第6回 「産学官活動の甲子園!産学官連携推進会議へのお誘い」


●皆さん。

  今回は、いつもの連載企画でなく(連載といえるほど続いていないので、季刊企画?)、特別企画で書いております(ここ京都弁で読んでください)。何が特別なんや?書き出しは一緒やないか?といわれそうですが、今回関西弁で書き始めているのは、DND企画の近畿経済局山城部長の「MOT関西!」に触発されて関西人のDNAが騒いだわけでなく、特別に鬼の!出口編集長に産学官連携推進会議へのお誘いを書け!と命じられ、普段の原稿落ちを許してもらっている負い目で引き受けたためです。

 でも、何で関西弁?といわれる方、一度もこの恒例行事「産学官連携推進会議」に来たことがないことを物語っています(一度も来られていない方は反省してください!)。第一回目からずっとこの会議は、京都の国際会議場で緑豊かな自然の中、熱気をはらみながら実施されてきました。まさに、産学官の担い手が一斉に集う国連総会のような場所です(関西人が企画したら、多分産学官甲子園と命名したと思うのですが・・・)。一度も、参加されていない方は、大変損をされているといわざるを得ません(日光見ずして結構いうな・・・の世界です)。

 2006年に入り、5年間で25兆円を投じることを明記した第三期科学技術基本計画が発表され、先日は科学技術会議の民間議員提案で国際的なCEOの創出など大きな科学技術立国へのうねりが高まる中での開催です。産学連携やベンチャーなどにかかわる方は必見といわざるを得ません。

 産学官連携活動は、第一期・第二期科学技術基本計画を通して、着実に推進され、地域経済再生における重要性は定着したかのように見えます。実際、大学の中ではかつて鬼っ子?であった産学官連携やベンチャーという言葉は、まさに市民権を得てきました。

 「その通り、今更産学官連携推進会議に出なくても!もう十分わかっている。」と思った方は、まだまだお尻が青い方です。まだまだ科学技術立国に向けて議論すべきことや改革すべきことはたくさんあるはずです!

 例えば、産学官活動に携わる担い手は固定されてきていませんか?中小企業の方は、産学官連携のやり方はわかりますか?大手企業よりも本来は中小企業のほうが、大学の技術や手助けを必要としているはずです。敷居が高いからって、遠慮していませんか?そういう方こそ、是非会議に参加ください。いかに大学の敷居が低いか、公的なスタートアップの制度が整備されてきているか、実感できると思います。

 毎回サミットの常連ではありますが、中小企業代表クラスター・テクノロジーの安達さんも今回の会議でも登壇されます。安達さんの会社は、つい先日新興市場ヘラクレスに上場されました(証券コード4240)。株価も好調で、日本の中小企業の技術力をマーケットが評価していることが良くわかります。

 なぜ、安達さんは産学官連携推進会議の常連か?それは、安達さんが産学官連携をうまく利用されており、ついに上場までこぎつけられたからです。それだけでも、聞く価値がありそうに思いませんか?(個人的なことですが、お祝いのお花を安達さんに贈り損ねたので、この場を借りて祝辞を述べさせていただきます。本当におめでとうございました。今度飲みにいきましょうね!)

 実は、私も登壇します。私のセッションは、産学官連携の人材育成で、特に国際的な活動をする人材に関して私はお話しようと思っております。各地にクラスター形成が進んでいますが、今後地域ごとのミッション策定も必要だと思います。国際的なクラスターを目指した大型の連携活動を行うのか、地域再生の観点からローカル・エクセレントな活動を目指すのか、方向性がはっきりしないと評価もできず、達成感のないまま疲労が蓄積しかねません。このような課題は次回の原稿で述べたいと思います(というのも、最低2回のノルマが出口編集長からあり、あんまり一度に頑張ると内容がなくなりそうなので、次回回しにさせてください・・・)。

 いみじくも第三期科学技術基本計画における大きな変化はモノからヒトへということであり、科学と社会の対話が重視される中現状に満足せず、より一層の産学官連携活動の推進が望まれます。

 やあやあ我こそはという各地の産学官連携活動の猛者の方々にお会いできるのを楽しみに、今年も京都に6月10・11日と参加したいと思います。



●P.S. 次回は、産学官連携推進会議の全てと題してナビゲーターを務めたいと思います。

 追伸:私どもの研究室とアンジェスMG社では産学協同研究を推進する研究者を募集しております。また、アンジェスは東京大学に先端臨床医学開発講座(寄付講座)を開設しております。こちらでは、遺伝子治療・再生医療やがんに対する新規治療法の開発を行います。東京・大阪のどちらでも大学院生や産学連携のポスドクを募集しております。ご興味のある方は、担当者の中神までご連絡ください(nakagami@cgt.med.osaka-u.ac.jp)。なお、私どもの研究室の詳細は、http://www.cgt.med.osaka-u.ac.jp/で見ることができますので、ご覧ください。
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