平成16年1月某日
謹賀新年、開けましておめでとうございます。今年も皆さんよろしくお願いいたします。今年は何としても、克服できずに残っている開発課題をクリアーし、事業化への目処をつけたいものです。今年もしっかりお世話になるつもりですので、覚悟してください。しかし今年は雪がほとんど降らない。全国的に暖冬らしいが、室蘭も、東京などに比べると当然室蘭の冬は北海道の冬なのだが、積雪量は少なく、少し溶けて霙混じりの雪道になっている。そして夜はしっかり寒い。こういう状態だから、少し溶けた積雪表面が夜の寒気で氷になる。私の宿舎の玄関前はスケート場になっている。今朝ものの見事に滑って鳩尾から転倒した。非常に痛く、しかも誰も周りにいなかったものだから『大丈夫ですか』の声もなく、心が寒い。。。冬はもう過ぎていったのだろうか。それともまだ通り過ぎてくれてはいないのだろうか。
1月某日
今日から、残りの課題を克服するため、冬の室蘭で第3クールを開始する。恐らく排水処理の技術を開発する上で度々悩まされるのが、排水中の微生物と微小ゴミを核とする浮遊性懸濁粒子(SS)の問題であろう。昨年の性能評価では、装置内で大量に発生するこのSSが分解菌の活性を著しく低下させており、このSSの問題といかにしてうまく付き合うかを研究する必要がある。そこで今回は循環曝気ポンプを止めて強力なエアを吐出する空気噴射と特別仕様の水車を併用して循環曝気することとした。あと時期的にもちょうど良いのだが、低温排水でそれくらい処理能力が維持されるか、複数個連結することで処理速度を高められるか(=将来、ユーザーの排水規模に合わせて複数連結で処理能力を自在に設定できる)についても平行して検討する。今、装置を設置している楢崎工場内に来ているのだが、装置の貯水タンクから湯気が出ている。湯が入っているわけではない。水温25℃である。外気温があまりにも寒いため、25℃の常温水からも蒸気が出るのだ。冷え込んだ釧路湿原の映像で川面から湯気が立っているシーンがあるが、あれと同じである。第3クールいよいよスタート。
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