ジュネーヴ、WHO本部から



 私が2005年に始まったWHOのCommission for Social Determinants of Health (CSDH)でCommissionerをしていることは、このHPを訪ねてくださる方の中ではご存知の方も多いと思います。いままで、Santiago de Chile, Cairo, Nairobiなどを訪れました(たとえばカラム2006/06/26; 06/27; 06/30; 07/02など)。今回はGenevaの本部で開催され、1月16日、21時55分発AFの予定でしたが、内閣府の仕事等があって、17日朝出発とし、CSDH会議の第1日は欠席となりました。

 皆さんと、事務局長のMagarert Chan(写真中央の女性)との写真がここ(*で見られます。私がどこにいるかわかりますか?Commissioners meeting in Geneva, 17-19 January」の報告にチャン局長、Amartya Sen、Sir Michael Maremot、そして私の4人が写っています。

 今回はCommissionerの一人のAmartya Senも初めて参加しました。2年まで東京でお会いしたときに「たまには、CSDHに出てくださいね」といったのですけどね。皆さんは、彼のことご存知ですね?現代の最高の哲学者、知能の一人ですが、1998年Nobel 経済学賞(:このサイトの自伝もぜひ読んでください、下に紹介する鈴村先生のことも出てきますよ)、Cambridge大学のTrinity CollegeのMaster、3年前からですかHarvardに戻られています。私も「読書漫遊「インドの深みを知り 日本を見つめ直す」(articles 2006/08/20)で紹介しています、読んでください。話をしていても本当にすばらしい方です。日本学術会議の鈴村興太郎副会長(一橋大教授、私の尊敬する一人ですが、すばらしい方です)のCambridge大での先生です。

 Sen教授は会議中も実に的確な意見を出されるし、夜のレセプションでは話が弾んで実に楽しかったです。鈴村さんのほかにも、わたしの好きな宇沢弘一先生、青木昌彦さん、Lord Martin Rees (私のカラム2006/09/11), Monti Cassim (Asia Pacific University: 私のarticles/pdf/theses/20060429.pdf)とか共通の知人も多いし、ほんとにすばらしい方です。

 私の主張のポイントは「社会的格差social inequity」はすべてこれまでの社会が歴史的に男性優位だったことにある、しかもどの社会でもごくわずかの例外を除けば男性と女性が半々なのだから、貧富の差別なしでどの国でも、地域社会でも、すべてまず「男女の社会的平等を目標とすべき」というものです。例外なく達成目標としては優れた指標と思います。何人かの女性Commissionersから、「そのとうりなのだけど、私たちからはいいにくいのよね、ありがとう」といわれました。

 WHOでは、上の写真のように新しい事務局長のDr Margaret Chan (私の尊敬する尾身茂さん、本当に残念でした。国家戦略の問題でしたね)ともお会いし、また日本人で大活躍しているシブヤDr、モチズキさん、東海大学におられたタムラ Dr、厚生労働省から来ているDrエナミにはお世話になりました。また、夜にはちょうどここにこられた、これまた厚生労働省のDrsシノザキ元局長、タナカ、コイケ、タケイ(漢字が違うといけないので皆さんカタカナにしてあります)、そしてWorld Economic ForumのGenevaの本部で活躍しているツチヤ君(私のカラム2006/11/27)も一緒で夕食を楽しみました。

 明日はLondonですが、ヨーロッパの北部は大変は嵐で、飛行機が飛ぶのかどうかちょっと心配です。
*編集注:URLが長いために改変