世界の若者、世界のリーダーたち、そして英国大使館でDavid King卿: 世界からの日本への期待と課題。
UNESCO-L'Oreal女性研究者選考でパリから帰国の翌日、10月7日から9日の活動報告です。
さて7日の朝は8時から「BioCamp」へ。これは世界で活躍する
Novartis
が40人ほどのアジアの若者を対象に、2年前から年1回行っている「キャンプ」です(参考
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,
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)。第1回は台湾で(
李遠哲(Yuan T Lee)博士
−1986年ノーベル化学賞受賞者―の基調講演、そして下の写真1にも)、第2回はSingaporeで(科学担当大臣
Philip Yeo氏
の基調講演)の開催。今回は私と2002年ノーベル医学生理学賞のMITの
R Horwitzさん
が基調講演をしました。参加者全体40人ほどでしょうか、男女比は5:5、このうち日本からの参加者15人ほどでは7:3程度で男性が多いのです(ということは、他は女性のほうが多いということです)。前日にパリでの素晴らしい女性研究者の選考したばかりでしたのでちょっとさびしい感じがしました。後で知ったのですが、翌日の朝の「みのもんたの朝ズバ」で90秒ほどでしょうか、私の部分も含めて放映されたそうです。私企業が世界の若者育成への貢献の例として取り上げたようです。
その後、すぐに京都へ。第4回の
STS Forum
(10月7−9日)です。午前のセッションでは福田総理のご挨拶、好評だったとようです。これらに間に合わず、午後のセッションから参加。今年は第4回目ということでかなり盛り上がっていますし、数多くの世界のリーダー、友人たちと再会、新しい知己(写真1−4)を得られる素晴らしい機会です。世界の多くの課題、政策等について討論。
去年の会議
から更に成長した感じです。なんといっても、気候変動、持続可能な社会は、世界の中心的課題になっていることは間違いないところです。ここでも日本への期待は大きいのですが。
写真1−4は、京都のSTS Forumで
写真1: 左から、私、
李遠哲(Yuan T Lee)先生
、
吉川弘之先生
、そして
Waldvogel博士
。
写真2: 左から、私、
Charles Vest
、そして
Chi, Youngsukさん
。
写真3: 左から、私、Egypt大使、
Alexandria図書館長Serageldin博士
写真4:
George Atkinson氏
の後任として米国国務省Rice長官の科学顧問に就任した
Nina V. Fedoroff博士
と。
9日の会議終了とともに帰京の途へ、品川駅から東京大学医科学研究所へ向かい、
国際エイズワクチン推進構想(IAVI)
創設者の
Seth Berkley氏
(2年前のダボス会議からの知り合い、今回のSTS Forumにも出席)とワクチン開発への講演に参加しました。
その後はすぐに英国大使館での英国首相の科学顧問の
David King卿
(参考
1
、
2
)との夕食へ。勿論、来年、日本が主宰する来年7月のG8サミットへの話題が中心で、私のスタッフ4人(内閣官房、外務省、総合科学技術会議、日本学術会議)にも同席してもらいました。
国内外にいろいろ課題が満載のG8サミットのホスト国ではありますが、気候変動、アフリカ問題等をどうするのか。台頭するアジアと、これらの地球規模の課題への日本のリーダーシップはどうか、これを世界が注目するなかで、ここが21世紀初頭の日本の正念場はないか、と私はヒシヒシと感じているのですが。今年のドイツでのG8 サミットは
日本の提案が大きく貢献
したのですが(
その割には、国内外で評価が広がっていないのは、報道戦略があまりうまくなかったーいつものことですが−と思います
)、さてそこで、気候変動へは日本は何を打ち出すのか。さらに、アフリカ問題へはTICAD (参考
1
,
2
)などこのサイトで「Africa」で「search」してください) を5月に横浜で開催する絶好の機会に、これらが来年のG8へのテーマとして世界で注目される中で、「国家の意思」が伝わってこないもどかしさがあるのです。これは世界でも同じように感じているところです。「急激に動く世界での日本」が見えてこないのですね。もっとも、これは予期しなかった政権交代があったとはいえ、とのことを認識した上のことではありますが。
さて、皆さんはどのようにこれを感じ、考えているのでしょうか? しかし、疲れますね。私にはやれやれといった感じでしょうか。