだが、思い込みのないよう、または中途半端な理解にならないようその心掛けに努力し続けている。

 ところで、筆者の連載に「中国国家ハイテク産業開発ゾーン」という用語が頻繁に登場し、それは中国のイノベーションを知るうえで最も重要な概念の一つともいえるが、日本の方にとってはなかなか馴染まない言葉の一つとなっているようである。中国における「ハイテク」とは何か、「ハイテク産業」とは何か、「ハイテク産業開発ゾーン」とは何か、・・・。本連載にご関心を持たれる方々はぜひ一度、拙稿「中国における高成長が続くハイテク産業の現状及び動向(上)」(下記ページ)をお読みになってはいかがであろうか。

 ◇JST/CRCマンスリーレポート・特別寄稿
 http://crds.jst.go.jp/CRC/monthly-report/200706/report_zhang.html

 ◇中国国家ハイテク産業開発ゾーンの一覧
 http://www.tb-innovations.co.jp/CHBW/link.0.03.hightechzone.htm

 2005年、中国全国一人当たりのGDPが1千米ドルになるかどうかのところで、中国国家ハイテク産業開発ゾーンでの一人当たりのGDPは既に1万米ドルに達している。中国国家ハイテク産業開発ゾーンは今日も中国ハイテク産業全般を牽引しているが、それは単なる特別なエリア的な存在ではなく、中国の未来の一面が窺える限りない空間である、と筆者は考える。

<了>





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