「イノベーション25」



 「イノベーション25」の中間報告が出ました。このサイトでもカラムなどで報告していますし、またhttp://dndi.jpに見られるように、各方面でもいろいろ期待もされ、応援もいただいていたのですが、相当な圧力も感じ、それなりに苦労しました。この種の報告書としては異例のことですが高市大臣からの「メッセージ」から始まり、大臣からの20年後の社会での「イノベ家」のありさま、座長としての「私の考え方」があり、そこからが、ほかの報告書のような体裁になっているといっていいと思います。

 「科学技術のイノベーション」と「社会あり方や制度のイノベーション」、これらは結局のところ「人つくり、イノベーテイブな人を作る」という趣旨です。これらを一括して進める、ではどうするか、というアジェンダ設定です。当面の政策課題としての重点は:「1」若者への思い切った投資拡大;2)大学改革;そして3)環境を経済成長のエンジンに、そして国際貢献の中心に」としました。この3課題がすぐにも取り掛かる最重要課題であると、安倍総理も認識を示され、推進の指示をされました。

 新聞報道や、blogでも実にいろいろとご意見、コメントいただいています。ありがたいことです。報告書の中身等は読んで、批判いただくとして、これからはもっと大変でしょうね。

 財政諮問会議(27日)でも議論されましたが、大学改革については財政諮問会議の民間議員、さらに文部科学大臣とも見解は基本的に一致しているwww.keizai-shimon.go.jp/minutes/2007/0227/agenda.html と思います。いろいろ細部、方法論になると意見の違い、思惑は当然あるでしょうけれどね。大学改革はいまの国家政策の「きわめて大事な柱」という認識は、皆さんお持ちです。基本的には私が常日ごろから発言している「大学の大相撲化」理念です。

 地球環境、気候変動が最重要課題になってきていることは先進国共通の認識です。EU、英国ばかりでなく、アメリカでも今年の1月23日の大統領一般教書でエネルギーと環境がトップでした。またゴア元副大統領の「不都合な真実」がアカデミー賞、これらを見ても世界の動向は明らかです。ことしのドイツでのG8サミットでも、そして来年の日本のG8サミットへ向けて京都議定書後の話のリーダーシップの取り合いの様相になりつつあります。ここでの日本のリーダーシップとメッセージが世界で問われるところでしょう。国民の理解を深める活動と支援をお願いします。

 これらを見据えて「イノベーション25」での提言に、総理が「(地球)環境(と気候変動)を経済成長のエンジンに、そして国際貢献の中心に」を重要課題として取りくむ、といわれていることは重要です。どのようにこれを政治的に国民に指示されるようにしていくか、政策的に関係省庁も問われるところでしょう。情報がグローバルの時代、世界は見ているのです。